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第七話異世界二日目そして襲撃

    第七話異世界二日目そして襲撃


 「…知らなくも無い天井だ」


紛らわしいので簡単に言えば知っている天井だ


 「…てっきり床で寝るのかと思っていたけど」


どうやら俺は気絶している間にベッドに運ばれたらしい。でも十歳ぐらいのフィネと十六歳位の彼女(変な意味ではありませんってかいい加減名前ださせろ!)で俺を運べたのかが非常に気になる。ってか他にもフィネの姉の名前とどうして俺が旅人だと判ったのかも気になるしな…


 「まぁ取り敢えず起きるか」


と自分に言い聞かせ、ベッドより出ようとして


 「スゥスゥ」


初めて俺の下半身…正確には俺の腰に手を回して、抱きつきながら寝ているフィネに気付いた


 「全く気付かなかったぞ…ってか!」


オイオイオイオイオイオイなんで一緒に寝てるんだよ!もしお前の姉にでも見られたら…


 「あっ!」


するとドアの方向から驚きを上げる声が聞こえてき、素早くそちらを見るとフィネの姉である彼女(変な意味じゃry)がおり、俺とフィネを見比べると


 「…///」


少し顔が赤くなったと思うとそそくさ部屋より出て行った


 「………やばい」


やばいやばいやばいやばいやばい彼女(変なry)に見られた!これはやばいぞドウスル如何する!

俺は頭を抱えながらう~んと唸っていると


 「…ん」


フィネが目を覚ましかけた…やばい取り敢えず脱出方法を考えよう


1・無理矢理腕を引き剥がしてベッドより出る


2・そーっと腕を引き剥がし脱出


3・開き直って狼になってやるぜ!


4・スタンガン召喚して深い眠りにした後、落ち着いて脱出する


…取り敢えず一つずつ考えていくか。まず1、これはまぁ悪くない考えだがやっている間に起きるかも知れない為、最終手段として保留。2も1と似た様な理由で保留。3は……なんか色々駄目な気がする。4…スタンガンの代わりにメ〇ル〇アの麻酔銃の方が良いかも知れないな


 「と、言う訳で召喚!M9(サプレッサー装着済)」


すると何時の間にか俺の突き出していた右手にはメ〇ル〇アでお世話になる麻酔銃、M9が握られていた


 「そしてこれを…」


照準をフィネの頭に向けて後は引き金を引くだけだが…もし麻酔の量が多すぎてフィネが半永久的な眠りについてしまったら?そうでなくともこの銃が本当に安全なのかと断言できるのか?


 「……これ傍目からはどう見えるんだろうか?」


上半身だけ起き上がっている男が自分の腰に抱き着いている少女へごつい銃を向けている


 「…っ!駄目だやっぱり撃てない」


そして無言でM9を消すと俺は3を……ではなく1をすることにした


 「…よし!まずはそ~っと腕を」


そして腰に巻き付いている腕に触れた瞬間


 <パチ>


俺が腕に触れた瞬間フィネは目を覚まし


 「………」


自分の腕を見つめ、次いで俺の顔を見て


 「…や、やぁおはよう」


そこで俺が挨拶をしたが完璧に無視し、そして自分がどんな体勢かを理解すると


 「/////////」


見る見る顔が赤くなっていき


 「この…」


大きく右手を振りかぶると…ああ来る


 「変態!!!!!」


 〈バッチイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィン!!〉


その日、セレス村のとある医者の家の中から雷の様な音が響いたとか無いとか



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 「頬っぺたが~頬っぺたが痛い~」


 「はいはいだからこの薬を塗りましょうね~」


ただ今俺の頬には真っ赤な紅葉が出来ている。まぁ出来た経緯は上を読めば大体解るが…序にフィネは雷の様な音が出るビンタを見事に俺に決めた後薬草取りを名目にそそくさと家から出て行った


