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第九話戦闘・白金の神翔臨

     


    長渡視点


 《ん……頭痛てー》


ハンマーで頭を殴られたような痛みが俺の頭を走っていた


 《ってかなんか全身違和感があるような……ってなんだこりゃ!》


声にもなんか違和感があると思ったらマイク越しの声だったんだ!ってか良く見たら体全身がロボットになっていた


 《あーそう言えばこいつに乗ったんだったな》


んで俺の意識はこの機体に憑依した訳か……不思議な技術があったものだ


 《んでこいつの名前って何だろ?》


動き方の方法機体情報集中しろ…………おお!意識で操作できるって聞いてたからもしかしたらって思ったけど、意識して機体に情報くれって思えば引きずり出せた……これ便利だな~


 《ってそんな事やってる場合じゃない!とっとと魔物殲滅しなきゃ!》


先程引きずり出した情報の中から基本操作を読み取り、即効で覚える……今気付いたけどこの機体のスペック恐ろしく高い、空飛べるし


 《よし!ル・スィエル展開!》


背中の白金の翼を広げる……すっげーよく動く!


 《クラルテ召喚!》


この機体特有の能力の一つ『月の狭間』に収納されている弓を取り出し、左手に持つ……これもかなり綺麗な造りをしており、装飾を一切つけていないがこの機体同様神々しさと美しさを兼ね備えている


 《矢の生成……照準は生命樹の根元で出来る限り生命反応のない場所に》


光が収束し、一本の矢を生む


 《女神の首飾りによる自動補正の許可》


 (了解しました自動補正を開始誤差を0,001%まで削減)


月姫のネックレスはこの機体に搭載されているAIらしく胸部の膨らみの中にはこいつが搭載されているらしい……絶対製作者の趣味だろうけど


 《クレルドゥ……》


光を集めて創られた矢を弦に会わせ、限界まで引き


 《リュンヌ!》


ズドオオオオオオオン!!


一線の流星が放たれ、生命樹を貫き、空とここを繋げた


 《飛翔!》


大きく開いた翼を羽ばたかせ空を目指した


(生命反応無数入り口を塞いでいる模様)


空へ飛び出そうと先程の一撃で作った道から出ようとすると出口を塞ぐかの様に無数の魔物が群がってきた!


 《ルフェール召喚》


『月の狭間』から一振りの無骨な幅広の大剣を呼び出し


 《おりゃああ!》


ヴォン!


突風が発生するほどの質量を誇る大剣で入り口付近に群がっていた魔物達をなぎ払う!

なぎ払いにより発生した突風に飛ばされた魔物がいれば不幸にも大剣の餌食になり痛覚が反応する前に死滅した魔物もいたが、そんなことは気に求めず白金の機体は大空へ開放された!


 《クラルテへ武装変更》


ルフェールを『月の狭間』へ帰してクラルテに持ち替え、光を収束し三本の矢を創る。

地上から、しかも接近戦しか出来ない魔物達では俺に攻撃する事は不可能であり、今から始まるのは一方的な殲滅戦だ


 《リュンヌ・ドゥ・ニュイ》


呪文を唱えて光の収束して創られた三本の矢を弦に合わせ、弦が切れるのじゃないかと思う位引き


 《……ッ!》


放つ!


ヒュン!


放たれた三本の矢は其処から更に拡散し


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!


無数の光の雨となり魔物達を貫いた!


 「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」


 「ギュオオオオオ!!」


 「ギュ!」


 「ジェ!」


大量の断末魔を聞く羽目になるがそれ以上に厄介な物が視界に入ってきた!


 《ドラゴンか》


全長30mは優に超えるのではないかと思う巨体を持つ魔物、ドラゴンが飛んできた


 《退いてくれないか?俺はお前等が退いてくれればそれだけでいいから》


 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


口から炎を漏らしながら咆哮をあげる……知能あると思ったんだけどな~


 《なら仕方がないな……死ね》


クラルテを無言で『月の狭間』へ格納しルフェールを取り出し構える……実はクラルテには使用回数が合ったりする……夜だと無制限にぶっ放せるんだけど月の光を浴びれない昼だと使用制限が掛かると言う弱点があり、ただ今昼真っ只中な為節約を兼ねてルフェールで対応する


 《行くぞ!》


一段と強く翼を羽ばたかせ、高速でドラゴンの懐へ入り込み


 《りゃああああ!》


型もくそもない袈裟切りをドラゴンの首目掛けて放つ!


 「ガアアアアアアアアアアア!!」


ガキン!


だがドラゴンも負けておらず片手の長く鋭い爪で剣を防ぎ


 「ボアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


ボシュウウウウ!!


口から高熱の火炎を噴き出す!俗に言うドラゴンブレスである


 《くっ!》


強く翼を羽ばたかせ後退する!


 《もう一度!》


今度は先程とは比べ物にもならない程の速度で加速し


 《おりゃあああ!》


ドラゴンが反応する前にその頭部をルフェールで貫いた!


