選択肢1
*この話はPvPから続き、ナルディを殺すルートです。前の話を読んでいなかったり、選択肢を間違えたりしたときは、目次にもどって選び直してください。
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ざっ――。
切っ先が胸を貫通し地面に到達したことを告げる音が耳に響いた。わずかに残っていた体力ゲージは空を示し、手は力なくだらんと重力に支配されている。
『WINNER クロイツ 戦闘を終了します』
メッセージとともにフィールドが解除されていく。始まりと同じように再び一つのポリゴンに集約されるとクロイツの手元へ落ちてきた。
『以下のアイテムを獲得しました レベルが上がりました』
自分が十分に戦えるという自信と、魔王討伐が一歩近づいた喜び以外に感じるものはなかった。
「ひやひやしたが……よくやったな」
モトナフが手を差し出すと二人は堅い握手を交わした。
*
遠くからこの戦闘の顛末を見届ける影がもう一つあった。
「残念だよ……君には期待していたんだが」
悪魔の満面の笑みが映されたウインドウを閉じるとログアウトする。そこはチェス男の部屋だった。もう一人の女もモニターを通して見ていた。
「まだ続けんのか? 時間の無駄だろ」
「僕らはプレイヤーだ。ゲームを最後まで見届ける義務がある」
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翌日、どこからもれたのかクロイツが光龍槍の持ち主だという噂は瞬く間に広まった。クロイツが対人戦で得た自信は実体を伴わず、あっけない最期を迎えた。
そして光龍槍は血塗られた武器として、持ち主を渡り歩く。
――エンディングB
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Tips:
使用者適格レベル(User Qualified Level):各装備に設定されている。そのレベルを超える者でなければ使用できない。
杖:埋め込まれた宝石の色により特性が変わるが、基本的にはすべての呪文を発動できる。
続きも書けなくはないのですが、もう一本別の小説書くのと同じでエンディングまで続くので終わりにしました。
他人や自分を信じるのは難しいですね。