 「フィネのことが心配ですか?」


突然塗り薬を塗ってくれている彼女(ry)が俺に問い掛けて来た


 「…なんでこんなビンタしてきた奴心配してると思うんですか?」


 「質問を質問で返すのは良くありませんよ。後誤魔化さないで下さい」


ばれたか~まぁこの腹黒の人から逃げようと思うほうが馬鹿なんだけどね。

はぁと一息溜息を付き、本音を晒した


 「少しは心配ですけど、でもまぁ此処周辺に魔物が出る訳でもないでしょうし何より出て行ってまだ三時間しか経ってませんよ?心配するとしたら今誰かがこの家に駆け込んで来て『魔物が来たー!』と来たら心配しますが」


まぁそんな展開にはならないでしょうし


 「…あの~旅人さん」


すると彼女(ry)は何時の間にか薬を塗る手を止め、家の窓の外を見つめていた


 「魔物が…来ました」


 「はっ?」


 「もう一度言います…魔物が襲撃してきました」



―――――――――


















自称雑魚兵士視点


セレス村の正門


 「ふぁあ~眠」


こんにちは読者の皆様俺の名前は「そこの門兵」……


 「何でしょうかエリート殿」


クソッタレ自己紹介邪魔しやがって…俺の名前はブルレッド・イエロー三色の色が混じった名前だ。独身、職業は門兵。そして今俺に話し掛けて来ているのは帝国のお偉いさんの護衛である、自称エリートで華麗で素晴らしくて皇帝と宰相の次の次に美しい近衛兵士らしい。ぶっちゃけナルシスト


 「んん?何ですかこの私に向かってそのやる気の無さは!」


こんな変態口調だがこいつはれっきとした男だ。もしこいつが女だったら少しはやる気出たんだろうけど…あ~やっぱり出なかったかも


 「無視ですの?この私を無視するとはいい度胸ですわね」


いや無視してるんじゃなくて認識したくないだけだよ何勘違いしてんのこいつ?馬鹿なの?アホなの?チ〇毛全て引き抜いてやろうか?


 「ま!そんな下品なこと!許しませんわ…門兵あなたは今此処で殉職しなさいませ!」


そう言って腰に着けている宝石が無駄に多く装飾されている剣を抜刀し、


 「死になさい!」


斬りかかって来たが


 「……あっ!口に出てたんだ」


漸く変態が切れた理由に思い至り、スッキリとした顔で軽々と自称エリートの剣を回避した


 「よ、避けるなんて何と恥ずかしい事を!私の剣には無条件で斬られなさい!」


そう言って先程と全く同じ動きで斬りかかって来る自称馬鹿…もといエリート…だが


 「ほい」


軽い掛け声と共に俺が掛けた足払いが見事に命中し、


 「あぎゃ!」


情けない悲鳴と共にエリート(笑)は地面と熱い接吻を交わした


 「エリート(笑)と表現するべきか、自称エリートと表現するべきか悩むな」


倒れたエリート(笑)を完璧に無視し、思考の海に落ちる…だが突然

 

 「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」


大気が揺れる程の大音量での咆哮が聞こえ、すかさず其方を見ると


 「…マジかよ」


そこには百は軽く超える程の数の魔物の群れがセレス村を目指してやって来ていた…



―――――――――












長渡視点



ただ今俺はフィネを探しに全力疾走中、どうやら本当に魔物が攻めてきた様で村人全員には避難勧告が出されており、彼女も其方に向かったが


 「フィネ…何処に居んだよ!」


フィネが居ない事に気付くと彼女は即座に探しに行こうとしたが、女性一人だけで戦場と言っても過言ではない場所に送る訳にも行かず、代わりに俺がフィネを探しに行くという事で漸く彼女は避難しに、村長の…生命樹と呼ばれる木の中部辺りに建てられている家へ避難してくれた


 「はぁはぁはぁ…くそったれ何処に居るんだよ!」


速く見つけないと魔物に…そういえば薬草を取りに行くって名目で家出たんだよな…つまり


 「薬草が良く取れる場所は何処だ…」


素早く俺は右手に握っている地図を見た。この地図は彼女に半ば無理矢理渡された地図で、そのエリアの特徴などがよく書かれている。つまり薬草が良く取れる場所と書かれた場所があれば其処にフィネがいる可能性が高い!


