一話 夢に迷う少年
本作は小説より漫画形式です。
説明不足な点も多いです.
ご了承ください。
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夜道、逃げ惑う少年名前は田中。
その背後は悪夢。
ここは現実世界、悪夢に寄られるほど彼の精神は疲弊しきっていた。
悪夢が手を伸ばし掴もうとする。
慌てふためいて転ぶ中田、悲鳴を叫ぶ。
その手は伸縮し伸ばした紙ペーパーのよう。
その手を切り、間に入る少年がいた。
夢咲、今作の主人公である。
少年は両手に力を入れ、悪夢を一刀両断した。
少年に心配そうな声をかけ立ち去った少年、この時は何一つわからない状況の田中。
翌朝、朝食を終え、学校に行き、教室に入った田中。
そこで彼は今日転校生が来ることを告げれる。
田中はそうなんだといわんばかりの顔で教室で肘を机につけ待っていた。
教室に入ってくる教師、そこで転校生がこの教室に入ってくる。
少年は昨日自分を助けてくれ少年だった。
名前は夢咲紡。自己紹介に入る前に驚きの声を上げる田中。
少年はそのことににこやかになり冗談じみた自己紹介をした。
【夢咲紡、そこのお前最近悪夢みるだろ。目の下にクマできてんぞ】
そういい、指をさされた田中。
田中の目の下には皆が分かるほどのクマが出来ていた。
出来すぎた出来事に皆からは笑い声があがる。
そんななか、よろしくと伝える紡。
田中はクラスの笑い者にされたと不機嫌な顔をしていた。
昼休み、給食の時間。
普段はクラスのみんなと昼食をともにする田中だが今日は転校生に人が集まっていた。
今朝の件を根に持っていた田中は屋上へと足を運んでいた。
本来は立ち入り禁止なため誰も来ない
一人寂しくご飯を始める田中。
彼の脳裏には一人の寂しさから自身の将来なりたいものについて考えふけっていた。
答えは決まってしかしなかなか思春期ということもあり素直になれない自分がいた。
先ほどの件もそうである。
素直に輪にはいればよい、すれば人から関心を得られる、なかなかに人見知りな自分にあきれ果てていた田中。
そんな中、屋上に入ってくる人影がいた夢咲である。
躊躇もなく田中の隣に来る夢咲。
ここで夢咲は今朝の件を謝罪した。
冗談とは不快な思いをさせたことを。
彼をしぶしぶ許す田中、田中は昨日会ったのが自分であったか聞いた。
彼とは昨日会っていたことを知る田中。
と同時に昨日の出来事についてたづねる田中。
昨日いたのは悪夢、悪夢は悩み、不安といったものがある人間の前に現れると答えた。
さっきまで他の連中と昼食を最近起きた出来事について調査していた紡。
進路調査が彼の悩みの種なのではないか嗅ぎ付けた夢咲は確信を持った声の口調で悩みの種は進路に関することかと尋ねる。
不機嫌を表す、田中。
そのまま、屋上をあとにする。
【君とは友達でもなんでもない、気安く話かけないでくれ】
心にもないことをいい、その場を立ち去る。
夜、夕食な時間。
そろそろある進路指導について聞かれ口がにごもる田中。
両親はそんな様子を見てしっかり進路に就いて考えてと素直な気持ちを告げるも田中と喧嘩になってしまった。
【理由は自身の素直になれない原因に両親のことがあったからだ】
速足で二階の自分の部屋に入る田中。
すぐさま、ベットに入り、不機嫌そうに苛立ちを口にした。
夢世界。
田中の夢世界では荒廃した学校の姿があった。
状況が呑み込めない田中。
昨日までの状況と違い明らかに雰囲気が違う夢世界。
様子を見渡していると、一体の悪夢が現れる。
昨日と違い悪夢の姿が違う。
腕が背中から無数に生えている。
一番の特徴は首と思われる位置に手を、首を締め付け苦しそうに蠢き声を出している。
悪夢は田中に手を繰り出した。
逃げようと、後方に顔を向け逃げるも首を掴まれかけた時、夢咲が現場に参加する。
昨日同様に腕を切り裂き捨てる夢咲。
そこで彼は言った。
【なぁ、何を悩んでいる。悪夢は容易に再来しない。何を隠している】と。
【隠し事なんて…】
眼を背け、顔を合わせない田中。
悪夢も容赦しない、切り捨てられた腕が自身の意思を持つように夢咲の首を絞めつけた。
首を苦しめられ、苦しむ夢咲。
悪夢は田中にも容赦ない攻撃を仕掛ける。
夢咲同様首を絞められれ苦しむ田中。
わずかな隙を見て田中の首を絞める悪夢に刀を投げつけた夢咲。
刀は腕に突き刺さり、悪夢の腕は力が緩み田中は解放される。
しかし、状況は変わらない。
田中にしき迫る悪夢。
その状況に彼は恐怖した、ここで死んだらどうなるのか。
その問いに答えたのは悪夢だった。
【ムキリョク二イキテイクダケ、ユメタベル】と。
田中は背筋が凍る感触を味わう。
思い浮かぶは過去の情景、進路調査票に素直な言葉を紡げなかったことを悔やむ。
こんなことなら、
【進路指導に素直に医者と書けばよかった。】
そんな田中のことばなどどうでもようかのように悪夢は彼に手を繰り出してきた。
首を絞められる、怯え身体で受け身をとる田中。
しかし、いつになっても次の攻撃はやってこなかった。
目の前には夢咲が立っていた。
後方にいる自分に【やっと、素直になれたな】と微笑み呼びかける夢咲。
【なぁあに、自分と向き合えたならもう悪夢は見ないさ】
そういい悪夢と向き合う夢咲。
目つきが真剣になる、それは冷酷さを帯びていた。
例えるなら、狩人のような眼差し。
刀を腰の鞘に納め、向かってくる悪夢と対峙する。
次の瞬間、目にも止まらない速度で悪夢を真っ向から切り裂いた。
胴体は二つに分かれ、その場で力なく崩れ去る。
礼をいう田中、夢咲はいう。
【お前がどんな夢を持っているかは知らない、ただそれがお前の夢なら俺はどんな夢も否定しない、背中を押してやる。だから、行ってこい】と。
ちいさく、ただし人様に迷惑をかけないならなと付け足す夢咲。
そういい、夢世界から脱出。
翌日、一直線に教員室へ向かう田中。
【先生、お話が】と、自身に溢れた様子で勢いよく尋ねる田中。
それをびっくりした様子の教師が一言おう、と答える。
それを廊下の端で見届ける夢咲、夢を諦めるな。
そういい、彼はその場を後にした。
完