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第53話:国王とのないしょ話

 アイラが国王ジークハルトとの会談をすっぽかした翌朝。

 朝食後、アイラとユーリは改めて国王ジークハルトの塔の私室に呼び出された。

 国王の呼び出しに答えなかったことは、本人の6歳という年齢を鑑みて不問とされたものの、当の本人はまたやらかした・・・と大いに反省していた。


------

(アイラ視点)

 包み込まれる様な温もりを感じて目を覚ます。

(あれ・・・なんかうとうとしちゃったみたいだ。)

 と柔らかな温もりに包まれて気持ちのいい倦怠感を覚えたボクだったが、しかしすぐに違和感に気づいた。


 そもそも、包み込まれる・・・・・・温もりというのがおかしい。

 そして、ボクの部屋には、アイリス、アニス、ユディしかいなかったハズ・・・。

(ていうか、ジークのところに行かないと・・・)

 前をふさいでいた柔らかく暖かなモノを手で押すと、モニュンとした弾力が両手に伝わる。

「ん・・、うーん」

(あぁ、この温かさの正体は、サークラの胸だ。)

 別に触ったからわかったわけじゃなくって、サークラの寝ぼけた声が聞こえたからわかったんだよ?


「姉さん、姉さん・・・?」

 サークラに拘束された状態では起きることができないので、軽くゆする。

 しかしサークラは起きる様子は無く、さらに強くボクの頭を抱きしめる。

「むにゃ・・・、もっとあまえていいんだよ~。」

 と、甘い猫なで声を出してボクの背中に回された腕がボクを胸に押し付ける・・・。

(息はできるけれど、これじゃあ起きられない・・・。)

 目を覚めた以上ボクには不安ごとが二つある。

 一つは今日はジークに呼び出されているの今が何時なのかわからないこと、そしてもう一つは尿意いつもの心配だ。


 目を覚ましたらボクは、大体いつも10分以内にトイレにいく様にしている。

 前世で得た得がたい教訓、ただでさえ子どもの体の上、ボクが最初に覚えた少年の体の感覚と比べると、女の子の体というのは、少しばかり尿意を我慢し始めてから限界を迎えるまでの猶予が短い、前世はそれで何度も失敗しているのだ。


(そういえば呼び出されているジークの塔の私室でも一度盛大に陥落したことがあったね・・・?)

 と考えごとをしていると一瞬サークラの腕の力が緩んだので、体をよじらない様に気をつけながら下方向への脱出を試みる。

 そして驚愕した。


 ベッドからの脱出に成功するとそこは、本来母ハンナとサークラとにあてがわれていた部屋であったが、今目の前にはサークラとアイリスが眠っている。

 つまりこの部屋にはボクたち双子とサークラの3人が寝ていた。

 それはまぁいいんだ。ボクが寝てしまったから、アニスとユディの面倒を見る人がいなくなって入れ替わったのだろう。

 問題はカーテンから漏れる光だ・・・。

「明け方だよね・・・これ・・・。」

(ひょっとしなくても、ジークの呼び出しをすっぽかした?)


 相手は仮にも最高権力者、その呼び出しを無視してしまったとなると普通は罰せられる。

 だけども、こうやって城の部屋で寝ていたのだから、ユーリが起こして呼んでくれてもいいのに、どうしてボクは寝てたのか・・・。

 もしかして、起こしてもおきなかったとか・・・?

 いや、悪いほうに想像するな・・・、ジークもヴェル様も女性に優しい方だし、きっと寝た子は起こすなという方針でいてくれたと信じよう、どちらにせよすっぽかしてしまったことには変わりないので、謝罪は必要だろうけれど。


(おっと・・・漏る漏る・・・。)

 考えをある程度まとめたところで下腹部に微かな痛みを感じたボクは急いで収納から取り出したガウンを羽織ると、一人でトイレへ向かった。


---


 サークラやエッラから昨日のいきさつを聞きひとまず安堵したボクはひとまずは安堵の息を漏らした。

「それじゃあ、フローリアン様から陛下には伝えていただいたんだね?」

「そうですね、ただ妃殿下がアイラ様を抱いて寝たがってらっしゃいましたけれど、サークラ様が、正式に養子にしたあといくらでも抱いてくださいといって、断固として譲りませんでしたね。」

