表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔天創記 (参)  作者: ちゃすけ丸
第11章
73/87

~ 72 ~

 レイヴァンの口から出た言葉にダグラスは思わず吹き出した。



 とても笑いを堪えられそうにない。



「生憎ですが、私の手元には奴隷なんて居ませんよ」



「どういうことだ?」



「奴隷は全て金貨に変わったということです」



「……なるほど。 売りさばいた後だから既にお前のものではないということか」



「そういうことです。 奴隷を取り返したいのなら買っていった客を追いかけることですね。 それなりの金を積めば何人かは返してもらえるかもしれませんよ?」



「それは少々厄介だな」



レイヴァンが唸ると、今度はダグラスが不適な笑みを浮かべた。



「用がそれだけなら私はこれで失礼します」



 歩き出そうとするダグラスにレイヴァンは再度呼びかける。



「もう一つ聞きたいことがある。 あんたフィーネという女を知っているな?」



 その一言にダグラスの表情は一瞬強張った。



 慌てて知らないと否定するがレイヴァンがその一瞬を見逃すはずなかった。



「流石に表情が変わるか。 無理もない、あんたが仕向けた人間だしな」



「……か、彼女がどうかしましたか?」



 核心を突くと彼は観念して尋ねてくる。



レイヴァンはそれを鋭い視線で見据えた。



「傷ついた彼女を助けたところ、あんたに大切な剣を奪われた上、毎日弄ばれたことで深く傷ついたから何とかして欲しいと頼まれてね」



「な、んですと……」



「どうなんだ? これでも元騎士だからな。 武器を持たない人間を、しかも疑いだけで殺すつもりはない。 だが、彼女の話が真実なら話は別だ。 強奪と強姦はどちらも重罪。 その二つを犯したと言うのなら極刑をもって償ってもらおう」



「馬鹿なことを言わないで下さい! 彼女の剣を奪ったことなど一度もありません! あなたは彼女と戦ったのでしょう? 彼女はちゃんと剣を持っていたはずです!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