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第八話襲撃激戦へ

     第八話襲撃激戦へ


 長渡視点



フィネを連れて俺は走り、走り本日二度目の全力疾走をしていた


 「はっ、はっ、旅人さんちょっと待って下さい」


 走っていると後ろからフィネが息絶え絶えになって、休む提案をしてきた


 「俺は大丈夫なんだけど…」


 「私は、大丈夫じゃ…ありません!」


言いながらも走り続ける様を見て


 「喋る体力あるから大丈夫じゃね?」


と、言ってみた所


 「……悪魔がここに居る」


おい!俺は悪魔じゃないぞ!


 「それじゃあ…魔王」


魔王って…もう突っ込むの疲れた


 「生殺しですか?」


実際に生で殺してやろうか?ってか心の声読むのやめてくれ


 「……全部口に出てましたよ?」


 「………」


 「本当に生殺しですか……」


 「…………」


 「もういいです、勝手に休ませてもらいます」


フィネは遂に不貞腐れて地面に座り込んでしまった


 「分かった分かった!少し休憩したら行くぞ!」


すると俺に背を向けて座っていたフィネは此方に振り返った。その時のフィネの顔は


 「〈ニヤッ〉」


っと言う効果音が凄く似合う黒い笑みであった


 「お前……やっぱいいや」


なんかこいつに俺遊ばれてる気がしてならないんだよな


 「気ではなく遊ばせて貰っています」


なんか絶対口に出してない筈なのに何故か心中を読まれてももう驚かないぞ!


 「まぁ顔に出てるので分かるのですけどね」


…………さいですか


 「ふぅ……さて、取り敢えずこれからどうするか話し合いませんか?」


 「その前に自己紹介だけ済ましちゃっていいか?」


 「そう言えば旅人さんの名前は聞いてませんでしたね」


 「そういえばそうだったな……俺の名前は浦蔵長渡、こっち風に言えばナガト・ウラクラ。名前の呼び方が少し変わっているのは俺の住んでいた場所の習慣だから気にしないでくれ」


 「ナガト・ウラクラですね…覚えました。では私も……私の名前はフィネ・フェアレイン。姉はフィナ・フェアレインです」


 「やっと彼女(変な意味ではありません)から開放されるんだな」


 「何のことですか?」


 「いやこっちの話だ。それよりも幾つか聞きたいことが在るんだが良いか?」


 「はい、応えられることでしたら答えます」


 「んじゃ先ず、何で俺が旅人だと分かったんだ?」


 「それはこんな偏狭の地に一人で来る人なんか研究者か旅人だけだからで、明らかに学者っぽくない上さして賢そうな顔でなかったので棚から牡丹餅式で旅人になりました」


 「成る程……それじゃ――!」


 「どうしたので――!」


どうやら俺よりも少し遅れてフィネはそれを見てしてしまった


 「生命樹が……燃えている!」


この村の人々が避難しているであろう場所である生命樹と呼ばれた巨大な樹が炎に包まれていた!


 「――っ!休憩は終了だ!行くぞ」


フィネの手を握り、半分引っ張る様に炎に包まれている生命樹を目指した






     フィナ視点


彼にフィネの事を頼んだ後私は先に避難所である村長の家を目指しました


 「あっハロルドさん!」


 「フィナちゃん、こっちだ早く!」


岩が集まって創られた体をしているハロルドさんは、大斧を肩に担ぎ、避難する人達を護衛しながら魔物たちを殲滅していた


 「ん?フィネはいないのか?」


 「フィネは朝ちょっとありまして、今旅人さんに迎えに行かせました」


 「旅人?……ああ昨日拾ってきたあの坊主の事か。あいつで大丈夫なのか?」


 「本人が行くといったので」


 「ってかあの坊主怪我してなかったか?」


 「あ………」


すっかり忘れてたけど、彼怪我人だったんだ!


 「その様子だと完璧に忘れてたな。まぁ何と言うか先生も天然と言うか何処か抜けてんなぁ~」


そうなのでしょうか?っと私が聞くとそうだよっと返事し、片手で持っている大斧で何時の間にか近づいて来ていた魔物を叩き潰した


 「っとまぁ先生此処は危ないから早くこいつ等と一緒に避難場所へ――」


っとハロルドさんが言いかけた瞬間


 〈ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!〉


大気を揺さ振る咆哮が響き渡り、同時に生命樹が、みんなが避難しているはずの村長さんの家も炎に包まれた!


