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第7話 殺すということ

ギャグが書きたかっただけなのに、、、

ヴェルは辛うじて息をしていた。


アンナは未だに部屋の隅でうずくまっている。


グラム聞こえるかい。「はいでち。」


あたいは間違ってるかい?「………」


少女の復讐の手伝いをしたこと。


少女の手を汚させてしまったこと。


(一時の感情で正義面して、これが一番良いと勘違いして…)


最初はアンナの話を聞いてあまりの胸くその悪さに怒りでいっぱいだった。


あの男を一発殴った時なんかスカッとした気分になってしまった。


アンナが男の腹を刺したのも最初はざまあみろと思った。でも………


今にも死にそうなヴェル。うずくまってすすり泣くアンナ。


(俺がやりたかったのはこんなんじゃない。)


結局、少女に酷な事をしてしまった。あの男と同じことを俺はしている。そんな思考がぐるぐる回り……ひどく後悔を…「ありがとうございました」


……え?


それまで部屋でうずくまっていたアンナが俺を見て感謝している。


「私、ずっとこの気持ちをしまったまま生きてきました。」


気持ち?何の?


「この男に両親が殺されたのは薄々気づいていたんです。私の両親を助ける余裕があったのに敢えて私だけ助けた。」


荒野狼は確かに並の大人じゃ太刀打ちできないが、狩人にとっては格好の獲物だという。

そんなモンスターを倒す事なく私を抱えて逃げたヴェルがどうしても許せなかったらしい。


ヴェル叔父さんがお父さんとお母さんを殺そうとしたかはわからないけど、あの時見殺しにした事、今まで私にした事を考えるとやっぱり私は叔父さんを許せなかった。でも、もし違ってたらと思うと………


本心と良心のせめぎ合いの中でアンナが出した答えは自らの命を絶つという選択肢だった。でもそれは最期まで善人でいたいというアンナ自身のエゴでもあった。


目の前に親の敵がいるのに何も出来なかった。でも、死神さんに会って少し変わった。


その考え自体が逃げだということ。どうしたらお父さんお母さんが安心してくれるか考えるきっかけを与えてくれたこと。


「だから、死神さんは別に悪くないよ。私に変わるきっかけをくれたんだもん。」


この少女は生と引き換えに人殺しの咎を背負わなければならない。それはあまりにも悲劇だ。


駄目だ。俺はこういうの苦手なんだわ。


………英霊昇華(シヴィメッション)


ヴェルの体が光輝く。


アンナは何が起きているのかわからずキョトンとしている。


悪いが叔父さんはあたいが殺しておくよ。


しっかり()()で反省させるから安心しときな。


それと―――クレアといったかい?


一連の騒動を物陰から見ていたであろうクレアを見つけると脳内で主神の威光(プレステージ)と唱える。


今度アンナに手を出したら次はお前だからね。覚悟しておくことね。


クレアは畏れを抱いてその場で平伏した。


この世界は善悪の境界が曖昧で何が正しいのか神すら分かっていない。


―――ラグナロクか。


もしかしたらこの世界は必然的に破滅を辿ってるのかも知れないな。

シリアス展開は次で終わります?ギャグほのぼの擬似百合TS物に急いで戻らなきゃ(使命感)

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