  エッラは昨日のできごととして、フローリアン様が眠ったボクを起こさないでいいようジークに口ぞえしてくれて、さらにボクを抱きしめて寝たいと申し出ていたと教えてくれた。

 さらに・・・


「おそらく今日の朝にはもう一度陛下が時間を取ってくださるとのことなので、今からおめかししておきましょうね。」

 そういってエッラはボクを比較的シンプルなラインのワンピースドレスに着替えさせた。

 やはりコルセットやウエストニッパーすら使わない簡素なもので、子どもは自然体が一番かわいいということだ。

 まだくびれの無い体ではあるけれど、ボクの体自体は細いので、少し胸元と腰にリボンとフリルがついているものを着れば目立たないし、自然なかわいさになる。

 エッラはその辺りの選び方もすでにかなりのものになっていて、ボクの気分に合ったヴァイオレット基調のドレスを選んでくれた。


「クラウディア城にいるとアイラがかわいい格好をしてくれるからいいなぁ・・・、ディバインシャフト城じゃあ動きやすさ優先の服を着てるから・・・あぁでもパンツ姿はそれはそれで・・・活発なアイラのかわいさが出てかわいいのだけれど・・・・。今日くらいのすっきりしたドレスなら、元気でかわいいアイラの良さがよく出てるわね。」

 サークラはやや鼻息荒くボクのことを見ていて、アイリスの着替えを手伝っている。

 アイリスのほうは今日は薄いピンクの色味を持った白っぽい色の袖なしのワンピースにレモン色のショールをつけている。

 羽織ったショールを両手で持ち上げてクルクルと回りご機嫌だ。


 それからしばらくアイリスとドレスの見せっこをして

「そろそろ、朝食の時間ですから、クラウディア城のメイドさんが起こしにきますよ。」

 エッラはボクの衣装を最後にもう一度整え、次にアイリスのショールも肩に羽織らせなおしたところで、それから本当に城のメイドが迎えに来た。


 朝食は、ほんのりと塩の効いたクッペ状のパンに春野菜のサラダ、タマネギのスープ、チーズとベーコンとを焼いたものが出された。

 なかなか豪華だ。


 匙で上手にすくえなかったスープの汁を器ごと持ち上げて半分以上こぼしながら飲み、残ったタマネギは手掴みで食べるユディ、世話は大変だけれど、毎日少しずつこぼす量が減ったり、木匙ですくって口に運ぶまでが上手になったりと、見ていて飽きない。

 アニスの方はスプーンからはほとんどこぼさずに食べられる様になっているけれど、口呼吸する癖があるのか咀嚼中に時々口をあけるため、ぽろぽろとこぼれるときがある。

 徐々に躾けてはいるけれど、なかなか完璧には遠い。

 でもそんな躾もかわいい(義)妹たちに施すのは楽しい。

 特にユディとの生活は前世には無かったものなので特に新しい発見をたくさんボクにもたらしてくれた。


 想い人の妹というのがこんなに可愛いと思えることをボクは知らなかった。

 神楽にも妹が一人いたけれど、雪羅ちゃんは神楽とは4つ子で、妹という感じの妹ではなかった。

 あとは願わくば、ボクとユーリの結婚にも反対せずに祝福してくれる妹になってくれるといいなと望む位だ。


---


 食事の席にジークはいなかったけれど、フローリアン様から昨夜のことを教えていただいた。

「フローリアン様にはお世話をおかけいたしました。」

 フローリアン様にとっては義理の父とは言え、恐れ多くも国王陛下ジークに『呼び出してた6歳は眠ってしまったからすっぽかすね?代わりに明日呼んでおくから午前の公務開始を遅らせてね?』と言っていただいたということだ。

(本当にボクはいろいろやらかしてるね、二週目だというのに、進歩が無くて嫌になる。)

