ホクホクムーン
俯いたり捻れたり冷たい肢体
カクカクのワードが歩きはじめたら
安納芋がやっと焼けた
トースターから取り出したまあるい銀色
そっと外して爪楊枝を刺した
すーっと通ったからね
半分に割ったら月が出た
きみに届けたい
ホクホクムーン
ぼくは欠陥だらけだから
きみのことちっともわからない
そうだよ、みんな血管だらけ
違くても赤い血が流れてる
ぼくは馬鹿だから
こんな歌しか歌えないよ
ホワイトにスカしてる昼間の月は
駄々広い空に噛まれてる
ぼくの爪のように割れてしまう
だけど好きだよヘラヘラの月も
きみの心が透けて見えちゃうようで
ホントは何にも知らないのに
手を伸ばしたら繋げるようで
きみに届けたい
ホクホクムーン
こんなにあたたかい月もあるんだよ
言葉では伝わらないことが多すぎて
器用な人になりたかった
もっと器用になりたかった