第44話:6歳から王侯貴族と付き合い始める場合4
新年の祝宴を、子どもだからという理由で中座したアイラは、ドレスから部屋着に着替えた後、ついうとうととしてしまった。
次に気がついた時なぜかイシュタルト王国の王位継承権第二位のサーリア姫と一緒に入浴させられていたアイラは、少しのぼせ気味になりながらも、サリィとのふれあいで絆を深め、すっきりした気持ちで浴場を後にした。
そして、新しい服に着替え、浴場を出た3人の前には先に上がったらしいユーリとメイドの姿があった。
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(アイラ視点)
少しフラフラとしつつお風呂を出たボクは、サリィに髪を拭いてもらい、サリィはノイシュに髪を拭かれ、最後にドライヤーの機能を持った魔法道具で髪を乾かしてもらってから、王城側で用意してくれたらしい新品の長めのシュミーズとズロースを着用して、春先とはいえまだ寒いからと薄手のガウンを羽織らされて廊下に出た。
神楽にズロースとってって言って、ドロワーズを渡された時に教えられるまで知らなかったけれど、ズロースとドロワーズは地球では同じ単語の読みの違い程度の同系統のものだったらしいけれど、こちらの世界ではズロースは比較的ぴっちりしていて太ももの半分よりやや下くらいまでの長さの下着でこちらの世界でもっとも一般的な下着の一つである。
それに対してドロワーズは多段になったフリルに裾を絞る為のリボン、おなかの近くにも締め付けを調整できるリボンが配置されており、ふくらみを持ったデザインの下着で長さも膝か膝下あたりまで、ドレスなどを着る際に用いられるがごわつくため寝るのには不向きな下着である。
なので朝に下着を穿き替える人も少なくないって言うかボクがそうだ。
(さっきドレスから着替えた時に穿いたパンツ20分くらいしか穿いてないな・・・)
なんて思いながら廊下にでると、ボクを待ってくれていたらしいユーリと目が合った。
ボクと同様お風呂上りのはずのユーリは、先ほどまでの盛装ではなく、シンプルなドレスシャツにハーフパンツ、そしてやはり薄手のガウンを羽織っている。
「アイラ、おきたんだ?」
そういってユーリは腰掛けていたイスから立ち上がりながらでボクに笑いかけた。
「ごめんねユ-リ眠たくて寝ちゃってた。退屈じゃなかった?」
なにせ、服を脱がされている時にすら目を覚まさないほどの熟睡をしていて、気がついたらサリィに入浴の世話をされていたのだから、ユーリはサリィたちが来るまで一人に(厳密にはメイドさんもいたはずではあるが)なっていたのだ。
しかしユーリは小さく首を振ると
「平気、すぐにサリィがきたし、それにうとうとするアイラもかわいかった。」
と、微笑みを絶やさずに言った。
ちょっと頬が熱くなるのがわかる。
結婚期間ウン十年のボクでも、ユーリのストレートな好意の表現には、照れてしまうことがある。
それに人前ということもある。
「え、えへへ・・・」
照れ笑いでごまかし、サリィの手を離し、ユーリの手を握る。
「あれ・・・?」
握った手は冷たかった。
ユーリはしまったという顔をしたけれど、すぐに元の余裕ぶった微笑を浮かべて言う。
「いやーお風呂熱くってさ、ここで涼んでたんだ。」
嘘だよそれは・・・、ボクたちが出るのを待っていてこんなに冷え切ってしまって・・・
「アイラの手、温かいね、気持ちいい。」
そういってユーリはボクの手を両手で握った。
ボクはあいている左手を彼の白い頬へ当てて熱を分けてやる、すると後ろからクスクスと笑い声が聞こえたので振り向くと。
「アイラちゃんとユーリ君本当にラブラブなんですね・・・。私以前からユーリ君のこと好きだったので、嫉妬しちゃうかも、なんて思っていたんですけれど、これだけお似合いだと嫉妬の感情すらわかないものなんですね。」
9歳にしてかなり早熟なことを言う。
ユーリは去年と一昨年はこの会に参加していないわけだけれど、その前のときまでには、サーリアはユーリへの恋心を自覚していて、それからずっとほかの人には逸れることなく、その恋心を温めてきたということだろうか?