 フローリアン様は少し不機嫌そうな顔で

「いいわよそんなこと、養女の世話は母となった私の仕事でもあるわ?むしろ、貴方を起こしてでもこさせろなんて陛下がおっしゃったら、私がホーリーウッドに帰るところよ?無論その場合は子どもたちはキャロル含めて全員つれて帰るわ。」


 胸を張って言う言葉かどうかわからないが、とにかくボクのことは気に入ってくれているらしい。

 すでに養女扱いして、養母ははとして接してくださる様だ。

(だとすれば不機嫌の原因もわかった様なものだよね。)


「ありがとうございます。フローリアンお母様」

 そう呼ぶと効果は覿面だった。

「っ!?い、いいのよ?私はハンナには負けるけれど3人の子を産んだ母親だもの、ハンナとエミリアから預かった貴方をきっと一人前のお嫁さんにしてあげるわ!これからよろしくねアイラ」

 一瞬目を見開いたフローリアン様はすぐに表情を戻すと、機嫌よさそうに答えた

 当たり、だよね?やはりボクに早く母と呼んで欲しかったらしい。


 食事が終わるととうとう恐れていたジークとの邂逅のために塔の方へ・・・。

 同行者はユーリとサリィ、ヴェル様で、先導するのはノイシュさん。

 念のため塔近くのトイレによってもらってから塔の下までたどり着いた。

 けれどノイシュさんは頭を下げて言う。

「この階段の一番上の部屋で陛下がお待ちです。一度ユークリッド様とアイラ様のみおあがりください。ヴェルガ様とサーリア様は一度お部屋でお待ち頂く様にお願いいたします。」

 塔は王族の私室に場所が近いため、一度部屋に待って貰い、まずはボクとユーリだけジークにところに向かう。

 昨日予定したのと同じ形式だ。


 かつてボクの惨めな思い出を刻んだ塔は、朝と夜の違いはあれどあの頃と同様に少し肌寒い。

 用を足しておいてよかった・・・。

 暗くそれなりに長い階段を上っていくと見覚えのあるドアノッカー。

 やっぱり背が届かない!不親切な設計だ!

 まぁ前世で訪れたときよりもさらに幼いのだから仕方ないといえば仕方ない。

 しかし、前世と違ってボクには収納魔法があり、収納の中には金属製の道具もたくさん入っている。

 ボクは適当に刃をつぶした剣を取り出すとドアを叩き、すぐに収納に戻した。


「アイラたちか?」

 すぐに内側から声が聞こえたので返事をする。

「はい、王様。アイラです。」

「ユークリッドです。」

 魔力の発動を感じ、ドアの鍵が開いたのがわかる。

「入りなさい。」

 短く呼ぶ声に応えユーリがドアを開き部屋に入る。

「よくきたてくれた。すまないがこの一枚だけ終えさせてくれ・・・まぁそこにかけなさい。」

 王様は既にティーセットが用意されているテーブルを示した。

 自身は眼鏡をかけてなにやら書類を読んでいたがそれから10秒ほどで読み終えたらしく、ペンで署名をした様だ。

 それからすぐにこちらのテーブルに歩いてくる。


「待たせてすまぬな、年始も仕事はあるでな、待っている間に少しでもやっておこうかと思うてな」

 そういいながらティーセットに注ぐためのお湯を手ずから用意してくれる。

 部屋には水を出す魔法道具「結露の柄杓」と、紅茶用、緑茶用の「アイロンバー」が用意されていて、飲みたい時は自分で用意することが多いそうだ。


「陛下、昨夜は申し訳ござ・・・」

 謝罪の言葉を告げようとしたら人差し指を立て制止された。

「よいのだ。リアンから来ることができないと報告も受けたのでなワシは仕事をしておったわ、子どもは寝るのも仕事のうちだ。お互い仕事が忙しくて大変だのぅ。」

 たぶん皮肉ではなく、別に怒っていないという意思表示。

 のはずなんだけれど、その表情には不満の色がある。


 んー、フローリアン様とジークは義理の親子関係のはずだけれど、こういうところ似るものなのかな・・・?

