ヒロインの思いもよらぬバッドなハッピーエンド
なんか思いついたので書きました。
設定ガバガバです。
「シェーレ! いや、シェレスタ・ヴァーミリオン公爵令嬢! 君との婚約を破棄する! そして、ウラメシア・シャーマルシアの名の下に、新たにヒカリ・フユハラと婚約する!」
やったーーーー!!
ついにこのイベントが来たわ!
思えばここまで長かったわ。
私の名前は冬原光。
普通の女子高生だったのだけど、この国に聖女として呼ばれたの。
最初は困惑したけど、何人かに見覚えがあって思い出したわ。
ここは私の大好きな乙女ゲーム『天上のレクイエム』の世界だってことに!
このゲームには5人の攻略キャラがいるの!
公爵子息、侯爵子息、伯爵子息、子爵子息、男爵子息の5名の魅力的な男性方。
もちろん逆ハーレムだってできるわ!
そして、もう一人攻略キャラがいるの!
隠しキャラの第一王子ウラメシア様!
このウラメシア様が曲者で、聖女として力をつけないと会う事ができないの。
そして、攻略難易度も高いし、逆ハーレムもできないわ。
でも! この方が一番カッコよくて素敵なの!
逆ハーレムかウラメシア様のどちらかを選ぶとしたら、断然ウラメシア様に軍配が上がるわ。
それほど素敵な方なの!
私はこの世界に転移してきてまずはじめに聖女としての力を付けたわ。
次々に出会う素敵な殿方。
それでもよそ見をせずに力を付けて、初めてウラメシア様にお会いした時は感動で涙が止まらなかったわ!
その後もゲームの知識を元に順調にウラメシア様を攻略したわ。
そして、ついに、最後のイベントである婚約破棄イベントに辿り着いたわ!
このイベントでは、ウラメシア様が婚約者である悪役令嬢のシェレスタ・ヴァーミリオンと婚約を破棄してヒロインを新しい婚約者にしてくれるの!
そして、ウラメシア様と結ばれたヒロインは天国のような場所でずっと幸せに過ごしてハッピーエンド!
そのイベントにやっと突入したわ!
「ウラメシア様、私、嬉しいです!」
「ヒカリ、僕と一緒になってくれるかい?」
「もちろんです!」
互いに抱き合う私たち。
ふふふ、ごめんね、シェレスタさん。
でも、私、ウラメシア様の事をずっと憧れていたし、ずっと好きだったの。
それに、ウラメシア様を繋ぎ止めておかない貴女が悪いのよ?
「……」
婚約破棄されたにも関わらずずっと無言のシェレスタさん。
あれ?
普通こんな事になったら何か言わない?
そう言えばゲームでもずっと無言だったわね。
ゲームでは彼女は悪役令嬢だった。
ウラメシア様を除いた全キャラでヒロインの邪魔をする悪役令嬢だった。
だけど、ウラメシア様を攻略する時だけは何もして来なかった。
水をかけられる様な事も無かったし、階段から落とされる様な事も無かった。
ゲームでもそうだったし、私自身も何もされていない。
普通、婚約者を取られそうになったら嫉妬に駆られるんじゃないの?
まあ、ウラメシア様と一緒になる為とはいえいじめられるのは嫌だし、いじめられない事に越したことはないわ。
「ヒカリ、ずっと一緒だよ」
「はい!」
あー、幸せ!
ウラメシア様と婚約できて嬉しすぎる。
嬉しすぎて体が軽くてふわふわしているみたいに!
……あれ? 何だか本当に浮かんでいるみたい。
それに、さっきまで静かだったに急にうるさくなってきたわね。
少しウラメシア様から離れて辺りを見回す。
何故か天井が近くなっていた。
下を見ると、シェレスタさんや他の人たちがいて、上を見上げて私たちを見ている。
そして、私の真下には、倒れた私の体があった。
「な、なにこれ!? どうなっているの!?」
何で私の体ががあそこにあるの!?
何で私は浮いているの!?
よく見たら私もウラメシア様も少し透けているし!?
「ヒカリ様!」
下にいるシェレスタさんに呼びかけられる。
「ありがとうございます! 御身を犠牲にされてまでウラメシア様を救ってくださって、それほどまでウラメシア様を想ってくださってありがとうございます!」
「ど、どういう事よ!?」
「何をおっしゃいますのです? ヒカリ様ならわかっておいででしょう?」
シェレスタさんが話してくれた。
ウラメシア様は既に死んでいる。
しかし、ウラメシア様は霊力が強く、この世に留まり続けた。
どんな神官でもウラメシア様を成仏させる事ができず、聖女を呼ぶ事にした。
聖女にウラメシア様を成仏してもらう事にした。
シェレスタさんはそう言った。
「まさか、ヒカリ様が一緒にウラメシア様と逝ってくださるとは思いもしませんでした。それほどまでにウラメシア様を愛してくださってありがとうございます」
シェレスタさんは深々と頭を下げた。
他のみんなも同じだ。
まさか、シェレスタさんが他のキャラを攻略する時は妨害して来たのに、婚約者であるウラメシア様を攻略する時に一切邪魔をして来なかったのは、ウラメシア様が死んでいたから!?
もしかして、ウラメシア様と一緒になるってあの世でって事!?
「さあ、ヒカリ、一緒に逝こう」
ウラメシア様に手を引かれて、スーと上に上昇していく。
まさか、ハッピーエンドの天国のような場所って、ガチの天国!?
「いーやー!! 私まだ死にたくないーー!!」
しかし、私の叫びも虚しく、私達は旅立ってしまった。
天国も案外悪く無いわね!
えっ?
ウラメシア様?
あんな奴はもう知らないわ!
こっちで良い男捕まえてやるんだから!!
簡単に言うと、死者と結ばれてしまい死んじゃった人の話でした。
・冬原光
小柄な可愛らしい普通の女子高生でした。しかし、適応力がすごく能力も高いです。もし、勇者として別世界に召喚されていたら、逆ハーレムでも作りながら魔王を倒していた事でしょう。彼女なら天国でもうまくやれます。自分のを天国に連れて行った(殺した)ウラメシアをすぐに降りました。
・ ウラメシア・シャーマルシア
ウラメシア→恨めしや→幽霊。
幽霊です。彼の事は霊感が強い者か身近にいた者にしか見えません。聖女としての力を付けないと現れないのは、霊感が強くなるまで見えないからです。この世に未練を残し幽霊になるも聖女と結ばれる事で成仏していきます。聖女を巻き込みながら。ゲームでは天国で幸せに暮らしましたが、ヒカリには天国でこっ酷く振られました。あわれ。
・ シェレスタ・ヴァーミリオン
俗に言う悪役令嬢です。
彼女はウラメシアの元婚約者ですが、一応愛しており、ウラメシアの死後、幽霊となった時に成仏させると誓いました。
ウラメシアを攻略する時にシェレスタが邪魔して来ないのは聖女がウラメシアを成仏してくれようとしていると思っていたからです。
ヒカリには感謝しているでしょう。
おそらく、ウラメシアの弟とかと結婚して王妃になっているはずです。




