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姿が見えなくなると、同時にそれまで感じていた魔力も感じなくなる。
一瞬言葉を失ったレイヴァンだったが、すぐに声を張り上げた。
「リル! マリアン! まだ動くな! 奴が何処かにいるはずだ!」
この悪魔は姿だけではなく魔力や気配すら消せる力がある。
先ほどの発言で明らかだ。
厄介すぎると声を漏らしながらレイヴァンは周囲に気を配った。
わずかな沈黙の後、リルが声を上げた。
何かが近づいて来ると叫んだ彼女が指差した先には何もない。
だが、隣にいたマリアンも何かに気がつき悲鳴を上げる。
次の瞬間、悪魔は姿を現した。
黒い剣を振り上げマリアンに突きかかろうとしている。
最終的な狙いは、あくまでもマリアンか!
レイヴァンは、すかさず光をまとい彼の側面へと移動した。
姿を現すと悪魔よりも先に剣を突き出す。
腹部を捉えたと思われたが、彼は再び姿を消した。
そして一呼吸置き、今度は彼女の背後に姿を現す。
レイヴァンと悪魔はマリアンを挟んで対峙した。
睨み合ったのは一瞬だった。
レイヴァンが先に動く。
動くしかなかった。
剣を振り抜こうにもマリアンが障害になっている。
もちろん移動術も同様だ。
物体をすり抜けるなんて芸当、人間である以上出来るはずがない。
舌打ちと同時にマリアンの腕を掴み力のままに横に投げ飛ばす。
彼女が小さな悲鳴を上げるよりも早く、元居た場所には悪魔が突き出した黒い刃があった。
レイヴァンは相手の剣を払い間合いを詰める。
「どうやら、消えているときは攻撃をすることができないらしいな」
「実に小賢しい人間ですね」
「あんたの動きがあからさまだからな」