 「何処だ…あった!お化け林の近く」


其処は俺がフィネの姉である彼女に発見された場所であり、魔物が襲撃している今最も危険と言われているエリアでもあった


 「ここから北に直進だな…よし!」


そして俺は全力で駆け出した



―――――――――














フィネ視点



今私は絶体絶命と言っても過言ではない状態にいます。何故なら私のすぐ近くに魔物が蠢いているからです。如何してこうなったかは数十分前に戻りますが…



四十分前


 「ああ恥ずかしい…」


全く持って自分の人生中一位二位を争う程の黒歴史ですよ…まさかうっかり男の人と一緒に、しかも私自身から抱き着いてしまうなんて…


 「ああ恥ずかしい…」


思い出す度に顔が紅くなるのが解ります。しかもそれを姉さんに見られるなんて…後で何と言われるのか気になります


 「…でもあの人もきっと」


所詮男性です…きっとあの人も


 「はぁ少々憂鬱気になり過ぎですね」


適当に薬草でも採って帰るとしましょう。そしてまぁ不本意ですがあの旅人さんにもちゃんと謝ってお昼を食べましょう…それにしても


 「流石に朝抜きだときついですね」


恥ずかしさの余り急いで家から出たものですから何も食べてなかったんでした…


 「そこら辺にある木の実でも採って帰って姉さんにジャムでも作って貰いましょうかね?」


でもその前に何かお腹に入れて置きたい…という訳で


 「木の実一つ食べるとしましょう」


そして何処からともなく出した赤い木の実に齧り付いた


 「う~んやっぱりシャリの実は美味しいですね」


私が食べているシャリの実とは帝国の南部に位置する此処、セレス村の特産品であり、赤い色の皮でシャキシャキした食感が特徴の果物です。しかもこれは蜂蜜漬けにしても美味であり、パイの素材にも使える万能な果物で、私もいつも二つは常備しています


 「…?何やら村の方が騒がしい様な…」


今日は祭りなどありませんし…そういえばどこかのお偉いさんが今日来るとブルさんがいってましたね。でもそれにしては騒がし過ぎる様な


 「確か此処の木から町の様子が見えましたね」


木を登りたいのですが、そういえば今日はスカートでした…


 「まぁ誰も下に居ませんし良いとしましょう」


無理矢理納得して、何度も何度も掴んだ事のある枝を掴んで登っていく


 「…今度からはもう少し運動しておきましょう」


少々厳しくなってきました…最近は家の中での仕事かしてませんでしたし、またブルさんに剣の稽古でもつけてもらうとしましょう


 「よいしょっと」


色々考えている内に上り終えることが出来、私は村の方向を見ると


 「っ!?」


黒い絨毯が村の正門まで押し寄せていた!


 「まさか…魔物!」


そうと分かればこんな場所に居てはいけませんね。直に避難場所に行かなければ


 「まずは此処から降り…」


降りようと思って下を見ると其処には


 「グッフグッフ」


 「メシ~ニンゲンウッキョウッキョ」


 「アンアンアン♪トッテモダイスキ〇〇エモン」


2m程の身長を誇り、筋肉だらけの姿をした魔物、オーガが三体徘徊していた……それよりも


 「最後の魔物自重してください…マジで」


タグにクロス物って入れなくちゃいけなくなるじゃないですか!って私は何を言ってるのでしょうか?