前世でもそうだったけれど、サリィは本当にユーリのことが大好きらしい、なんでそんなにもと思うけれど、恋心に説明できる明確な理由なんて無いんだと思って気にするのを止めた・
ただまったく気にしないのも不自然なので、ボクは無知な子どもの様にサリィに尋ねる。
「サリィ姉様もユーリのことが好きなのですか?」
あまりに直接的な物言いは、サリィくらいの年齢からであれば凶器の様な鋭さを持つけれど、ボクくらいの年齢であれば無邪気で済まされる。
事実サリィは憎しみとか悲しみとかいった強い感情は見せずにただ困った様に笑っている。
「えぇ、そうですね。まだ数えるほどしかあったことが無いというのに、私はユーリ君に夢中です。あぁでも安心してください、私とユーリ君はどうあっても結ばれることはありませんから。」
そういって自嘲気味に笑ったサリィは、しかし優しくボクの頭をなでた。
「姉様?」
9歳の少女が持つ初恋への感情をボクは推察しきれず、ただその手の重みを感じて聞き返したに過ぎない。
しかしサリィにはそれで十分な回答だった様で、次の瞬間には晴れやかな、とてもいい笑顔を浮かべていた。
「ほらユーリ君、それ以上湯冷めしたら風邪を引いて大変だし、アイラちゃんは人前に出れる格好じゃないから、早く部屋に行こう。ノイシュは私たちと、そっちの貴方・・・ミラ、だったかしら、貴方はホーリーウッド家の控え室に戻って、ギリアム様たちが戻られたら私の部屋にご案内して。」
サリィはテキパキと指示を出すと、それじゃあ行きましょうかとボクとユーリに笑顔で話しかけて、王族の居住区のあるスペースに向かって歩き出した。
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サリィの部屋に着いた。
部屋の中は幾分か温かいのでガウンを脱いで、促されるままにベッドの縁に座った。
サリィと前世で初めて会ったのはボクが9歳の頃だったけれど、それよりも3年早く出会った彼女は、前世での彼女と同様、年齢の割りに大人びている。
しかし前世とは違い、まだシシィ・・・セシリア・イシュタルトという妹の存在が無いからか前世ほど余裕が無いというか・・・。
ボクとユーリに対してすごく積極的というか・・・。
「ほーらアイラちゃん、サリィ姉様が背中をトントンしてあげます♪ユーリ君も疲れてるでしょう?ギリアム様たちが迎えに来るまで少し寝ておきましょう?私のベッドすごく気持ちがいいんですよ?」
サリィの部屋は前世と同様広いけれど、広さの質が少し違う。
前世で訪れたときには、シシィと遊ぶためのものだったのだろうけれど、おままごとに使う用の木製の食器や、イヌやネコのぬいぐるみが少しは置かれていたし、ベッドの上にも1mくらいのクマのぬいぐるみが置かれていたが、今見えている範囲にそういった遊びのためのものは無い。
しいて言うなら、枕がすごくファンシーな色合いをしていて、天蓋付のベッドもとても豪華・・・。
たぶん今この部屋は寝て着替えるためだけの部屋なんだろう。
それを思うと少し寂しく感じた。
ニコニコと実に機嫌良さそうに笑うサリィだけれど、本当は心に余裕があまり無いのだとわかる。
ボクにできることは、甘えることか・・・。
それが分かったボクは意を決して、サリィの庇護欲を満たすための行動にでることにした。
「サリィ姉様もう少しお話しましょう?それとせっかくなのでエミリー様もいたほうがにぎやかで楽しいと思いませんか?」
ボクはこれでもかというくらいの笑顔でサリィに提案する。
お風呂で目が覚めた幼いボクは興奮してまだまだ遊び足りないのだ。
そういうポーズで
「アイラちゃん、エミリーも寝る支度をしている頃ですから、今日はもう呼べないです。でもアイラちゃんが言ってくれたとおり、これからはもっと触れ合ってみたいと思います。でも今夜はもう無理なので、練習がてら二人をかわいがらせてください、それに、アイラちゃんは疲れているんですから寝てください。」