「おじい様のお仕事の様に他人の命まではかかっておりませんが、使命感は似ているかもしれませんね」

 ためしにおじい様と呼んでみると相好を崩すジーク、うれしい様だ。


「本当に賢い娘だ。やはりユーリとは運命かも知れんな?」

 この聴き方は中々ずるいね・・・。

 ボクはユーリがリリーの転生だということを知っていて、それはジークも知っている、しかしユーリが2回目だということは伏せている。

 逆にジークはボクが以前暁で、アイラが二回目であることを今の時点では知らないけれどボクのステータスからユーリと同様に転生者であると悟ったのだろう。

 でもボクがとぼけるならばそれに合わせられる様に運命なんていう言葉でボクを試している。


 あいにくとボクは102歳まで生きても腹芸は上手にできなかった人間だ。

 ここは最初から開示していこう。


「おじい様のおっしゃる通り運命かもしれません、お察しいただいている通りボクはリリー・・・と同様の道をたどってここにいます。そしてお互いにその道を知ってなお一緒に居たいと思っています。」

 すなわち一度死んで転生したこと、今は異世界とか周回のことは説明する必要も無いだろう。

 でも嘘だけをつく必要も無い、嘘を嘘で塗り固めてもろくなことにはならない、最初から真実も多少ばらしていこう。


「リリーが亡くなってから、ユーリが生まれるまではしばらく時間が空いた様ですが、僕が死んでからボクとして生まれるまではほとんど差がありませんでした。」

 ボクが素直に話すと思っていなかったのか、ジークはずいぶんと素直に驚いた表情をした。

 たくさんの異世界の話は伏せておく。


「そうか・・・やはりか・・・」

 少しだけ間を置いて続ける。

「ボクの前世であるアキラ・コノエは今ホーリーウッドに客分として滞在しているカグラの婚約者でした。ボクたちは大陸以外の小さな島国で暮らしていたと思うのですが、サテュロス大陸があることなんて知りませんでした。ボクたちは平和に暮らしていましたが、ある日転移して現れた魔物に襲撃されてカグラは気がついたらホーリウッド、ルクス間の大森林にいたそうです。ボクは魔物と刺し違えて死亡、体はウェリントン村に葬られています。」


「アイラよ、そなたは死んだ場所で生まれたのか・・・?」

「そうです、そしてボクは6歳・・・、今はこの城の地下に保管されているのでしたっけ?あの魔物の死体は」

 ジークもすでに同じ答えに至っていた。

「起源獣と思われる巨大狼型魔物か確かに、骨格が保管されている。そうか、あれを倒した若き剣士がアイラの前世か・・・。そしてユーリのことも知った上で今二人で、いやカグラとあわせて三人で寄り添っているわけか?」

 ジークの問いかけはもっともだ。

 少年で婚約者もいたボクが、少女の体に生まれたからと出会って1年弱のはずのユーリと婚約し、その未来を望んでいることは不自然だろう。

 そのうえ神楽という前線の婚約者を傍に置いているのだから・・・。


「前世の意識があるといっても、感覚も感情も体のそれに大きく引き寄せられます。ボクはアイラとしてユーリのことを愛していますが、アキラの部分がカグラのことを手放せない。幸いにして、ユーリもカグラも今のボクを認めてくれました。だからボクは精一杯二人のためにできることをやるだけです。ユーリとの結婚に波風を立てないためならおじい様の目論見にも乗ります。もしもカグラを故郷に返す手立てが見つかり、それを彼女が望むなら、ボクは彼女のために何でもします」

