第6話;逆さ映りの魂
どうもです。
早くもサブタイを考えるのが面倒になってきました。いやーこれは失敗ですかね
あの状況で遼牙が行ったことは、泰月の言っていた言葉を信じ、自分を爆破して体内に侵入した汚染物質を破壊するという、無茶としか言いようの無いことだった。しかし、その無茶が幸を奏し遼牙は奇跡的に一命を取り留めた。しかし、手術を終えた医師の話によると遼牙の状態はすこぶる悪く、最悪このまま一生目を覚ますことがない可能性もあり、もし目が覚めたとしても高熱による脳に障害が残り、今まで通りに動ける確率は殆どないという診断だった。上位の医療系の発現者がいれば話も変わるのだが、医療系の能力は比較的少ない方なので医療に関して大して力を注いでいない都市の病院などに居る筈もなかった。腹を刺された泰月も手当てを受けた後、入院を勧められたが断り、シャイナと共に遼牙の無事を確認してから一時帰宅。
そして
~次の日~
夜の内に、泰月が残りの二人のメンバーに遼牙のことと、その見舞いに行くという旨の連絡を入れておいたため、銀野相談事務所には朝早くからメンバーが集まっていた。
「おいそこの戦闘狂二人。こんなに早く来れるなら、いつも遅刻してくんじゃねえよ。」
いつも通りに席に座り、いつも通りにコーヒーを啜り、いつも通りに書類の整理をしている泰月が二人を咎める。
「遼牙が目を覚まさないのでしょ。そういうことなら心配で早く来ますよ。それと私は戦闘狂ではありません」
「俺だって心配してんだぜ。あいつがいなくなると、ストレスの捌け口をまた探さなきゃいけねえからな。」
「洸太、次は私の番だからな」
「ああ、分かってるよ。」
なんとも私利私欲を優先する奴らである。
「おい、お前ら。そろそろ行くぞ。」
泰月は書類をアタッシュケースに詰め、ポケットから車のキーを取り出す。
「「「はい(うぃーす)」」」
「ああ……そうだ……ああ……頼んだぞ。」
ブチッ
泰月はパーソナルリングで展開していた通信を切り、皆のいる事務所の地下に向かう。
「おい泰月!なにしてたんだよ!」
「悪い悪い。ちょっとした準備をな」
事務所の地下に止められている泰月のバンに乗り込み、遼牙の入院している病院に向かう。運転席に泰月、助手席に洸太、後部座席にシャイナと瀬奈が座っている車内には、今から意識不明の同僚の見舞いに行くとは思えない程、楽しそうな声が飛び交っていた。
「大体、あいつを心配する事自体が間違ってるんだよ。」
「同感。遼牙の生命力はゴキブリ並みですからね。」
「皆さん酷くないですか!?かなりの重体なんですよ!」
「うん。普通の人間の尺でいうとね」
「ハッハッハ、それうまい切り返しだな」
真剣に心配しているシャイナに、にっこり笑いながら瀬奈がそう返す。
「そういうことだね。まあ、あの化け物は今日にも退院しそうな気もするがね。」
本人がいないところで言いたい放題である。
「そうかもしれないですけど……心配です」
シャイナは俯き加減で小さくそう呟くと、隣に座っている瀬奈が新しい悪戯を思い付いた子供のような顔をする。
「ねぇシャイナ」
「なに瀬奈ちゃん?」
「シャイナって遼牙の事好きなの?」
「ええっ!せっ瀬奈ちゃん、いきなり何聞いてるの!?」
瀬奈の突然の問いに、顔を真っ赤にして実に分かりやすい反応を示すシャイナ
「いや、ふと思っただけだよ。まぁ、私の能力使ってたから、もうばっちり答え聞いちゃったけどね。……まぁ能力使わなくてもこんな大げさな反応されたら普通分かるけどね」
「ちっちょっと!それって酷いよぉ!」
「まぁあいつは大変だよ。ちょっとやそっとじゃまるで気付きやしないから」
瀬奈がくすっと笑いながらシャイナに告げると、シャイナは更に顔を赤く染めながら瀬奈