 「…はぁ如何しましょう」


回想終了


それから四十分間ずっと木の上で、降りられなくなった猫のように縮こまって降りるチャンスを窺っているのですが…


 「ムッチョムッチョ」


 「バッフンダバッフンダ」


 「ア~ア~↑ニホンノ~ドコカニ~ワタシヲ~マッテル~ヒトガイル~」


こんな調子で魔物は中々離れません。っというか最後の魔物絶対何かがおかしいです!日本って何処ですか!?っというよりも歌えるんですね!かなり上手いですし!


 「ですがいい加減やばくなって来ましたね…」


少しずつですが魔物たちは自慢の嗅覚で私の存在を、そうでなくても近くに人間が居ると言う事を知り、少しずつ…少しずつ私が座っている木に近づいてきました


 「精々良くて十分と言った所ですか」


十分後には私はどうなっているのでしょうか?魔物達に捕まり糧に成ってしまうのかそれとも別の事に使われるのか…


 「私が死んだら…姉さんを一人にしてしまう…それに」


こんな事になった旅人さんへの体罰も済ませていないのに死ねません!


 「……ですが」


現実とは何処までも残酷である様で、予想以上に早く


 「ニクイタ~!」


 「メシ~メシ~」


 「ソーラーヲジユウニ~トービターイナー」


魔物に発見されてしまいました


 「…姉さん」


急いで木にしがみ付き唯私は此処から助かる事を祈るだけだった


 「だれか…助けて」


枯れそうな、今にも泣いてしまいそうな声で唯祈るだけだった…そして


 「フィネエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」


私の祈りが天に届いたようです…


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――










   長渡視点



…見つけた!


 「フィネエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」


俺は喉が千切れるんじゃないかと思うほどの大声で少女の名前を呼んだ!


 「旅人さん…」


眼に薄らとだが涙を浮かべて木の一番高い枝から一つ下の一番太い枝に座っている少女は此方を見た


 「ニンゲン…エサ!メシ!タベル!」


 「ニョッホニョッホ」


 「ヌッコヌッコニシテヤンヨ!」


魔物と思わしき怪物が三体、フィネの居る木の下に集まっており、俺を認識した瞬間標的を変更し、戦闘態勢に入った!…それにしても最後の奴自重して欲しいぞ


 「…P-90」


俺が銃の名前を呟くと、何時の間にか右手にはP-90が握られていた


 「喰らえ!!」


銃口を魔物(自重しない奴)に向けると、迷わず引き金を引いた!


 〈ズガガガガガガガガガガガガガガガ!!〉


高速で銃口より吐き出された弾は無慈悲にも魔物(自重)の肉を抉り


 「ワガショウガイニイッペンノクイナシ!!」


…魔物は最後まで自重しない台詞を吐いて倒れた


 「グリャアアアアアアアアアアアアアアアアア」


 「キギュゥゥゥゥゥゥゥ」


残りの二体が俺に向かって飛び掛って来たが、横に飛んでそれを回避し


 〈チャカ〉


銃口を飛び降りて硬直状態に居る二対へ向けると


 〈ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!〉


銃口より吐き出された弾は容赦なく魔物達を貫き


 「グギャアアアアアアアアアアア」


 「ウホッ!」


断末魔を最後に魔物達は倒れ、動かなくなった…


 「……すごい」


流石に俺が此処まで戦えるとは思っても居なかった様で、フィネは驚いていた


 「まぁ伊達に旅人なんかしてないって事だよ。自分で降りられるか?」


まぁ旅人って言ってもまだ初めて一日しか経ってないけど


 「ちゃんと自分で降りられます!」


 「んじゃ速く降りてくれ。此処も安全と言う訳でもないし、血の臭いに釣られて魔物が来るかも知れないし」


 「分かってます!」


きっぱりと返事をして、フィネは見事に木の枝に飛び移りながら降りてきた


 「ふぅ…では行きましょうか」


一息つくとフィネ村の方面へ向かって走り出した


 「……俺来なくても逃げれたんじゃね?」


俺、何の為に来たんだろ?


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