詩「夏」
朝からにぎわう声が聞こえる
見なくとも海岸は今日も祭りだ
海浜に暮らしていて
あえてその時に行こうとは思わない
夕方
浜風がその時を教えてくれる
にぎわいが消えている
波音がささやかに聞こえ始める
朝だって昼だって波は静かに繰り返していた
浜辺をゆっくり歩く
真昼の名残の熱がまとわりついていても
多湿が潮を肌にまとわりつかせても
静かな波打ち際を歩くと
わずかな涼やかさが心地よくしてくれる
朝からにぎわう声が
浜から聞こえなくなった日
夏が終わるのである