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弟との思い出

気がつくと朝になっていた。


あたまいったぁー!!完全に二日酔い。。。


あっっっ!そー言えば、フォーエバームクーヘン。。。


うさぎの店。。。


夢だよね。。。


ん?!あれ?!うさぎの絵の書いた紙袋がある。。。


え゛ー!!やっぱり夢じゃなかった。


あのうさぎの店に私、行ったんだ!


でも、どうやって?


しかも、あのしゃべってたうさぎたちは一体。。。


そう言えば、あのしゃべっていたうさぎ、子供の頃に飼っていたうさおにそっくりだったなぁ。


うさおは昔、父がどこからともなく拾ってきたうさぎだった。


会社の帰り道、急にピョンピョンと飛んできたらしく、うさぎだったので、そのままほっとけずに拾って帰ってきたのだった。


私はそのうさぎにうさおと名付けて可愛がっていた。


うさぎがしゃべるわけでもないのに弟のように思ってはなしかけていた。


実は私には昔、2つ年下の弟がいた。でも、5歳のとき交通事故で死んでしまったのだ。。。


私と弟はとても仲がよかった。私は弟が大好きだった。


悲しみの中にいた家族を救ってくれたのがうさおだったのだ。


まるで弟が帰ってきたみたいでうさおのおかげで家族は笑顔を取り戻せたのだ。


でも、うさおはうさぎなので寿命はもちろん人間みたいに長いわけではない。。。


うさおは家に来てから3年後に旅立った。


それから、数日後のことだった。。。


父がバームクーヘンを買ってきたのは。。。


私は弟がなくなって以来、バームクーヘンを食べていなかった。。。


なぜなら、弟がバームクーヘンを見て昔こんなことを言っていたからだ。


「いくつも円が重なってるね。不思議な食べ物だね。」


すると、母が


「そうね、まるで私たちの家族の思い出を重ねていってるみたいだから幸せのバームクーヘンだねー。」


「じゃあ、どんどん大きくなるの?」と弟が言うと、


母が


「そうね、永遠に続く幸せがあるかぎりその円はどんどん重なって大きくなるね。」


「永遠のバームクーヘン、どこまで大きくなるのかなぁ?いつか僕より大きなバームクーヘンになるかなぁ?楽しみだなー。僕が大きくなったらたくさんの幸せがつまったバームクーヘンをみんなに食べさしてあげるからね!約束するよ。」


でも、弟が亡くなってから、家族の時間は止まっていた。。。


だから、あのときのままの小さい円のままだった。。。


うさおはその時間を動かしてくれたのだった。


でも、うさおが死んでから私たち家族は再び、悲しみのどん底にいたのだ。


そんな、私たちに弟のことを思い出させるようにうさぎは父をお店に連れていったのかもしれない。。。


たしかに、私たちはあのバームクーヘンを昔、家族みんなで楽しく食べたことを思い出し、いつまでも悲しい顔をしてると弟もうさおも心配して成仏できないと思ったからだ。


これからは前を向いて楽しい思い出をたくさん作ろうと決めたのだった!


そして、弟の命日には必ずバームクーヘンを持って、楽しい家族の思い出などをお墓の前で話すことにしたのだった。


きっと、弟は毎年大きくなっていくバームクーヘンを天国で食べてるだろう。。。


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