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彼女は、雨と共に。  作者: Sharp♯
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第五章:曇天

 レインに中々会えない。


雨は降る事はあったが、帰るころには止んでしまう日も多かった。


春弥は、だんだん不安になってきた。


卒業までもう僅か。この学校でしか会えない、雨の日しか会えない。レインに会えない現実が、春弥をひどく焦らせた。


時間は無慈悲に流れていく。予報を見ても、傘マークはついていない。


春弥はひどく後悔した。


いつになっても降らない雨、迫る卒業の日。


レインの瞳が、髪が、声が、レインと過ごした記憶が、だんだん錆びて崩れてしまうような。


会いたい。


彼女を忘れてしまわない内に、もう一度、笑い合いたい。自分を成功に導いた彼女に、お礼を言いたい。


春弥の心の叫びは、彼の心の中で何度もこだまし、奥底まで響いた。これが唯一、彼女との記憶を引き戻す、しかしそれも応急処置に過ぎなかった。


彼女の形を忘れれば忘れるほど、春弥は彼女を欲した。


しかし、その強い想いは天に届かず、最後まで、雨は降らなかった。

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