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傭兵団と師匠

※今週来週とテストがあるので投稿頻度を少なくさせていただきます。背に腹はかえられないですね。本当に皆さんこんなくだらない小説を読んでくれてありがとうございます。

[では、ゾーイとノアと、そこの君、、名前は?]

[イーヴァよ。]

[そうか。この3人は我がサンクトール傭兵団に入るということでいいな。]

一同うなずく。

[ああ、伝え忘れたが許可なくその[力]を使うのはやめてくれ。秘密にされているからな。]

ゾーイがうなずく。

[うむ、では今から拠点に案内するからついて来てくれ。]



ノアたちはルーファスの車に乗って、彼の傭兵団の拠点についていった。サンクトール傭兵団の拠点は傭兵団という名前のイメージとは到底かけ離れた真新しいビルだった。

ルーファスに連れられて一同は中に入る。一階には受付のスタッフがいて、これまた傭兵団とは思えない感じだった。どこからからドカドカと音がなっているようだが、その音のなる方を見るとそばに重厚な扉があるのがあって近くには呼び鈴らしきボタンががあった。ルーファスがボタンを押すと中からかすかにチリーンと鳴ったのが分かった。しばらくすると中の物音が消え、中からアーマーを着た男女が出てきた。

[どうした?]

[あら、何事ですの?]

男の方は茶色い髪に端正な顔立ちをしていて、かつ長身の二十代の若者である。女の方も美女であり、金髪の髪をして慈愛に満ちた顔をしている。年は三十代だろうか。

[新しくメンバーになったやつらを紹介したいと思ってね。ゾーイ、ノア、イーヴァだそうだ。ゾーイは俺の友達の推薦で入れた。ノアは友達の息子だからな。ひいきにしてやらないとな。なに、戦いの腕前の方はいまいちだが親父譲りで頭の方はキレるらしいしな。参謀として使えるかもな。イーヴァについてはどれ程の腕前なのか分からないな。なあ、セルヴァ、イーヴァの相手をしてくれないか。]

[まあ、こんな小さい子が戦うのね。どれくらいの強さなのか楽しみだわ。]

[ふん、なめてると痛い目にあうわよ。]

[その心配はないな。戦うときはこの矢を使ってくれ。]

もう一人の男が言った。イーヴァに差し出されたのは先端が柔らかくなっている矢だった。

[練習で怪我をされても困るからな。ただ、装備はいつも着てるようなものでいい。特にいつも着ている装備がないのなら下手に今は着ない方がいい。ルールは自分の武器が相手に当たったら勝ち、だ。]

男が続けて言った。

[分かったわ。]

[では、始めるぞ。]

セルヴァは木刀を構えた。

[よーい、始め!]

合図と同時にイーヴァはセルヴァと距離を取りながら矢を引き、そして、矢を射った。矢はセルヴァの頭に向かってまっすぐすごい速さで向かっていったがセルヴァは落ち着いて矢を払った。

[え?]

ノアは思わず声に出してしまった。あの速さの矢を払うことができるなんてすごすぎる。イーヴァも動揺したようだが、すぐに切り替えて、もう一本放った。今度の矢は胴体に向けて射ったがこれもまたかわされてしまった。と、次の瞬間、セルヴァはものすごい勢いで駆け出して、イーヴァのすぐそばまで接近した。セルヴァはイーヴァに向かって剣を振るった。イーヴァは持っている弓でかろうじて防いたが、壁際に追い込まれてうまく動けない。セルヴァはイーヴァの動きを見極めて胴体に木刀をスッと当てた。戦いはセルヴァの一方的な展開で幕を閉じた。

[セルヴァ、どうだ。]

ルーファスが尋ねた。

[うーん、悪くはないわね。矢の威力、精度ともかなりのものではあるのだけどね、ただ、予想外の動きというのがないのよね。はったりでもいいから、あるといいわ。そうね、あなた、センスがあるから私が教えればうまくなりそうね。]

[ほんと?]

イーヴァはキラキラした目でセルヴァを見た。

[ええ、じゃあ、イーヴァは私の下で特訓するということでいいかしら、ルーファス?]

