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第六話うおおおお!テンション上がってきた!!あっ岩が…

  第六話うおおおお!テンション上がってきた!!あっ岩が…


  長渡視点



さて前回のコックピットより脱出し、ランダの言ったとおり南へ歩いていると林があり、其処を直進し、林を抜けると


 「おお!やっぱり異世界だな~」


俺の視界一杯に入ったのは中央に広場の様な場所があり其処に大きな樹が生えていて、その周りに石造りの家が建てられており、その姿は幻想的とも民族的とも取れる景色だった


 「さて…入り口でも探すか」


元の世界では絶対見れなかった景色を見れた所為か俺のテンションはうなぎ上りであり、その状態で町を目指して林より駆け出した……が情けないことに足元不注意で


 <グイ>


 「あ」


木の根に足を引っ掛けてそのまま頭だけが前進…つまり転んだ


 「あっ痛い痛い痛い!」


 <ガツゴツガツドカ>


 「あっ岩頭に!」


  <ドカ>


一段と大きな衝撃を頭に喰らい、そこを手で覆いながら転がり落ちる俺。そして漸く転がり終えたころには俺は


 「全身痛て~」


きっと俺は運の神様には見放されているんだ…どうせ金も持ってないし今日は野宿決定だし…はぁ異世界生活初日は野宿


 「あの~大丈夫ですか?」


すると地面とキスをする寸前の俺の背後より恐る恐るといった表情で安否の確認を聞いてくる声が聞こえた


 「あ~一応平気だ」


相手が誰か見えないが心配かけさせたら悪いからそう返答を送るが


 「でっでも岩とかに背中ぶつけてましたがそれでも大丈夫なのですか?」


凄いものにぶつかってしまったな


 「あはは多分大丈夫だよ」


実際全身悲鳴所か、泣き声を上げているけど


 「家に来ませんか?あっあの家なら簡単な応急処置は出来るので」


ってか相手の顔を見ないで会話って続くものなんだな…ん?さっきから妙に頭が重く感じるんだが…


 「あと何時までも顔を隠さないでください!」


すると先程までの声よりも若干強気な声でそう言い放ち、俺を仰向けの状態にした


 「…やあ」


とりあえず挨拶、これ大切です。今俺の視界に入ったのは肩まで伸ばした薄紫色の髪と、アメジストの様な美しい薄紫色の瞳を持つ少女だった。歳は大体15、6辺りだと思う。薄緑色のワンピースを着ており、薄茶色の布を羽衣のように腕から通しているのが印象的な服装をしている、…その彼女は俺の顔を、正確には俺のおでこ辺りを見た瞬間蒼白な顔色になった


 「…い」


 「い?」


胃か?それともべたながらの『いやー』か?


 「医者!誰か医者呼んできて!」


あっ医者か!成る程…って


 「あ~待ってください医者呼ばれても俺無一文なので治療費出せないんですが」


 「そんなの私が出します!金で人の命が救えるなら私が出します!ですから今は医者を誰か!医者を!って…そういえば私が医者でした」


その言葉の所為でかは判らないが急に緊張が抜け、そのまま俺は意識を落とした



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――















 「知らない天井だ」


何故か言っておかないといけない様な気が(略…

っとマジで此処は何処だ?と疑問を頭に浮かべながら上半身を起こす俺。どうやら誰かの家で、俺は大変失礼なことにその人のベッドを占領している様だ


 「…ああ思い出した頭を岩で打ったんだった」


そうやく気絶前の記憶が蘇り、この家が誰の物か大体検討が付いた頃


 「あっ!姉さん起きたよー!」


10歳ぐらいの腰まで伸ばした紫色の髪と紫色の瞳を持つ女の子が部屋のドアを開けて俺を見た瞬間、大声でドアの向こうの部屋へ伝えた


 「旅人さん大丈夫ですか?」


薬やら、水やらを両手に持って俺の体調の具合を確かめる少女ってkなんで俺が旅人だと分かったんだろ?