 「ハロルドさん!」


 「……先生……先生の家はまだ無事でしょうか?」


 「え、ええまだ魔物が進入したとも思えませんし、家には一応フィネ特製の結界が張られてるのでそう簡単に破壊されるとも思いませんが……」


フィネは私と違い結界を初め治療魔法や錬金術等を私が師匠の下で修行している間に勉強してきたらしく、その腕は贔屓目で観なくても技術錬金局の局長をやって行けそうだった


 「それじゃここにいる奴等だけでも避難させて上げてくれないか?」


 「良いですが……ハロルドさんはどうするんですか?」


 「俺は……避難所に行って生き残りを探してくる」


 「それなら私も「先生が居なきゃ誰がこいつ等を家まで避難させるんだ!」ですが……」


ハロルドさんの後ろには避難所へ行こうとして帰ってくる人が増えていた


 「安心して下さいちゃんと俺も後から追い着きますので」


 「………分かりました。ですが絶対生きて帰って来て下さい!」


 「当たり前でっせ!」


豪快な笑みを浮かべた後、避難所を目指して走り出したハロルドさん…私も自分にできる事をしないと


 「皆さん!此処は危険なので私に着いて来て下さい!少なくても此処よりは安全な場所に移動しますので!」


早く帰ってきて下さいねハロルドさん!!










     長渡視点



俺は取り敢えず飛躍的に安全だと思うフィナの家を目指すように伝えて、別れさせた。

此処から先は足手纏いが居たらとても生き残れる様な場所じゃないと俺の勘が告げたから行かせたが、奥まで着てみると俺の勘は間違ってなかった。何故なら――


 「グォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ゛ォォォォ」


俺の目の前には30mの大きさは軽く超えるであろう大きさの怪物が居た。

その怪物は四足歩行で頭からは生命樹を串刺しに出来そうな程の長さと太さを誇る角が生えていた!


 「………マジかよ」


これはマジで列車砲か、デイビークロケット使わないと勝てないんじゃないのか?


 「だけど列車砲は人材が圧倒的足りないから使えないし、デイビークロケットは後が怖い……やばいやばいぞ!」


取り敢えずこの場から如何にか逃げて作戦を考えなきゃ…


 〈バキッ!〉


げっ!こんな所に小枝だと…!?


 「グオ?」


めっちゃでかい眼が俺を捕らえた、その眼には呆然とした俺が写っており、


 「やぁコンニチハ」


挨拶って大切だね☆


 「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」


まぁ当然魔物に挨拶してもそれは挑発にしかならず、結果


 「全速後退DA!!」


全速力で来た道を引き返す!


 「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」


 「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!あっこれ俺な」


奇声を上げながら逃げる場所を探す


 「フィナさんの家は駄目、もし魔獣が追い掛けてきたら色々めんどそうだ……いっその事生命樹の根元にでも逃げ込んでみるか?あそこなら魔物がギリギリ進入してこれ無さそうなスペースだし……おおっと!」


油断している隙に角が俺のけつをチクッと刺した


 「あぶね~油断したら即ブスッと刺されるな」


勢いを弱めずに全力疾走で村の中心地、生命樹へ向かう!

だが途中やはり騒音を聞きつけた魔物が妨害に参戦し


 「絶体絶命ってか?」


四方八方を魔物の大群に囲まれてしまった!


 「UZI」


取り敢えず手頃な武器を召喚し、戦闘体勢に入るが、状況は圧倒的に不利である


 「一点突破で行くか……もう一丁UZI」


両手に花ではなく、両手に銃を持って飛躍的に弱そうな魔物が密集している場所を見つけ


 〈ズガガガガガガガガガガガガガガガ!!〉


 〈ズガガガガガガガガガガガガガガガ!!〉


両手に持った銃が火を吹き、何十と言う魔物を一瞬で蹴散らした!


 「突破!」


っと思った瞬間


 「グオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


突破した先には元の世界の神話で登場しているミノタウロスと言う怪物とそっくりな魔物が数十体が立ち並んでいた!