[ああ、構わない。では、残りの二人はお前の下でいいか?ランドル。]

[そうだな。特に異論はない。]

[では、特訓が終わったら各自持ち場に彼らを連れていってくれ。]


ノアたちは部屋のすみでセルヴァとランドルの二人の戦いを見ていた。どちらも木刀で戦っていた。セルヴァがランドルの刀の勢いを逃してその隙に胴に一撃を加えたと思えば、次は、ランドルが一瞬の隙をついて電光石火の鋭い一撃を食らわせた。そうして、時にお互いにたいした決着がつかないまま二人の特訓は終わった。


[ノア、ゾーイ。これから俺の家に戻る。歩いて行くから、ついてくるんだ。]

そう言うと、ランドルは歩きだした。しばらくして、ランドルは思い出したように言った。

[そうか。お前たちはショマールから来たから分からないかもな。]

ノアたちは首をかしげる。

[傭兵には、師匠と弟子という制度があるんだ。師匠は弟子のことを養い、弟子は師匠と共に行動して手と足となるんだ。戦いの時の師匠のサポートをしたり、料理や洗濯などの家事をするんだ。]

ゾーイが力なさげにうつむいた。

[ふっ、大丈夫だ。俺も今は師匠だが、ついこの間までは弟子だったんだよ。料理、洗濯などの家事はできる。まあ、お前たちにも手伝ってもらうが大した期待はしてないからな。安心してくれ。まあ、こんなにお前たちに偉そうに話している私だが、師匠になるのは初めてだ。逆にお前たちに迷惑をかけてしまうかも知れないな。そのときは目をつぶってくれ。]

最初、ノアはランドルのことを怖そうな人だと思ったが、ふたを開けてみれば、とても優しい人だった。怖い人に当たらなくてラッキーだった、と思った。

[今の話を聞くと、師匠になっても利益なんてないと思うけど、なんでなったの?]

ゾーイが急に話しだした。失礼なことを聞くもんだな。

[は、はは、まさかそんなことを聞かれるとは思わなかった。理由か、しいていえば名誉になるということだろうな。]

[名誉?]

ゾーイが呟く。

[師匠になることができて初めて一人前って見なされるってことだろうな。弟子が来るということで、めったに来ることもない本事務所まで来たが正直なところ、弟子がこんなガキだとは思わなかったけどな。]

[それは‥‥悪かったね。]

ノアが申し訳なさそうに言った。

[そんな、責めるつもりはなかったが‥セルヴァに比べりゃ俺のような未熟者が師匠になっていいんだろうかって思えてくるほどだ。お前らは知らないだろうが、今日会ったセルヴァはもう何人も弟子を持った経験があるベテランなんだ。俺はセルヴァと手合わせをするのは久しぶりだったが今も間違いなく、このサンクトール傭兵団で最強だろうな。おまけに教わった弟子もとてつもなく強くなるという。だからイーヴァは間違いなくもっと強くなるだろうな。]

[そうなんだね。イーヴァはただえさえ強いのにこれ以上強くなるなんて怖いくらいだよ。]

歩いて数分経ったころ、目の前に大きな壁が見えてきた。

[そういえば、テマイアに来てからずっと気になってたんだけど、あの壁ってなに?]

[ああ、あれは、ビル街とスラム街を隔てる壁だ。ここはな、持つべきものと持たざるべきものに分かれているんだ。ここは共和国だ、身分の差があるわけではない。みんな、ビル街に住みたいと夢を持ってやって来たが、道半ばで潰えた人々のいるところだ。言ってなかったが、俺の家はこの壁の向こうにあるんだ。そもそも俺はスラム街出身でね、剣の実力を買われて、子どもがいなかった富豪の養子になった。その縁でサンクトール傭兵団に入れさせてもらった。まあ、スラム街を監視するにはこれ以上の適材はいないだろうな。俺はこのスラム街を知り尽くしている。何より、生まれながら金持ちの家に生まれたやつはスラム街を嫌悪するんだ。お前たちにはそうはなってほしくない。スラム街のありのままを見てほしいんだ。]

そう言うと、ランドルは壁の前の警備員になにやらカードを見せた。警備員は壁についている小さな回転式のドアを回した。ランドルたちはスラム街に入っていった。






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