を非難する。後部座席ではそんなことを話している中、前の二人は真剣な話をしていた。
「そういえば泰月、遼牙をやった奴らの足はついたのか?」
「いや、おおよその見当はついてるんだが、如何せん証拠がない。」
「どこなんだ?」
「龍紋電機。」
「おいおい、こりゃまたとんでもねぇとこが出てきやがったな。」
「まだ確定した訳じゃないが、かなりの高確率でそうだ。」
「そうなるとあいつには復帰してもらわないと困るな。」
「だな。……まぁ、あまりあいつを戦場に出したくはないんだがな」
「おうおう、所長さんはあいつに随分と優しいねぇ」
「分かってるくせに知らんふりするな。気持ち悪い」
「気持ち悪いは酷いんじゃないか?」
「気にするな」
泰月は遠くを見ながら静かにそう返す
それから約ニ十分で泰月のバンは病院にたどり着いた。病院は木々に囲まれた山の中にあり、無法者の集まるエスポワールで数少ない息抜きのできる場所の一つでもあった。
「へぇ、なかなか立派な病院だな。立地条件もいいし。」
「一応国立の物だからな。」
「国立ねぇ。よくあの馬鹿どもが動いたな。」
「まぁ、この程度の事やらなかったら本気であいつらを潰す必要性を感じてしまうからな。」
「………。」
「ねえシャイナ、いい加減機嫌治してよ~」
「あ、おい泰月。面会って何時からだ?」
「たしか八時からだった気がする。」
「ねぇシャイナ~もうしないから許してよ~。」
「むぅ、約束ですよ。」
和気あいあいと会話しながら進んでいく四人は、病院独特の薬品の匂いのする病院内に入る。病院内部は朝早いということもあってか、人は少なかった。そのため待つことなく、受付から遼牙の病室を聞き出すことができた。
「七階の708号室だってさ。」
「了解。えっとエレベーターってどこだ?」
「この道を真っ直ぐ行って、二つ目の角を左に曲がったところにあります。」
「シャイナ詳しいね。」
「ただいつもの癖で調べないと落ち着かないってだけだよ」
果物の入ったバスケットを提げたシャイナが、小さな黒いメモ帳を取り出して言う
「とりあえず行くぞ。」
泰月の声に従い再び歩き始める四人。
「やっぱり能力によって、そういう癖みたいなのがあるものなの?」
腰に提げた長い日本刀の柄をいじっている瀬奈が何気なく尋ねる。
「うん、よく行くところとかの座標は頭に入ってるけど、一度行ったところの座標はメモを取るようにしてる。転移座標がズレると壁にめり込んでいたりとか空中だったりとか大変なことになっちゃうんだ」
「……シャイナの瞬間移動って結構怖いね」
「瞬間移動って頭の中で移動したい場所を思い浮かべるだけでいいんだろ?だったら座標とか調べなくてよくね?」
洸太が頭の後ろで手を組みながら聞く
「確かにそれだけで移動は可能ですが、それをやる場合、イメージした場所の細部までを明確に頭の中で再現しなければならないので、写真などの画像コンテンツが必要になるんです。もし、明確なイメージを持たないまま転移をしたら、指定した場所に着きませんし、最悪発動すらしません。だから、それの補助として座標指定をすることで、頭の中のイメージが少し曖昧でもカバー出来るんです。」
「へぇ、よくそんなの覚えられるよな」
「はい。覚えるのは得意なので」
シャイナが笑顔で答えると、洸太は感心したような顔をした。
「俺なんか九九だって全部覚えてるか怪しいぞ」
「それは洸太が馬鹿なだけ」
「んだと、じゃあお前は覚えてるってのかよ」
「当たり前でしょ。ってか九九出来ないってあんた小学生以下じゃない」
「お、エレベーター発見」
泰月が灰色の扉を発見し、ボタンを押してエレベーターに乗り込む。