しかしサリィは、ベッドに座ったボクをベッドに押し倒すと、そのまま一緒に横たわった。
「サリィ姉様?」
名前を呼んで問いかけるボクの首に腕を回して、振り向けない様にしたサリィは不機嫌な声で、でも楽しそうに言う。
「アイラちゃんが、私にお姉ちゃんをしてもいいと言ったんですから・・・」
それは、ボクがしたいようにすれば良いと許可したことなのかそれとも、子どもだから周りの大人なんて無視してしまえといったことなのか・・・。
「今夜は責任とって妹をしてくださいね?ユーリ君も風邪を引くといけないので一緒にどうぞ」
そういってボクの首を開放したサリィはその腕でボクにかぶせた布団をひらりとめくってユーリを誘った。
「じゃあ、アイラに温めてもらおうかな?」
そういってユーリはボクのお腹側にサリィは背中側にボクを挟み込む様にして大きな天蓋付ベッドに、アイリスに見られたら「もっと広く使えばいいのに」と突っ込まれそうなくらい密着して横になった。
「えへへ・・・アイラちゃん温かいです。ちっちゃい子は温いですね。」
「お風呂上りだからです」
小さい子扱いにすこしムっとしながら理由付けをする。
「アイラのお腹、温かくて気持ちいいよ?」
「ひゃう!?」
しかしユーリの少しだけ体温の低い手がボクのおへその辺りを布越しに撫で始めて、ボクは脱力してしまった。
後ろからサリィが前側からユーリがぎゅっと体を寄せてきていて、春先とはいえ正直暑苦しいし、圧迫感もある、その上サリィがボクの胸の当たりを抱きしめていて、目の前には想い人のユーリがボクの頭に顎を当てる様にして頭を抱きかかえている。
(これはドキドキして寝られないなぁ・・・早くサークラやギリアム義父様たちが迎えにこないかなぁ・・・)
待ち長い夜になりそうだ。
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(ユーリ視点)
アイラは、体がまだちゃんと出来上がっていないからか、すぐに眠ってしまう。
控え室でもそうだったけれど、サリィの部屋についてからまだ10分も経っていないというのに、サリィによってベッドに押し倒されてからわずか3分ほど・・・僕の腕の中でアイラは安らか・・・とは言い難い実に苦しそうな寝息を立て始めた。
言うまでも無いことだけれど、前後から羽交い絞めみたいになってるから、相当寝苦しいのだろう。
サリィと目配せしあってから、体を離した。
僕はベッドの縁に戻ってアイラの髪を玩弄する。
サリィはベッドの上に座ったままで、僕が退いたとたんうつ伏せになったアイラの背中をトントンと掌で叩いている。
するとアイラは右手でシーツをキュっと握って安らかな寝息を立てる様になった。
「アイラちゃん、寝るの早いですね・・・。」
「そうだね、さっきも着替えた直後に寝てたし、疲れてるんだろうね。かわいい。」
やわらかいベッドの上とはいえ、枕が無いところでうつぶせているので左のほっぺたがべちゃりとつぶれていて少しかわいそうに思えた僕は、アイラの頭の下に丸めた自分のガウンを挟み込んだ。
「お茶でも飲みながら少しお話しましょうか?」
そういってサリィはメイドのノイシュさんにお茶の用意を促した。
それを見て「あぁ」と思い至る。
僕は空間収納から、前世のカグラさんが確立させた紅茶精製法を覚えていたアイラにより量産が可能になった紅茶を取り出した。
空間魔法は勇者だけが使える魔法だけれど、ノイシュさんもサリィも僕が勇者化していることは知っているので問題ない。
「ノイシュさん、これ最近ホーリーウッドで作ってる紅茶なんだけれど、ノイシュさんとサリィにも試飲してもらっていいかな?」
そう告げるとサリィが興味深そうに僕の手の中からノイシュさんの手の中に移った袋を見つめる。