 「くっ!?UZI放棄!来いAK-47!」


俺の両手に握っていた短機関銃を消し、アサルトライフルで中々の火力を誇る銃を召喚し、


 「覚悟!」


 〈ズドドドドドドドドドドド!!〉


一番近くにいたミノタウロスを蜂の巣にし、駆け抜けようとした刹那


 「ウオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」


蜂の巣にしたと思ったミノタウロスが動き出し、俺の脚を掴んだ!予想以上にミノタウロスは生命力が高いようだ


 「くそ!離せこいつ!」


蹴って蹴って蹴りまくるがミノタウロスはビクともせず、逆に少しずつ傷口を塞ぎながら立ち上がった!……化け物め


 「もう一回ってうわ!?」


もう一度蜂の巣にしてやろうと照準を合わせると同時にミノタウロスは俺の脚を掴んだまま立ち上がり、俺を宙ぶらりんにした!


 「チャンス!」


だが宙ぶらりんになったお陰であいつの真正面に向き合う状態になり、ミノタウロスの顔に照準を合わせ


 〈ズドドドドドドドドドド!!〉


弾倉内のすべての弾丸をミノタウロスに放った!


 「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」


脳まで届いたと思ったがどうやら皮膚以上に中の骨が硬かった様で相手を激情させるだけの結果になってしまった


 「ウオオオオオオオオオオオオオ!!」


 「うお!?」


怒りで激情したミノタウロスは俺を大きく振り被り


 (まさか……ぽいっと投げられる?)


そして俺の予想は当たり


 「ウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


力いっぱい俺は生命樹目掛けて投げ飛ばされた!


 「うわあああああああああああああああ!!」


強い衝撃を最後に俺の意識は飛んだ……



     フィナ視点


 「フィネ!」


私がのハロルドさんに頼まれた避難者達を家に避難させてから少し待つと、私の妹フィネが息を切らしながら帰ってきた


 「姉さん!」


私を見つけて笑顔になり駆け寄ってくるフィネ


 「フィネ……良かった無事で」


私は安堵に満ちてフィネに抱きついた


 「ごめんなさい」


 「いいわフィネが無事だったんだから」


何に対して謝っているかも解かっている


 「でも私のせいで旅人さんが……ナガトが危険な眼に!」


一言紡いでいく度にフィネの瞳から大粒の涙が零れた


 「旅人さんは?どこへ行ったの?」


 「避難所へ……何があったかを確認するって一人で」


 「!!」


 「私も着いて行こうとしたけど本気で睨まれて着いて来るなって言われて」


 「フィネいい?今から私は旅人さんを探してくるから貴女はここに居る避難者の治療を頼んだわよ」


 「私も付いて行く!」


 「駄目!もしフィネまでここから離れたら誰がここに居るみんなの治療をするの?貴女は残って……お願い」


 「…………分かった、だけど絶対ナガトと一緒に帰ってきて!」


 「分かってるわよ、それじゃ言ってくるわ」


    長渡視点


 「ッ……痛てー」


背中が特にだけどぶっちゃけ全身が凄く痛い


 「ここは……………吹っ飛ばされたんだった」


あのミノタウロス今度会ったら絶対八倍返しにしてやる


 「とは言え……どう降りるか」


今俺の体は轟々と燃えている生命樹の中腹辺りにめり込んでいる、炎はもっと上の方なので熱くなく、生命樹も丈夫な様で炎が回っても枝が落ちてくる事はなかった


 「いっそ逆転の発想で生命樹の奥にめり込んでみるか?」


飛び降りたら足ゴキ所か昔何かの映画で見た足の骨むき出し状態になると思う

ので、逆に生命樹の中まで入っていい場所に着たら地面目掛けて銃を乱射して降りる……結構無理がある作戦だけど俺ロープがないから下にここから普通に下りることも出来ない


 「んじゃイサカM-37(スラッグ弾仕様)」


何時も通りの感覚で銃を召喚し、


 「ファイア」


背中のめり込んでいた場所を重点的に撃ちまくる


 「お!なんか空洞な場所に出たぞ!」


腕が痺れて来る程撃ったあたりで生命樹の真ん中まで掘り進んだら、中が空洞になっていた


 「これは……」


俺の眼に写ったのは階段だったが、それは木製ではなく金属製の階段であり元の世界でよく見かける階段だった……なんでそれが生命樹の中にあるんだ?