「なぁ、もしあいつが起きてなかったら、シャイナが持ってきた果物類どうするんだ?」
「……俺らで食う。」
「そりゃいいな。遼牙、頼むからまだ寝ていてくれよ。」
「私はリンゴ貰う。」
「じゃあ俺はミカンを貰おう。」
「ああ!お前らずるいぞ!」
「知らん、そんなの早い者勝ちだ。」
「そうだ。出遅れた洸太が悪い。」
「大丈夫ですよ。たくさんありますから。」
「おっ、着いたぞ。」
エレベーターは七階で止まり扉が開く。そこから左右に通路が伸びていて、正面に簡素な休憩所のようなスペースがある。泰月たちは左の通路に進み、一つの病室を探していく。
「あ、あった。」
泰月の立ち止まった病室には、確かに受付で聞いた番号と、「光崎遼牙」の文字の入っている名札が掛けられていた。
コンコンッ ガララッ
ノックして入った病室は一人部屋の個室だった。白く清潔に保たれた水道、風にたなびく白いカーテン、空の花瓶が置いてある木製の棚など特に目立つ物は置いておらず、なんの変哲もないどこにでもある病室だった。ただ一つの点を除いては。
「………なぁ……間違えじゃねぇよな?」
洸太が呟く
「うん……間違えなく遼牙の病室だ。」
瀬奈が返す
「どちら様?」
シャイナが尋ねる
「………。」
病室にただ一つの大きな白いベットには………
「……うん、間違ってない。遼牙の病室は確かにここのはずだ。」
瀬奈が病室の外に出ていき再度病室番号と名前を確認するが、確かに受付で聞いた番号と、遼牙の名前が書かれていた。
「あってる……んだよね?」
「すいません。もしかして保護者の方でしょうか?」
瀬奈が病室の前で首を傾げていると、背後から中年の医師が声をかけてきた。
「あー、ええっと。」
「はいそうです。」
その問いに瀬奈が口籠っていると、病室の中にいた泰月が代わりに返答をした。
「少し御話しがあるのでお時間よろしいでしょうか?」
「ええ、構いません。」
「おい泰月!お前」
「お前らはここで待ってろ。暫くしたらあいつも起きるだろうから。」
洸太の言葉を遮るように泰月は簡単な指示をだし、医師と共に歩いて行ってしまう。
「………。」
「………。」
「………。」
残された三人はなにをしていいのか分からず、ベットの近くでただ呆然と立ち尽くしていた。
「おい瀬奈。」
気まずい空気が流れ始めていた病室の沈黙を破ったのは洸太だった。
「なに?」
「お前の能力でこの……遼牙?の残留思念とか読み取れないのか?」
「分からない、ちょっとやってみる」
そう言って瀬奈はベットの横にいき、目を閉じる。
「………どうだ?」
「うん、無理。分かんない」
「なんにも残ってないのか?」
「いや、残ってはいるけど私じゃ読めない」
「はぁ?なんだそりゃ?」
「私の能力は読心術だけど、思考とかを読む方に特化したタイプだからそういうのは苦手なの。」
「はぁ…使えねぇな。」
「む、だったらお前の方が使えないだろ、この戦闘狂。」
「んだと!お前も似たもんだろ!」
「私はお前みたいに、何にも考えずにただ破壊するんじゃなくて、ちゃんとした目的を持って戦っている」
「んだと!俺にだって目的ぐらいあらぁ!」
「じゃあ言ってみなよ」
「ちょっ二人とも!病院なんだから静かにしなきゃだめだよ」
今にも取っ組み合いそうな二人の間にシャイナが割って入って二人を宥める。
「……すまん」
「……怒鳴ってたのは洸太だけなのに」
「瀬奈ちゃん」
「……ごめん」
「とりあえず、起きるまで静かに待ってましょう。あ、私飲み物買ってきますけど、二人とも何か飲みますか?」
「じゃあ私オレンジジュース」
「俺はいいや」
「わかりました。仲良く待っててくださいね」
シャイナは微笑みながら、パタパタと病室を出ていってしまう。
「……あー、出来れば早く起きてほしいな」