「お父様から聞いてます!つい昨年末辺りから、ホーリーウッド産の紅茶がわずかながら市場流通してるって、本当に加工法が分かったんですね。素晴らしいです。」
サリィはそういえば前世でもカグラが紅茶の生産法を確立したときには、非常に喜んでいたなと思い出す。
「お客様がいらっしゃらないときでも気分で紅茶を楽しめる日も近いということですね。」
とノイシュさんもうれしそうだ。
「アイラが結構持ってきてるはずだから、今度の食事会の日にはもってくる様にするね。」
「まぁ嬉しい。」
サリィはそういって手を合わせて喜ぶ。
そうしている間にノイシュさんが魔法道具で水を沸騰させてお茶を用意する。
紅茶の香気が部屋に満ちて、サリィは嬉しそうにベッドから降りて、アイラの寝顔が見える位置のテーブルに座った。
僕もその向かい側に座るとノイシュさんがカップを目の前においてくれる。
「ノイシュももう今日は上がって良いので、一緒にユーリ君がくれたお茶を楽しみましょう?」
と、サリィが誘うと、それでは・・・とノイシュさんも自分の分を用意してテーブルに座った。
「うん・・・良いですね、風味も味もたまに献上されてくる『偶然の産物』よりも雑味が少なくて、はじめて飲む味なのに、これが紅茶かと納得できる味です。」
そういって満足そうに呟いたサリィはその後すぐにアイラのほうを見つめて幸せそうに頬に手を当てて目を瞑った。
「サリィ?」
「・・・こうしてお茶を飲んで、アイラちゃんの寝顔を見ていると、なんだか幸せですね?」
突然しみじみというサリィはとても9歳とは思えない色気を醸し出している、そもそも絶世の美少女であるサリィから滲み出る色気に並の男の子であれば一発で気をやるところだろうけれど、僕にはアイラがいる。
「そうだね、アイラのこと、好きになってよかった。サリィがアイラのこと、好きになってくれてよかった。」
僕もしみじみと思ったことを口にすると、サリィは一瞬ぽかんとして、それからクスクスと笑い始めた。
「本当、お互い子どもらしくないですね、人に気をつかって、立場や身分ばかり気にして。・・・まだ一桁なのに・・・」
笑うところだったのかどうかは分からないけれど、サリィはとても楽しそうにしていて、半分ほど残っていたお茶を一息で飲み終えると
「お迎えが来るまで、私が借りていていいですか?」
と、たずねるので首肯で応えた。
サリィはもう一度アイラの隣に横になって背中に手をやって撫でていたが、数分するとサリィも寝息を立てていた。
「寝ちゃいましたね、サリィ」
この部屋にもう一人だけいる起きている人に話しかける。
「はい、最近サーリア姫様は寝つきが悪い日が多かったのですが、今日はお持ちいただいた紅茶のおかげか、それとも可愛らしいお連れ様のおかげか、すんなり寝てしまわれましたね。」
ノイシュさんは旧知のメイドさんだ。
近衛メイドの実力者で、以前はジークの、現在はサリィの警護と世話を中心にしている。
前世があるから知っていることだけれど、彼女の娘エイラは僕と同い年で、ハルト様・・・国王陛下の落胤だ。
それを知る人間はごく限られた者だけだけれど、ハルト様やヴェルガ様、フローリアン様もご存知のことであるし、僕が口を出せることではない。
それでも、エイラがアイラと相性の良い娘だったことは確かだ。
「ノイシュさんは、娘さんがいるんでしたっけ?」
探りを入れるために問いかけると、ノイシュさんは少し意外そうな顔をした。
「ユークリッド様のお耳にまで入っているとは、はい、お恥ずかしいことでございますがこちらで働いている間に未婚で授かった娘です、エイラと申しましてちょうどユークリッド様と同い年でございます。それからユークリッド様、私のことはただノイシュとお呼びください、年嵩がいっているからとその様にお話しされるのは恐縮してしまいます。」