 《……ドラゴンって結構弱いんだな》


呆気なく死に、墜落するドラゴンの死体を眺めながら血塗られたルフェールを握り白金の機体は呟いた


 《殲滅しに戻るか》


その後魔物が撤退を開始するのにそう時間は掛からなかった


……………………………………………………………………………


   長渡視点


疲れた


 「あ~疲れた」


精神的にも肉体的にも疲れた……ついでに今俺はコックピット内にいる、機体との接続を解除してゆっくりと体と頭を休めている


 「それにしてもハイスペック過ぎるだろこいつは」


全体重を席に預ける……あ、やばい


 「すっげー眠い」


機体は戦闘終了と同時に世界樹の根っこ辺りに着地させている、世界樹に付いていた炎は何時の間にか誰かが消火していてくれてた様だ


 「一応念の為にオラクルキーは抜いておくか」


肘掛に刺さっているディープブルーに変色したオラクルキーを抜いて、ポケットに入れておく


 「んじゃ寝よ」


体を寝やすい体勢に変え瞼を閉じた


 「って寝かせると思っているのですか?」


プスッ


…………フィネ


 「痛い……ってか痛てエエエエエエエエエエエ!!」


針を首に刺すな!下手したら死ぬぞ!


 「安心してください、其処は刺しても傷しか出来ないような安全地帯なので」


いやそういう意味じゃなくてだな……あーもういいや


 「ってか何でお前がここにいるんだ?」


 「登ってきました」


 「いやそうじゃなくて」


 「外にはみんな集まってますよ?私はあくまでナガトさんを呼びに来ただけですし」


 「ってかなんで俺が入ってるって分かったんだよ」


 「声」


納得……一応マイク越しだったはずなんだけどな~


 「それに彼方しかこっちには向かってませんよ?姉さんがこっちに着いた時には既に魔物の死体の山が出来ていたそうですし」


 「頑張った俺頑張った」


 「はいはい分かってます」


 「でも物凄く疲れた、つー訳で俺はもう寝る」


ばっとパイロット席に凭れ掛って瞼を閉じる


 「だけどちょっとだけ皆さんに説明する為に外には出てもらいますから」


ギュウウウウウウウウウ


 「いてててて引っ張るな襟首引っ張るな!絞まる!首絞まる!呼吸困難になって死んでしまうって!」


ってか狭いコックピットで暴れるな!


 「じゃあ出て貰います」


 「誰がで「そういえば何故か此処に鋭い針がありますね」出させて貰います」


針をちらつかされたら誰でも従うと思うのは俺だけか?


 「よろしい、ではお先にどうぞ」


 「はぁついてねー」


一つため息をついて俺は重い腰上げてコックピットから出た



   自称雑魚兵士視点


魔物が撤退していく……司令官がやられたのか?


 「あ~疲れた~」


俺の周りにはざっと200程度の死体が転がっていた……頑張った!疲れたけど頑張った!


 「あ~あ、また剣研ぎ直さないとな」


刃がボロボロになった一般兵士に支給されている華麗さも神秘性も何もない剣を見ながらため息をひとつ、あーめんどくさ


 「ガアアアアアアアアアアア!!」


ザン!


 「あ~また刃毀れしやがったよ」


背後から襲い掛かってきた魔物を見向きもせず一刀の下切り捨てて、本人にとっては重大な剣の刃毀れの事を心配していた……恐るべし強さである


 「お、終わったのですか!」


 「ん?お前いたのか?」


足元を見ると頭を抱えて守りながらびくびく震えているエリート(笑)がいた……あんたも良く生き残れたな~


 「あ、あなたとても強いのね!」


 「いやいや適当に剣振ってただけだよ」


適当に剣振ってて魔物を全滅出来る訳ないだろう……などと突っ込みを入れてくれる人は誰もいない


 「ど、どうかしら?私の部下になるつもりはないかしら?今なら私の副官の地位を用意できるわ!」


顔だけ出してスカウトを行なう、色々な意味で強かだな


 「いや俺ここから動く気はないから断るよ」


 「そ、それなら」


 「後顔もっかい隠しとけ、危ないぞ」


 「え?」


言葉の意味を理解できない、っと言った顔で呆然としていると


 「グアアアアアアアアアアアア!!」


エリート(笑)に転がっていた亡骸の中からでかいミノタウロス型の魔物が雄叫びを上げながら跳び出して来た!


 「ひっ!」


雄叫びを聴いた瞬間頭を隠して、ビクビク震えだしたエリート(笑)、反射神経だけは凄いな、いや条件反射か?


 「グオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


俺を叩き潰そうとその巨大きな拳を振り上げた


 「はぁもう買いなおしたほうが良いか」


ザン!


でもその前に軽く剣を振ってミノタウロスを両断した……はぁもう買いなおそう


ドスン!


そしてまた死骸が一つ増えた


 「はぁまた財布が軽くなってしまう」


ビクビク震えるエリート(笑)を一瞥し、ため息を一つこぼす


 「はぁ、まずは食費を削るか」


とことん閉まらない締めで、セレス村防衛戦は終了した


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