表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/39

33. 突撃、アルカンシエルの恋愛事情❤︎

好きな人の笑顔が見たい。

そうきめた明音は、

真冬を応援することを彼女に話した。

「みてみてぇ〜新メニューのマロンパフェ、インスタ用に写真撮ってみましたぁ❤︎ どぉお?」


いつも通りの蜜柑ちゃんが、にっこり笑う。

携帯の画面には彼女と、パフェが映されていて、とても可愛らしい。


「お〜、すごい橙子ちゃん! めっちゃ盛れてる!」


「とーこかわいい〜」


「どーってお前、ほぼ自撮りじゃねえか。パフェ単体で撮れ」


「えー、だってこっちの方が可愛くない? 現に蜜柑があげた投稿の方が、閲覧数高いんですけどぉ〜」


「人のアカウントで勝手にすんな! あとそこのガキも!! 座ってねーでちっとは手伝え!」


「ボクガキじゃないからしらなーい」


「こいつっ………!!」


「あの、ちょっといいですか!!」


みんなの視線が、一気に向く。

緊張で頭が回らなくなりそうになりながらも、ゆっくり深呼吸する。

落ち着け、彼らのことだ。いつも通りに話すだけ。大丈夫……


「実は、話したいことがあるんですけど……」


あれから一週間。アルカンシエルは、今日も今日とて営業中だ。

そんな中、僕は思い切ってみんなに話すことに決めた。

無論、真冬さんと那月さんのことである。


とはいえ彼女の問題は繊細で、自身も話すことに抵抗があると話していた。

それを僕だけに話してくれたのは、僕のことを少しは信頼してくれている、ということなのだろう。

期待に応えないといけない。真冬さんの、幸せのために。


「これは、僕の友人の友人の友人の話なんだけど」


「……また随分遠いな。誰だよそいつ」


「そ、その人、好きな人がいるって聞いて。その人のことでどうしたらいいか、ずっと悩んでいて……藍さんの話聞いて、僕、その人の恋を叶えたいって思えたんです」


「へぇ〜明音君らしいね」


「それで、あのぉ……みんなは最近、恋愛のこととかで困ってることとか、あります?」


唐突すぎる質問に、こうが顔を顰める。

正直自分でも、なんでそうなるって思う。

だってこの発案者は、僕ではない。藍さんなのだから。


「ほ、ほら、最近蜜柑ちゃんや純君も加わって、お店の雰囲気も変わったじゃないですか? これを機に藍さんに話を聞いてもらうのもいいんじゃないかなって」


「はーーん、なるほど。確かに師匠の腕は間違いねえけど……なんで恋愛限定なんだ?」


「も、もちろん恋愛だけじゃないよ!? 家のこととか、学校のこととかでもいいし!!」


こうの視線が、すごく痛い。

その視線から目を逸らしつつ、みんなの反応をうかがう。

ちらりと見た真冬さんが、仕方ないとばかりにため息をついてー


「別にいいんじゃない? 営業中とはいえ、割と暇だし」


「は? マジかよ真冬」


「相談者は店長なんでしょ? ついでにあの人のこと聞いてきたら?」


「……それも一理あるか」


「蜜柑はいいですよぉ? 店長の相談、私大好きですもんっ」


「ボクも話聞く〜。なつきもやるよね?」


「え? ま、まあみんながやるなら……」


みんなが、うんと頷く。

ほっと肩を撫で下ろしながら、僕は藍さんにいわれた通りのことをみんなに話した。


「それじゃあ、空いてる時に一人ずつ休憩室に入ってきてください。10分程度で終わると思います。僕も同席しますが、聞かれたくない時は席を外すので、遠慮なく言ってください! じゃあまずはこうから、いこっか」


いいながら、僕はこうを休憩室へと連れて向かう。

大丈夫、彼ならきっとみんなの力になってくれるはず……

心が軽い中、休憩室のドアを開けるとー


「いらっしゃーい、待ってましたよー」


抑揚もない、棒読みな声が響く。

待ってました、と言わんばかりに手を振るのは、いうまでもなく藍さんだ。

彼はなぜかサングラスをかけていて、占い師のようなベールまで被っていた。


「いやー話が早くて助かりますねー。ほんとよかったよかった。ではでは、あなたの悩みを聞かせてくださーい」


「確認ですが師匠。恋愛じゃなくていいんですよね?」


「何言ってるんですかー、恋愛限定ですよー。こういうのは人に話せば楽になるっていうじゃないですかー。別にみんなの恋愛関係を知りたいとか、関係図でも作ろうとかそんなこと思ってるワケ」


「明らかにそっちが本音じゃねぇか!!」


「だってさー、あなたなーーんも進展なくてつまんないんですもーん。告白してきた人に、まぁた興味ねぇの一言で振ってたりとか、ラブレターきたのに読まずに捨ててるとか。興味がないにしても程があると思いますけどねー」


「え、それまだやってるのこう!!?」


思わず、叫んでしまう。

こうは舌打ちしながら、あぐらをかきながら椅子に座る。


彼はモテる。

性格柄たくさんの人を惹きつけてしまうのか、男女問わず仲良くしてるのがわかる。

大学時代から、告白を大胆な物言いで断ってるのをみたことはあったけど……まさかまだやってるとは……


「うるせぇなぁ、嘘言って付き合っても意味ねぇだろ? 女子も女子だわ、怖そうとか言って距離置いてた奴が、仲良くなった途端告白してくるんだぜ? そうなるだろ普通」


「こうって、いっつもそんな感じだよね。女の人に興味がないというか、恋愛から線を引いてるというか……」


「逆にこう言う人がいいとかないんですかー? ほら、理想の好きなタイプとか」


「タイプねぇ……」


言いながら、彼は僕の方に視線を向け、言いづらそうに頬をかく。

思えば彼から、こう言う話はきいたことがない。

聞こうとしてもはぐらかされるし、そもそも大体は僕の聞き役だ。

尊敬してる藍さんになら、ちゃんと話してくれるかも、と思わず身を乗り出してしまう。


「……強いて、言えば……見た目を気にせず、普通に話してくれる奴……とか?」


「なるほど……って! それ、こうの周りの人ほとんどじゃん!」


「……じゃあ馬鹿な奴でいいわ」


「じゃあって、ちゃんと答える気ないでしょ!」


「分かってないねー、聖さんは。こう言うのには、大体裏があるってものなんですよー」


そ、そうなの??