やはりエイラは間違いなく生まれている様だ。
しかし、唯一現在もハルト様と情を交わしている方だからとついさん付けで呼んでしまっていたけれど、それがストレスになっていたらしい。
「わかったよ、それじゃあ話し方は改めさせてもらう。エイラは城に住んでいるの?」
「はい、左様でございますね、城の敷地内にある住み込み使用人用の女性寮でお世話になっています。ご興味が?」
メイドとしてではなく母として、少し警戒心がある様子だ。
(っと、それはそうか、婚約者候補としてアイラをつれてきたのに、サリィともただならぬ雰囲気をだしてしまったし、その上メイドの娘に興味を示したって7歳にしてどんな好色男か・・・。)
「あぁごめんね、ただアイラとエイラって名前が似てるし、年も近いなら仲良くなれるかなって思って」
僕のイイワケを聞いてノイシュさんはその表情を穏やかにする。
「あぁ、なるほど、アイラ様のためでしたか、ご安心ください、アイラ様の魅力は、おおよそ年上の女の子なら誰でも篭絡してしまう魔性でございます。斯く言う私も女の子というのは多少おこがましい気もしますが、アイラ様の寝姿を控え室で拝見してから、うちの娘と一緒にかわいがりたいという不思議な衝動に駆られてしまう程度に惹かれております。ですので・・・、心配なさらずともアイラ様にはお近づきになりたいお友達や、傅きたいというメイドはいくらでも現れると思いますよ?」
そういってノイシュはカップや、テーブルの片付けを始めた。
あがっていいといわれてお茶を飲んでいたがまだ勤務中の様だ。
あ、思いついた。
「あぁそうだ、エイラにもこれを」
そういって紅茶の葉を差し出す。
「いけません、こんな高額なものを一介のメイドどころか、その娘にだなんて・・・」
固辞しようとするノイシュに言葉を割り込ませる。
「ただ楽しむためのものではなくて、いつかエイラがもしもメイドになるならそのときはぜひアイラのメイドになって欲しいから、そのときに紅茶をおいしく入れられる素敵なメイドさんになっていたらいいなって、そう思ったんだよ、だからこれは先行投資、練習いっぱいさせてあげて。必要ならこれから収穫毎にある程度まとまった量を送らせるようにするから。」
そういってしまうと、お前の娘をメイドにしたらうちが引き取ってかわいがってやるからな?と聞こえないことも無いのだけれど、逆に言えばエイラの後ろ盾にホーリーウッド侯爵家もつくということである。
多婚を禁じられているわけでもないのに未婚で娘を産んだノイシュは役職持ちで、クラウディア城でも上から数えたほうが早い近衛メイドで、そんな母子を悪し様に言える者もいないが、父の無い娘として育っているエイラはそれなりに寂しい思いをしているはずだし、中には底意地悪くちょっかいをかけるものもいるかもしれない。
そんな子に多少の後ろ盾があり、将来を嘱望されているのだとしたらそれは更なるやっかみを生んでしまうが、ホーリーウッド家が後ろ盾になって、それに対してやっかんでちょっかいをかけるということはホーリーウッドにケンカを売ることになる。
そういう人を牽制する力にはなれるはずだし、アイラとエイラが、今生でも仲の良い主従になって欲しいという目論見もある。
そういう僕の思惑がどの程度漏れ伝わったかはわからないが、ノイシュさんはうれしそうに笑って
「ありがとうございます、娘にはホーリーウッド家の若様が、御自身の半身のメイドに所望していると、伝えさせていただきます。あぁ・・・お迎えのようですね。」
と、ノイシュさんが扉のほうへ向かうとちょうど扉がノックされた。
ご飯を食べたらウトウトして、お風呂に入ったあとお布団に横になったら、何でそんな体勢で寝られるの!?という状態でもコテンといきます。
アイラは現在6歳になったばかりの健康な子どもです。
発育は悪いです。




