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第五十二部 あけまして おめでとうなり 江戸の町 鐘響いてか 夢誘う音
あけまして
おめでとうなり
江戸の町
鐘響いてか
夢誘う音
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遠くから
近くから
鐘の鎮かなる音色
除夜の鐘が響き渡り
静寂の魔を祓いて
新年に色を付ける
大和の国の伝統の音色
心に染み渡り
静かに夢の中に誘う
煩悩の数を数えることなく
懐かしい鐘の音色が
微睡みの中に聞こえていた
気付くと鐘は止み
時が過ぎている
前世も来世も
大和に生まれ
除夜の鐘を聞くたび
魂に刻まれた
無意識の記憶が
遠い記憶を呼び覚ますだろう
現世の砂時計は
増えることなく
再生に向かう
転生の道は
永遠に続き
アカシックレコードの
フィルムが回転している
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三日月未来
みかづきみらい