疑問でいっぱいの中、彼に目むける。

こうはこっちみんなとばかりに手をひらひらさせて、


「やっぱ俺はこういうの向いてねぇわ。店戻る。次、橙子だっけか? 呼んでくる」


と、逃げるように部屋を出る。

いなくなる間際、頑張れと言わんばかりに背中を押してくれたけど。

せっかく話してくれたと思ったのに、自分の話は一向にしようとしない。

相変わらず、こうはよく分からないなぁ。


「恋愛恋愛ーって、下世話好きなのは変わらないんですねぇ。まっ、蜜柑は店長と話せるだけで嬉しいんですけどっ」


息をするように毒を吐きながら、彼女ー蜜柑ちゃんが入ってくる。

彼女は僕がいるのを見ると、にっこりと笑って見せた。


「どうもー橙子さん。あの頃から比べたら、さぞ可愛くなりましたねー。お悩みは減りましたか?」


「はいっ、あなたのおかげでだぁいぶ楽になりましたよ❤︎」


「蜜柑ちゃんは、藍さんの相談をうけたことがあるんですか?」


「パパに内緒で、こっそり来てましたから❤︎ それより、この子どうにかしてくれますぅ? ついてくるってしつこくて」


そういうと、彼女の傍からひょこっと金髪がでてくる。

それはまさかの純君で、変わらない調子で「やほ」と挨拶をかわす。


「じゅ、純君。純君の出番はまだだよ?」


「ボク、とーこの一緒に聞きたい。だめ?」


「一応プライバシー的に、聖さん以外にはお断りしたいんですがー」


「だめ?????」


まっすぐと、こちらを向く。

なんとも純粋な瞳だ、見てるだけでこっちが悪い気がしてくる。

それでも彼は慣れているのか、藍さんはどこからともなく出したサングラスをかけだしてー


「ダメでーす。本人が許可しないと認めません」


「えーん、パパのケチー」


「まあ、あなたがいてもいなくても、別に恋愛相談なんて必要ないですけどねぇ。正直私、人の恋愛話は好きですけど、自分のはぜぇんぜんだもん」


「え、そうなんですか? 蜜柑ちゃん可愛いから、色んな人に告白されそうなのに……」


僕が、彼女の答えを受けていう。

すると蜜柑ちゃんは、可愛いと言われたのが嬉しかったのかにこにこ満面の笑みを浮かべた。


「とぉぜんでしょ? 蜜柑は可愛いんだから。でも恋愛はべぇつ。みーんなお金とか地位目当てで、正直うんざり」


「まー財前って聞けば、誰だってそうなりますよねー」


「蜜柑は蜜柑として、ちゃぁぁんと見て欲しいんです! あなただって、どうせ同じでしょ?」


相変わらず、蜜柑ちゃんは容赦ないなぁ。

こんなに純粋に聞いてる純君に、こうまで言い切るとは。

正直そこまでいわなくてもいいんじゃ……


「めーよ? おかね? そんなのいらないよ、ボクとーこが欲しい」


それでも彼は、予想の斜め上をいく。

彼は嘘をつかない。いつもまっすぐ自分の気持ちを言ってくる。

もしかして、純君が奪いたいほど手に入れたいのって……蜜柑ちゃんのことなんじゃ……


「は、はぁ?? 何言ってるんですぅ? 気持ち悪ぅい」


「とーこ、なんで目逸らすの?」


「あなたと話したくないからに決まってるでしょ。10分経ったので、蜜柑ちゃんは失礼しまぁす❤︎ なっちゃぁん、出番ですよぉ〜」


「は、はぁい……えっと、入っていいのかな? よくわかんないけど、よろしくお願いしまーす」


遠慮がちに、彼女が入ってくる。

ここからが、本当の戦いだ!!


(つづく!!)



おまけの小ネタ

みんなに明音が話す少し前ー


藍「おー、これめちゃくちゃいいですねー。あとはここに置いて……( 'ω' ≡ 'ω' )ソワソワ」


真冬「お客さん、そろそろ空くよ。……何これ( ・᷄-・᷅ )」


藍「おー、真冬さんちょーどいいところにー。みてみてー、休憩室を相談所風に改造してたんです。どーですー? 結構雰囲気出てるでしょー?✧\\ ٩( 'ω' )و //✧」


真冬「勝手に休憩室改造しないでよ。そもそもその格好も何、ふざけてるの?( ・᷄-・᷅ )」


藍「ふざけてないですよー、大真面目でーす( ˙³˙ )」


明音「藍さん、そろそろみんなに話に……わあっ、その格好素敵ですね! 占い師みたい!!(´。✪ω✪。 ` )」


藍「ほらー、明音さんには好評じゃないですかー」


真冬「信用ならないんだけど……頼む相手、ほんとにあってる……?ε-(´-`*)」


明音「だ、大丈夫ですって! たぶん!!(^^;)」


藍の信頼力ゼロ。「ひどいですー(・ε・` )」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