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プロローグ
曇と晴れと雨が微妙にまざる変な天気のおり、一迅の嫌に涼しい風が吹いたあと、トラの子が空を見上げてからお母さんトラに訊きました。
「ねぇねぇあれはなに?」
空には大きな大きな逆さまの虹がかかっておりそれがゆらりゆらりとゆっくり落ちてきました。
「なんてこったい、あんなものを見るんじゃないよ、もうこの森には住めなくなってしまうかもしれないね。こっちに来な」
お母さんトラは落ちてくる虹からトラの子を隠すように大きな体を巡らすと大きなため息を一つつきました。
「悪いことがおきなきゃ良いんだけどね」
お母さんトラはそう言うと、子トラの首根っこを優しく咥えると森の奥の茂みの向こうに入っていってしまいました。
その逆さ虹がゆらゆら落ちてくる光景は森のたくさんの動物たちが見ていました。
それからでした、その森が逆さ虹の森と呼ばれるようになったのは、、、、、。