木こりだったはずが木になってしまった!
ある日の朝。
僕は見慣れない光景に目を真ん丸ににして驚いた。
「な、なんだここーーーー!!!」
僕の目の前には数えきれない数の材木が倒れていた。そしてその材木一つ一つに僕は見覚えがあった。
「クソー何がどうなってんだ!」
僕は訳が分からず戸惑っていた。そしてあることに気づいてしまった。そう僕の体は木になっていた。木といっても普通の木ではなくとてつもなく大きい木、いわゆる巨樹になっていた。
こんな状況だから仕方ないが自己紹介が遅れた。
僕の名前は樹木材木 年齢は18歳 仕事は木こりをしている。
本当は大学に行くつもりだったのだが家庭の事情で父の仕事受け継ぐことになってしまった。要するに今のこの状況は僕が木こりであるからだと思う。僕が考え込んでいると前の方からある声が聞こえてきた。
「木になって可哀そうだね。でも目の前に倒れている木はもっと可哀そうだね。」
何だと思い前を見てみるとそこには一匹の鳥がいた。
何だと!?鳥が喋っているだと!?いやこの際それに関しては目を瞑ることにしよう。
それよりこの鳥が言ってる事はどういう事だ。目の前に倒れている木は確かに見覚えはある。だがどうして見覚えがあるのかは分からない。とりあえずこの鳥は何かを知っているはずだ質問をしてみよう。
「おい鳥さん、今鳥さんが言ったのはどういう意味だ?」
「そのまんまの意味だよ。」
「いやそうじゃなくてもっと具体的に!」
「そのまんまの意味だよ。」
く、この鳥、意地でも答えないつもりだな。
「分かった。でもこの状況については話してくれ!俺は何が起こったかさっぱり分からない!何故俺の体は木になっているんだ。それだけでもいいから教えてくれ!」
「罰だよ。」
「罰?」
「そう罰。」
良く分からんが俺は何か悪いことをしたのかもしれない。
「じゃあ俺が元の姿に戻るためにはどうしたらいいんだ?」
「簡単なことだよ、罪を償えばいいんだ。」
「罪を償う?悪いが鳥さん俺は自分がどんな罪を犯したか分からないんだ。勘違いとかじゃいのか?」
「いや、罪を犯したのは確かに君だよ。でも覚えてないんじゃ償いようがないね。ヒントをあげるよ。君は木こりの仕事をしていただろう?君はその仕事中にやってはいけない罪を犯したんだ。」
「おい、もっとヒントをくれ!そんなのじゃ全然わからない!」
「頑張って罪を償ってね。」
やるしかない。この状況を打破するには鳥が言っているように罪を償うしかないんだ。