 「まぁ今はありがたく使わせてもらうとするか」


一歩一歩慎重に確認しながら階段を下りていく……気付けば壁が樹ではなくなっており、金属の壁に変わり、手摺りも付けられていた


 「マジでなんだここは?」


どう考えてもこの村の人たちが造れる様な場所じゃない、もっと高度な技術がなければ……


 「超古代文明の遺産?」


考えられるとするとそれしかないよな


 「取り敢えず急いで降りよう」


慎重な歩を急ぎ足に変えて降りると、


 「制御室か?」


壁の代わりに多数のモニターが設置されている部屋があった


 「何か役に立ちそうな物を拝借していくか」


鍵が掛かっている引き出しはマカロフを召喚して鍵穴自体を壊して無理やりこじ開けて調べたが、入っていたのはどれも役に立たないものばかりだった


 「………お!これは」


いろんな報告書を書き分けていると空色の輝きを放つ鉱石で造られた鍵


 「オラクルキー……それも二つも」


持ってて損はしない物なので貰って行く……後は


 「………やっぱり電力は回ってないか」


パソコンが起動するかどうかを確認してみたが、パソコンはうんともすんとも搬送しなかった


 「……んじゃ降りるか」


この部屋にはもう用は無くなったので下に下りるのを再開した


降りる事1分延々と続いていると思った階段の終わりが漸く見えてきた


…………………………………………………………………………………………………………


長い道のりのを超えて着いた最下層部には非常に大きな扉と小さな端末が付いている部屋だった


 「開けるには端末にパスワードだろうけど……電力回っているかな?」


試しにパワーボタンを押してみると


ポワ~ン


機械的な音と共に液晶画面にパスワードと書かれた欄が現れた


 「パスワードな……ひ・ら・け・ご・ま」


元の世界のパソコンとキーボードは同じだったのでローマ字で御ふざけ気分で入力して


 「オープン」


エンターキーを押すと


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


 「……昔の人馬鹿だな」


俺の呟きは扉の開く音で押し潰され消えた。


三十秒後漸く扉は開ききったので中に入ると


 「ブレーカーはどこだ?」


暗かった、それは自分の姿が見えなくなる程暗く、壁を頼りながらブレーカーを探す


 「………お!これか?」


掴んだのは何やら握り易そうな形状をした何か


 「ん、と」


思いっきり降ろすと


バン!


一瞬で部屋には人工的な光が注がれ始め、余りに急な明るさの変わり様に少し立ち眩みし、それが治り辺りを見回してみると


 「これは……格納庫だったか」


俺の視界に入ったのは美しい白金色だった……否白金色の輝きを放つ一機の巨大なロボットであるそれはロボットと表現するべきなのだがそれは鎧に近い形状であり人工的な継ぎ目も見当たらず人の様な細い四肢は太い固定具で固定されていた


 「こいつを隠す為の生命樹だったのか?」


それは女性型の様で胸部には僅かにだが膨らみがある……製作者の趣味だと思われるが


 「まぁ乗ってみたら分かるか……丁度こいつを使えばあの魔物を殲滅する事も可能だとおもうしな」


懐から先程取ったオラクルキーを取り出し、入り口を探す


 「梯子梯子あった」


背中には梯子の他に天使を連想させる大きな翼が生えており、今は折り畳まれているが羽ばたけば飛び立てるのではないかと思わせる不思議な力を秘めている


 「随分と綺麗な機体だな……大きさからしてグレートアイアン級か?」


一切装飾は施されていないのにそれのフレームは存在するだけで神々しさと美しさを兼ね備えていた


 「ハッチは……よいしょっと」


ハッチを開けて中に入るとやはりヤングアイアン同様天井からフィンガーグローブが垂れ、液晶画面も何も付いておらず両方の肘掛に鍵穴が空いたパイロット席が存在するだけだった


 「フィンガーグローブを嵌めた後に肘掛の鍵穴にオラクルキーを差し込み」


ヤングアイアン内で呼んだマニュアルを忠実にこなしていく


 「そして後は捻るだけ…………よし!」


覚悟を決め一気に両方のオアクルキーを捻った!そして長渡の意識は強引な何かに肉体より引き抜かれた……それと同時にその白金の機体の頭部のモノアイカメラに青白い輝きが宿り、それは一段と明るい白金色の輝きを発すると動き出した

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