 想いを語る。

 稚拙な感情かもしれない、ユーリと神楽、人への想いを天秤にかけることはできないけれど、二人は共にボクの一番だ。


「まぁよいだろう、ユーリという前例があるのだ。信じよう。それに、ソナタはもうワシのかわいい孫の一人だ。代々の王の中には臣下の娘を養子にとったあと別の臣下に嫁にやることで臣下同士の仲を取り持ったり、という政略結婚の形式も存在したが、アイラは先代ホーリーウッド家の遺児であるので、王家とも血はつながる。それに、生まれ変わりだからとネタばらしされてもそなたがおませな少女以外のものになかなか見えなくてな、ユーリ同様(・・)かわいくて仕方がない。先にそなたたちと話をしたのはな、二人が互いのことを知っておるか確認するためじゃった。試す様なことをしてすまなかったな・・・」

 ジークはボクの頭をなでる。

 大きな手のひらがボクの髪をくしゃくしゃとなでボクはひとまず安堵する。

 転生者であるボクを認めてくださった様だ。

 これでユーリとの結婚は表向きも裏向きも完全に国王様の認可を得た。


「それでハルト様、どうしてまずはボクとアイラだけで呼びたてたのでしょうか?」

 様子をみていたユーリ話を次に進める。

 ボクは鑑定関連のことだろうと思っているけれど、ユーリにはまだわからないよね?


「それはだな、アイラの能力について話をしなければと思ったからだ。ユーリはリリーの能力を引き継いでオケアノスの水棲アクアティック奪魔法インターセプト穿魔法ペネトレイトを所有しているが、アイラの方にも前世由来と思われる能力が引き継がれているのだ。それについて少し話を聞こうとおもってな・・・」

 ユーリはいつの間に鑑定したのだろうか?と首をかしげている。

 一般的には王家の鑑定能力は伏せられていて、鑑定石による鑑定だと信じられている。

 実際に鑑定石は存在し各地に預けられているけれど、その力は限定的なもので、しかも鑑定石を1分以上持っていなければならない。


「アイラに聞きたいことがあるのだが、人の能力を数値化したものが見えるのではないかね?」

 ジークはボクの頭に手を置いたままで尋ねる。

 やはりジークはボクの『鑑定』を見ている。

 厳密には彼の見ているステータス表とボクが見ているものとでは見えている項目の数などに差異があるけれど、それは今のボクが知ることではない。

 気づかない振りをしたほうがよいだろう。

「なんのことでしょうか?」


「そうか・・・わからないか、そなたたち二人は互いのステータスを相手に見られても不都合はないか?」

 ふぅ・・とやや長い息を吐いたあと、ジークは2枚の紙を手元に用意しながらボクたちに尋ねる。

 ボクとユーリは互いに顔を見合わせてから首肯する。

 一番の秘密はお互いに知っているし、もはや彼とボクとは一連托生だ。


「よろしい、これが二人の鑑定結果だ。」

 ジークはボクとユーリのステータス表をテーブルの上に置いた。


 ユークリッド・フォン・ホーリーウッドM7ヒト/

 生命311魔法39意思1105筋力12器用111敏捷95反応188把握89抵抗91

 適性職業/勇者 剣士 槍騎兵

 技能/剣術M 槍術M 弓術M 杖術M 拳術M 斧術M 投擲術M 精神汚染耐性M 毒耐性9

 魔術/身体強化魔法上級 空間魔法上級 水魔法中級 風魔法下級 火魔法下級 地魔法下級 治癒魔法初級 解毒魔法初級 

 特殊/超反応 強運 戦法 水棲 奪魔法 穿魔法 カリスマ 聖母の加護 愛M


 アイラ・ウェリントン F6ヒト/

 生命147魔法312意思2165筋力6器用172敏捷165反応151把握171抵抗88

 適性職業/勇者 『魔法少女』 聖母

 技能/能力選択 剣術M 感知M 格闘術M 杖術M 魔法構築M 気配遮断M 精神汚染耐性M 

 魔術/『火燕魔法』 火魔法上級 風魔法上級 身体強化魔法上級 水魔法上級 光魔法上級 飛行魔法上級 空間魔法上級 雷魔法上級 

 特殊/『光弾』『隠形』『跳躍』『鑑定』カリスマ 龍王の加護 光化 光の加護 博愛


 例によって『』内は漢字で記載されている。

 ボクのステータス欄からは、加速や強運はなくなっているが『鑑定』が存在している。

 やはり見られていた様だ。

 ジークたちは漢字は読めないが、鑑定に関しては自分たち王族にも表出する能力なので、それが鑑定だということがわかる。

 

