幼馴染の剣
お題
『モノローグ』
『麦茶』
『道場』
「今日の練習はここまで!」
「「ありがとうございました!!」」
剣道場に、主将の言葉と俺達剣道部員の挨拶が響き渡る。
部活時間が終了し、皆それぞれの防具を片づけ始める。
俺もその例に漏れず、てきぱきと防具を片づける。昔から整理整頓は上手かったからな、防具を一袋にまとめる事なんてたやすいことだ。
まあ、そうでなくとも毎日やっていることだがな……。
「お疲れ、城野君」
「おう、お疲れ、木下。のど乾いちまったぜ、まったく」
「あはは、麦茶でも飲む?」
「お、サンキュー」
防具を仕舞い終えた俺に話しかけてきたのは、幼馴染の木下だ。
短く切りそろえられた黒髪が非常によく似合っている。
「いやあ、やっぱ強いな木下は。男子相手でも負け無しじゃないか」
「まあね。練習の成果が出てるのかも」
「それはそうだな」
今言った通り、木下は剣道の腕がとても優れている。
女子の中どころか、男子を含めたこの三野瀬高校剣道部の中で一、二を争う実力者だ。ちなみに争ってるのは主将だ。
「城野君、今日もウチの道場に来るんでしょ?」
「ああ。もちろんだ」
その実力を裏付けてるのが、日々の鍛練である。
木下と俺は、部活後はここから少し離れた木下道場に行って練習している。
その名からも分かる通り、木下はその道場の師範代の娘だ。小さいころからの英才教育もその実力に一役買っていることだろう。
対して俺は、木下とは違って雑魚だ。部活内ですら実力は下から数えた方が早いレベルだろう。
なんでなんだろうな……きちんと練習はしているのに。
「じゃあ、着替えてくるからまた後でね」
「おう。じゃ、入り口のところでな」
そう言って、木下は女子更衣室へと入っていった。
わざわざ着替えるのは面倒だが、大事な道着を外を出歩いて汚すわけにもいかない。
「はあ、どうすりゃ俺も木下みたく強くなれんのかね」
なんてモノローグを呟いて、俺も男子更衣室へと向かった。
モノローグさんよく出てきますね……。
今回は全然話が広がりませんでした。




