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「そして、ミカエルは僕が一番嫌いな天使だって…… 知ってるでしょ?」
言い終わるや否やメフィストフェレスは剣を抜きガープの腹部に突き刺す。
鈍い音と共に彼の呻き声が漏れた。
「メ、メフィストフェレス…… あなた、いったい…… 何を」
「別に何も。 君、ミカエルにやられて逃げてきたんでしょ? 悪魔として情けないと思わない?」
「同族の私に、刃を…… 突き立てるとは」
「弱い君を同族だなんて思いたくないよ。 君は僕如き悪魔が王様の椅子に座るのはダメって言うけどさ、僕から言わせたら君如き悪魔が、ここに来ること自体ダメなんだよ」
「ふ、ふざけないで、いただきましょうか」
「それは僕の台詞だよ。 ふざけていないで、ミカエルがどこに居るのか、さっさと話してて消えてくれないかな? その微かに残る力がとても不愉快だ」
「誰が、あなたの指示など……」
ガープは腹部に突き刺さった黒い刃を握りしめると、手からの出血も厭わずに引き抜こうと力を込める。
その行為に若い悪魔は苛立ちを覚えた。
「あ、そう。 答えたくないんだ。 だったら今すぐ消えちゃいなよ!」
メフィストフェレスはガープが引き抜こうとした剣を更に奥へと押し込んだ。
短い悲鳴と共に相手はその場に膝から崩れ落ちる。
その様子に思わず口角がつり上がった。
「君の汚い血で綺麗な床が台無しだ。 倒れちゃダメでしょ?」
黒い剣をガープの身体から抜き取り鞘に戻すと、その腕で彼の喉元を掴み上げる。
「最後に楽しませてね」
自分の顔の前まで持ち上げると、真紅の瞳で相手を鋭く睨みつけた。




