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7-2・ちゃちゃっと魔力で片づけられない事件

 聖剣の行方がわからなくなったらしい。


「これは……事件だな」と、ミロクは、生徒会副会長からの連絡を受けて言った。


「やっぱりモリワキ団の?」と、クルミは聞いたけど、そんな見え見えの悪いことはしない、というのがミロクの答えだった。


「つまり、事件の責任をぼくたちに押しつけようとしてるみたいな?」と、ミナセ。


「なんであんなもん必要になるんだよ、ただの聖的嗜好がマイナーなだけの、ありふれたまがいものの剣じゃないか」と、おれは疑問に思った。


「うちの学校ときょうだい校になっているところが3つあって、生徒会長引き継ぎの儀式に使うんだ。各校の代表が集まって、儀式のある学校に行く。4校ともそのために儀式はずらしてあるんだけど、4神の旗だけあって剣がついていないと大変問題になる」


 姉妹校じゃなくてきょうだい校なんだな。


「だったらもうこの機会に、聖剣使うのどの学校もやめてしまえば。うちの王国では邪教に類するものはずいぶん前の王がまとめて処分しましたので」と、クルミは言った。


 しかしそれでは、邪教の暗黒化がすすむだけなので、古代ギリシャ・ローマや仏教などでは、無理やりゼウスやブッダと関係ある神にしてたんだっけ。


「誰が保管しているかは、関係者に確認してある。私がガンダルフ生徒会長に渡したあと、一番持ってても邪心に乱されなさそうな子が儀式の日まで預かってるはずなんだ、ほら、私たちも知ってるメイコね」


 ガンダルフ会長って、それは仮の名前だろうけど……メイコって誰?


「わかりました! わたしのメイド長……友だちですね。ほら、ウルフも会ったことあるじゃん、同じクラスで、くりくりっとした感じの」


 あー、登校拒否で苦労して、ゴーレムまで作ったコミーの、中学時代からの友だちね。


 昔の名前は、メイ、だったっけ……ヒツジガメイ、じゃないよね、そんな名前のヒトは実在しないだろうから。


「生徒会全員で、メイコが保管していそうなところを、自宅まで含めて捜索したんだけど、見つからないということでね。ちゃちゃっと魔力で探せよ、と副会長は言うんだ」


 なんとかしてくださいお願いします、ではないとは舐められたもんやね、とミドリは困った。


「聖的・霊的なものは、自分の魔力レーダーで察知できるんだけど、あの聖剣はまだ本当の力に目覚めていないから、うまく見つけられないのよね。そうと知ってたら、マジック不審者……不審物マークしといて、広範囲に逃げても大丈夫にしておいたんだけど」


「聖器を使って、女子をかたっぱしにニンシン…シンジャにしちゃうってことはあるかな」と、ミナセは聞いたけど、まだたぶん童貞だからそんなにうまくいかないと思うよ、とミドリは答えた。


 なにがうまくいかないかは、R18指定ではないから言えない。


「わたし、そういうことに関しては心当たりがあります。魔王を倒して、聖剣を火山の火口へ投げ捨てるのです」と、クルミは言った。


「魔王の城……魔王城ってどこにあるの?」


「えーと……北? 西? 東? とにかく、どっかです!」


 いろいろなエタり系物語には、魔王城はあちこちにあるらしい。


 あんまり南のほうにはいない感じなんだな。


「そういえば、今、メイは北海道旅行をしているとのことで、いろいろ画像を送ってもらってます。リモート学習もやってるそうで」


 1年生の新学期最初の試験は無事に終わって、春のサクラその他の花を楽しんでいる、とのことである。


 しかし、ひとり旅派なんだな、メイコって。


 北海道に城なんかあったのか、五稜郭・松前城、それにワイン城ならしっているけど、ネットで検索したら「チャシ群跡」という、アイヌの遺跡もあるらしい。


「で、戻ってくるのはいつ?」


「明日の朝、と聞き及んでおります」と、クルミ。


「生徒会の儀式は?」


「明日の放課後」と、ミロク。


 生徒会、万策尽きすぎ!


 アニメだったら11回目の放映が「今までのまとめ・総集編」になるレベルである。


「……聖剣のゴーレム、作れる? 聖液はけっこう残ってるだろ!」と、おれはミドリに、無駄かもしれないと思いながら聞いてみた。


「いざとなったらそうするしかないのよね。うーん……金属性のゴーレムは……自信がない……」


 やはり。


 明日の朝も早起きしないといけないようである。

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