表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖怪の嫁入り  作者: ルナ☆
幕開け
2/16

 いつもそうだ。

 人とは違うこの白い髪。

 両親も行方知れず。

 幼い頃どうやって生きてきたのかも分からない。

 ただ、最低限の生活が出来るくらいのお金があるだけ。

 ぼくは1人。でも、誰かがいた気がする。

 その唯一の手がかりになりそうなものは、幼稚園の時に描いた絵の中に『しき』という人物(?)と名前のようなものがある。

 あと、生まれた時からすでにあったこの分厚い本。『妖怪図鑑』。

 なぜかこの図鑑に引かれ、毎日のように読み、眺めている。

 今のぼくには、その〈妖怪〉がすべてだ。


     * * *


   ざわざわざわざわ…


 朝8時30分。校門前には1台の黒いベンツと人だかり。

 その人だかりを無視し、黒い車から流れでてくる赤いカーペット。

 ぼくは、そんな騒ぎには目もくれず、げた箱でくつをはき替えていた。


「キャーッ、天夏(てんか)様~!」


「今日もカッコイイ~!!」


 女子のそんな声を背後に聞きながら、教室へと向かおうとした時…


天夏「冬来(とうら)~~~~っっ!」


   どぉんっ


冬来「うわっ!」


 もうスピードでぼくに向かって飛びついてきたそれは、


冬来「天夏っ。」


天夏「おはよう、冬来っ。」


冬来「あ、うん。おはよ…


天夏「ん~~~~っ、会いたかった!」


冬来「昨日も会ったでしょ?…っていうか学校で飛びつくの禁止って言ったでしょ!///」


天夏「え~~~~!」


 そう、ぼくには彼氏がいます。

 こんな人間嫌いなぼくだけど、1人だけ信用できる人です。

 そんな彼との出会いは壮絶なものでした…。


     * * *


 それは8月にさしかかった頃のこと。


冬来「あ~、どうしよっ。図書館で本読んでたらもうこんな時間になっちゃったっ。」


 外はだいぶ暗くなりはじめていた。

 早く帰ろうと、路地裏を通っていた時…


「あん?やんのかてめぇ!」


「ざっけんじゃねぇぞコラァ!」


冬来「…うわぁ、この時間帯ってあーいう人達がいるからやなんだよなぁ。

   ちょっと回り道しよっ。」


   ドォンッッ


冬来「いっつ!」


??「いってぇな…!」


冬来「っ!す、すみませんっ。」


??「あぁ?てめぇどこに目つけて歩いてっ…


冬来「あ!あのぉ…っ。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