「このアイラの表の一番下段の4つ目のものがワシら王家が鑑定という能力として継承している能力と同じなのだ」

「王家の能力?」

 ユーリが怪訝そうな顔をする。

 王家の継承能力は今まで知らされていなかったが、四侯爵家にも継承能力はあるのでその重大性は理解しているということだろう。


「アイラは諸子の子ですが先代ホーリーウッド侯爵の孫に当たります。ホーリーウッドには何度も王家の姫が降嫁しておりますし、先祖返りでは?」

 ユーリが自分の意見を述べる。

「そうだなアイラがわからないというのであればその可能性が高い・・・が、アイラのほかの継承能力が同じ様な文字に見えることが気になる。場所はわからないとのことだが、もしかすると始祖が脱出してきた場所の文字かも知れぬでな・・・・」

 そういってジークはようやくボクの頭から手を離すと

「しかし、転生者だというのに頭をなでられるのは嫌がらないのだな?」

 とたずねる。


「はい、体が子どもだからか自然に受け入れられます。精神年齢はある程度体に引っ張られるものみたいなんです。」

 そう答えるとジークはフムとあごに手を当ててから

「それでアイラはこの文字を読むことはできるか?」

 そう尋ねた。


 これはどう答えるべきだろうか?

 読めることにしたほうが未開の島らしいのだろうが異世界出身ということを誤魔化していることには齟齬はでないだろうか・・・?

 いやそもそも日ノ本語が読めていたらしいキリエ自体が異世界人の可能性もあるのだけれど・・・漢字や日ノ本語が読めればキリエと同じ出身地として扱われる可能性があるか?・・・でもまぁ異世界とかの発想にはならないか・・・えぇいままよ!


「これは【カンテイ】と読みます、言葉に直せば鑑定という意味です。」

 そう告げるとジークは驚いた表情を浮かべる。

 それからうれしそうに

「そうか!やはりキリエと同じ出身地の可能性があるのだな・・・それでは他のこの似たような文字はなんと書いてある?」

 と他の文字の説明を求められた。


「はいこれらは、職業適性のところが【マホウショウジョ】、魔法を使う少女という意味になりますが、この場合は少し違って、変身という魔法を使えることをさします。魔法の欄にあるのが【カエンマホウ】えっと、火を操る術でボクが前世で持っていた能力の一つです。威力はさほどもありませんが無数の小さな火をその場にとどめたり高速で回転させたりと自由に操作できます。特殊枠にある三つは順に『コウダン』光の玉という意味の能力ですが、実際には特性を持たない魔力の弾を生成し、それに特性を付与し操る能力ですカエンマホウと違いその数は一度に数個ですが、自由度が高いです熱を誘導してみたり、単純に殴りつける様な打撃を付与したりと便利な能力です。次が『オンギョウ』これは気配を消したり見えにくくするという能力で、これと通常の密偵などが使う隠形術をあわせて使うことで、かなり見え辛くなります。最後が『チョウヤク』ですこれは飛び跳ねるという様な意味合いの能力でかなり高くジャンプできます。」

 日本語の発音をそのまま伝えてもジークにはなかなか発音しにくい様だった。


「なるほどのぅ・・・そして鑑定については知らないのだな?」

「はいそうですね。」

 鑑定はどうしてジークたちと違うのかそれがわからないし、バフォメットがどうしてそれをボクに教えることができたのかもわからない。

「ふむ・・・それではのう・・・」

 そうしてジークはボクに鑑定の使い方についてのレクチャーを始めた。

しばらくの間投稿ペースに乱れがありそうです。

休み時間などに徐々に進めて、1話4000文字前後を目安にしているのですがキリが悪かったり、一日でそのあたりまで埋まらなかったりとしています。

まとめる能力が低いとダメですね、仕事も文章も。

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