洸太が誰に言う訳でもなく、天井を見つめながらぼやく。
「……にしても……よ」
遼牙は誰かの声を聞き目を覚ます。
「でも……あっ起きましたよ」
「ん……ふぁぁ……朝からなんっすか?」
遼牙は大きな欠伸を一つして、ベットの横で騒いでいた瀬奈に文句を言う。
―全く、頼むから安眠妨害はやめてほしい
「あれ?ここどこ?病院?」
―たしか地下通路で自爆して……ああ、シャイナが連れて来てくれたのか
「遼牙?」
「ああ、洸太さんも見舞いに来てくれたんですか。何か変な感じしかしませんね」
「お、おう、そっそうか。」
「?なんかあったんですか?今日はいつもにも増して変ですよ」
「あっああ」
―何この洸太さん。変を通り越して気持ち悪りぃ
「おっ起きたか。」
その言葉と共に病室に入ってきたのは泰月とシャイナだった。
「泰月さんにシャイナ。二人ともありがとうございます。おかげで何とか助かりましたよ」
「気にするな。それに俺は何もしていない。お前を助けたのはシャイナとここの病院の医師たちだ」
泰月はそういい、隣にいるシャイナに目を向ける
「そっか。ありがとなシャイナ」
「いえ……そんな……」
シャイナは口籠りながらなんとか返答する
「さっきから言いたかったんだけど、なんか皆変じゃない?なんかあったの?」
「なぁ……一つ聞くぞ。お前誰だ?」
やけに畏まった洸太が遼牙にそんな事を問う。
「なに意味不明なこと聞いてるんですか?とうとうボケましたか?同じ「銀野相談事務所」で、主に荒っぽい戦闘系の仕事ばかり大量に押し付けられながらも、四か月間も給料滞納させられて、ただ働きしている可哀想な所員の光崎遼牙21歳ですよ。」
「……やっぱりそうなのか。」
「いや、嘘に決まっている。これが遼牙なはずがない」
「でも、会話の内容とか喋り方とかは遼牙君ですよ」
「遼牙はこんな声と顔してない」
「さっきから何言ってんだ?」
泰月を除いた三人があれこれ談議し、その内容を聞いた遼牙は理解ができず首を傾げるしかできない。
「遼牙、ちょっとこれ見てみろ。」
今まで会話に参加していなかった泰月が、アタッシュケースの中から一つの鏡を取り出した。そこに映っていたのは腰の辺りまで伸びた長い黒髪の薄い褐色の肌をした可愛らしい中学生ぐらいの少女だった。
―なんだこの鏡?普通の鏡ではないのは分かるんだが、何を映してるんだ?
「はい?………誰この子」
―……でもなんか、どこかで見たような気が……
「お前だ」
しかし、そんな思考は泰月の一言で中断せざるおえなくなる
「………は?」
遼牙は泰月が発した言葉の意味が理解できなかった。
「この鏡に映っているのが今のお前だ。」
「俺は女じゃなくて男ですよ。からかうのも大概にしてくださいよ。」
「それは知っている。だが今のお前の性別は女だ。これは確かだ」
―ちょっと待てよ。そういえば心なしか声が高いような、それに髪も長くなってる気が……
「今この鏡に映ってるのが……俺?」
「そうだ」
「………マジで?」
「泰月さん、これはどういうことなんですか?」
最初は驚きを露わにしていたが、今ではすっかり落ち着きを取り戻している。
「詳しくは分からん。だが、ここに運び込まれた時にはすでにその姿だったぞ。」
「えっ!?じゃあ私が転移した時にはもうこの姿だったんですか!?」
泰月の後ろにいたシャイナが声を上げる。
「ああ、あんな状況だったから気が動転していただろうし、煙出して軽く焦げてたから気がつかないのも無理はないな」
「そうだったんですか……」
「ってか泰月!!このこと知ってたならなんで俺らに教えてくれなかったんだよ!!」
「そうだ!!病室に入った時、結構焦ったんだぞ!!」
洸太と瀬奈が口を揃えて泰月に文句を言う。
