表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/90

3-8・まずひとつの鍵が見つかる

 ワタルが見つけたいいものは、以下の4つだった。


 寝室から、枕カバー。


 お手洗いから、ハンドタオル。


 シューズボックスから、冬用の靴とスリッパ。


「鍵を見つけるには、普通の探偵はどこで落としたかとか、覚えていそうにないことを聞くのだが、われわれは手がかりとなるようなものがあればいいのだ」と、ワタルは4つの持ち物の匂いを、自分と協力者であるクロネコで確認した。


「くっさーっ! やっぱ靴はあかんわ!」と、ワタルは言い、クロネコも同意するようにうなずいた。


「足で家の鍵開けるってこともないだろうから、タオルをあげよう」と、ワタルはクロネコの首に軽く巻きつけると、クロネコは、にゃん、と片手を挙げて敬礼をして出ていった。


 ここまでの行為は、すべて家主のアカネの許可は出ていない。


「心配せんでも、自分らにまかせれば5分ぐらいで見つかると思うんよ」とミドリは言って、勝手に持っていた携帯端末を広げて学校の勉強をはじめた。


 そして、そこにおれたちがお邪魔した、という次第である。


     *


 アカネのマンションは、独身女性にしてはやや広めではあったけれども、高校生4人と探偵2人の来客は多すぎたかもしれない。


 探偵の一人、無口なクロサは勝手に冷蔵庫を開け、中のものをクロキに見せながら相談をしている。


 どうやら賞味期限・消費期限切れのものの分類をしているらしい。


 クロキは、クロサが手にしたものを、首を縦横に振って確認し、ビニール袋に入れていった。


 これらは証拠物件です、と、クロキは言うけれど、この調子だと、アカネの下着ケースまで調査されかねない。


 困った顔してるだけではなくて、家主からちゃんと抗議しろよ、と、おれは思った。


 別に、事件の容疑者じゃないんだから。


 それからしばらくして、ワタルが帰ってきた。


 どういうわけか知らないけど、髪の毛がぼさぼさで、ところどころ血のようなものが流れたあとがある。


 だ、大丈夫か、とおれは心配したけれど、異世界人のふたりはそんなに驚いてはいなかった。


 こういうことはモンスター狩りではよくあることなのね、とミドリは言って、一番安い治癒魔法をワタルに使ったら、やや小汚いところは残ったけど、手足や頭の傷は治った。


 ほら、と、ワタルが放り投げた、銀色に光る小さな金属製の物体を、ミドリは片手で受け取って、アカネに渡した。


 なんか、カラスが昼間、お宝だと思って自分の巣のところに持っていったとのことだ、と、ワタルは説明した。


「ぴかぴかの500円硬貨と替えてもらったんで、その分補填して」と、ワタルは言い、アカネはそれほどピカピカでない500円硬貨を渡した。


「顔なじみのカラスでよかった。あと、予備の鍵を家の近くに隠しておくなら、伏せた植木鉢の中にでも入れておいて、カラスに見つからないようにするといい」


「よーし、ご苦労さまなのね。しかし、あとひとつの鍵も探さないといけないけど、それは自分の能力でやってみるのね」と、ミドリは言った。


 ……あとひとつの鍵?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