頭脳戦
お題
『唐揚げ』
『諦め』
『ファミレス』
「高広さあ、いい加減諦めろよ。無理だと思うぜー、俺は」
学校帰りに、俺と純一はファミレスに寄っていた。
案内された席で、俺は雑誌を見ながらうんうんうなっていた。
俺が見ているのは、クロスワードの雑誌だ。一部の問題には賞品が出るのだが、その問題というのが格段に難しい。
「賞金だか賞品だかがでるみたいだけど、そもそもそれが解けなきゃ意味ねえじゃねえか」
「そうだけどよ……」
ちなみに今俺が取り組んでいる問題の賞品は最新ゲーム機とそのソフトのセットである。ちょうど欲しいと思っていたのでかなりタイミングが良かった。
まあ、もし仮にこの問題が解けたとしても抽選に当たる必要があるのだが、それよりもやはり先にこの問題を解かなければならない。
そうでなければとらぬ狸の皮算用もいいところだからな。
「しっかし、これ難しいな」
「どんな問題やってんだ?」
「ん? 四字熟語のクロスワードだってよ」
ほとんどの小問が、四字熟語についてきいているもので、はっきり言ってほとんどわからない。
俺だって立派な高校生なわけだから、一石二鳥やら因果応報やらの基本的なものは知っているが、別段四字熟語に詳しい訳でもない。
「どれ、ちょっと見せてくれ」
「いいぜ、ほら」
テーブルに広げていた雑誌をくるりと回して純一に見せる。
しばらくの間純一は雑誌に目を落としていたが、やがて、
「あ、無理だわ。全然分かんねえ」
と、ギブアップ宣言をした。
「だよなあ……電子辞書で検索してみてもいまいち要領を得ないし、かといって他の問題なら解けるってわけでもないんだよな」
雑誌を手に取り、畳んで鞄にしまう。
やれやれ、金と時間の無駄だったか、なんて思っていると、店員が料理を運んで来た。
「ミックスプレートのお客様~」
「あ、俺です」
俺の注文したミックスプレートが純一の者よりも先に来た。
ミックスプレートとは、いくつかの肉料理が同じ鉄板に乗っている贅沢なメニューだ。
ステーキ、ハンバーグに唐揚げといった料理が目の前に並ぶ。
肉の焼ける香りが俺の空腹を刺激する。
「やっぱ、俺は頭使うより飯を食う方が好きだな」
そう言って、俺は唐揚げを一つ口へと運んだ。
今日は短めに。
毎日投稿を心がけてるけどそろそろ途切れるかもしれない。