「いや、そっちの方が面白そうだったからさ」
それを受けた泰月は頭を掻きながら笑いを含んだ声で飄々と返す。
「おも…っお前、俺らがどんだけ焦ったか分かってんのか!?」
体格のいい金髪の不良が眉間に皺を寄せて怒る姿は、なかなか威圧感のある光景である。
「知らん。それと洸太、病院では静かにしろ。周りの患者に迷惑だ」
しかし、そんなことで気圧されるような、軟な精神を持ち合わせいない泰月は、先程買ったお茶を呑気に飲みながら洸太に注意を呼び掛ける。
「っと、すまねえ……じゃなくて!!」
「洸太さん、本当にうるさいですよ。これ以上怒鳴るようなら、時期外れの花火を打ち上
げますよ。エスポワールの空に爆発音と共に真っ赤な液体と火のついた肉片が四方八方
に―」
「すいません……全力で静かにさせていただきます」
洸太は額に汗を浮かべ、引きつりながら遼牙に謝る。
「……冗談で言ったつもりなんで、そこまで本気にしなくても」
「本気にするわ!今まで俺がどんな目に遭ったのか覚えてんのか!?」
「………なにしましたっけ?」
「……こいつ、マジで忘れてやがる」
―俺、洸太さんにそんな酷いことしたか?身に覚えがないな
「まぁ二人とも。その話は置いておいて、今は遼牙の身に起きた事を考えよう」
泰月はベットの横の椅子に座り、アタッシュケースの中から一枚のチップを取り出し、それを左腕についているパーソナルリングに挿入する。
「昨日、遼牙が性転換したことについて色々調べてみたんだが、正直全く分からなかった。」
「あ、そうなんですか。」
「まぁ、今のお前の姿を見る限り、なんらかの能力が働いているか、お前が撃ち込まれた奇妙な弾の後遺症が出たのは確実だな。まぁ俺は前者だと思うが。」
泰月は展開した仮想ディスプレイをスクロールしながら言う
「おいおい、それって変じゃねぇのか?遼牙はここまで生きてきた中で感染してないんだぞ?それがいきなり感染しただなんておかしいじゃねぇかよ」
「ああ。普通は、感染しない者は絶対に感染しないし、感染する者は少なくとも成長期ぐらいまでには能力が発現する」
「じゃあなんで……あ、もしかして、遼牙君が受けたあの銃弾の影響ですか?」
「多分な。まぁ致死量はないものの、かなりの高濃度の感染を受けたのは間違いない。その結果、本来は感染しない者が能力に目覚めたって訳だ」
「ふーん。じゃあ今の遼牙は発現者ってことか?」
「恐らくそうだろう。まぁ俺の持っている知識じゃどんな能力なのか見当もつかないが、遼牙はなにか思い当たる能力あるか?」
「んー……形容変質とか変身能力しか思い浮かばないですね」
「そうか。まぁ、時機に分かるだろ」
「ねぇ、形容変質と変身能力ってどう違うの?」
シャイナに買ってきてもらったオレンジジュースを飲みながら、暇を持て余していた瀬奈が聞く。
「変身能力は見た目を変えるだけの能力なんだけど、形容変質は見た目に加え性質も変化させることができるんだ」
「へぇ。じゃあ変身能力の強化版が形容変質ってこと?」
「まぁそんなところかな。まぁ厳密には違うものだけど」
遼牙は口頭では細かい説明は省き簡単な説明をすると、瀬奈は納得いったように何度か相槌を打つ。
「なぁ、その林檎食べていいか?腹減っちゃってさ」
遼牙はシャイナが持っているバスケットを指差す。
「あ、いいですよ」
シャイナはバスケットをベットに寝ている遼牙に差し出す
「っん?……え?……ちょっ……」
「どうしましたか?」
「いや……体が動かないんだけど……」
「え?」
ガチャ
「やっほー銀月。ひっさしぶりだねー」
全くの不意打ちで入ってきたのは茶髪のショートヘアーの女性だった。
「えっと、どちら様ですか?」