 「ああもう平気だ。ありがとう」


まぁそんな些細な疑問は頭の隅において置き、お礼をいい上半身を少女に向かせると、頭を下げる俺。…実はまだ少しだけ頭はズキズキする


 「ああ無理しないでくださいほら頭上げて、これ薬とお水です。口を開けてください」


言われたとおり頭を上げて、口を開けるとその中に、少女が薬と水を入れた…が


 「<ゴックン>俺、手が使えたんですけど…」


 「まぁサービスだと思っておいて下さい」


向日葵の様な笑顔を咲かせると


 「まだ動いちゃ駄目ですからね。後2日の辛抱ですから動かないでくださいよ」


注意だけをして少女は音を立てない様にゆっくりとドアを閉めた


 「…取り敢えず状況は把握したし、もう一回寝るか」


結構心の中でベッドを占領している事へ感謝と謝罪を述べ、俺は眠りに付いた



???視点


 「姉さん薬草切れたよ~」


今日突然私の妹が重大な事実を述べたことが始まりだった


 「おかしいわね後三日分は此処に置いていた筈なんだけど…」


最近このセレス村ではいつの間にか食料や、薬草、薬等等色々な物が何時の間にか無くなる事件が多発しています。最初はこそ泥が盗んでいるのかと思われていましたが、村長の家の食料が村長の目の前で消えるという事件が発生して以来魔法使いが関っているのではないかと言う疑惑が発生し、村人全員で探していますが、やはり原因が分からず被害だけが多発しています。そして遂に家でも薬草が盗まれるという事件が発生してしまいました


 「それじゃあフィネ、薬草採って来るから家でお留守番しててくれる?」


妹のフィネに伝えるとフィネはコクンと頭を動かし


 「分かった…姉さんいってらっしゃい」


 「行って来ます」


もし、この日この時に薬草が切れていなかったら私は彼とは出会わなかったでしょう。まぁ出会い方はあれだったけど…


 「これと、これで…よしこれぐらいでいっか」


バスケット八分位に薬草が入った為、薬草採取を終了した


 「それにしてもいい天気だわ~後でフィネと一緒にピクニックにでも来ようかしら?」


まぁそうなれば持って来るご飯を速効で作らないといけないんだけど…


 「ちょっと位なら寝てもいいかな?」


誰とも居ないのに確認を取り横になり、少し目を閉じた…


――――――二時間後


寝てしまったあああああああああああああああああああ


 「ああ寝てしまったうっかり『横になろうかしら?』なんて考えるんじゃなかった~」


後悔が後先立たないよ~


 「はっ!急いで帰らないとフィネのご飯が…ん?」


私の視線の先にはお化けが出ると言われていた林から出てきた一人の少年だった。歳は私と同じ位かな?って凄く目を輝かせてるし…そんなに珍しいのかな?生命樹の周りに家を建てるのが…って今にも走り出しそうな構えになってる…


 「あ」


片足木の根っこに引っ掛けて転んだ…って岩岩岩がある!あっーぶつかった!今頭にぶつかった!あっ目の前に落ちてきた


 「…とりあえず」


声を掛けてみるとしましょ…生きてたらそのまま家に、死んでたら生命樹の下に埋めるとして


 「あの~大丈夫ですか?」


その時の声が自分のものとは思えない程、声は弱気だったのが自分でも驚いていた…



長渡視点


寝ると言ってから大体二時間ぐらい経った今、俺は目を覚ました


 「ふぁ~よく寝た~」


寝起きの所為か頭がぼんやりとする


 「とりえず起きるとするか」


そしてベッドから起きようとして、一瞬視界に外の景色が入り


 「もう夜か」


初めて今の時間帯に気付いた…すると


 <キュク~>


あ~腹が泣き声を上げてるぜ~


 「飯…どうしよ」


そう考えると最後に口に入れたのは元の世界で姉ちゃんが作ったマーボ豆腐なんだよな…姉ちゃんら元気にしてるかな?…まぁ俺が居なくてもやって行けるだろ


 「それよりも目先の問題に…」


ただ今非常に腹が減った状態で、あと一時間何も食べない状態が続いたら空腹のその先にある『何も感じないぜヒャッハ~!』の状態になる。あれは辛い、何も感じないけど全く力が出なくなって最終的に何か腹に入れようとすると腹が痛くなって…


 「あっ起きたんですか!丁度よかったです、晩御飯出来たので一緒に食べませんか?」


思考の海に浸っていると寝る前に見た紫色の髪を持つ少女がドアを開けて此方を見ていた


 「晩…ご飯?」


恐る恐る俺が聞いてみると


 「はい、丁度今日が沈んで薄闇の時刻になったので」


薄闇の時刻とは元の世界で言う七時から八時までの間のことを指す。序のこの先の八時から明け方まではすべて常闇の時刻と呼ばれている…閑話休題


 「一緒に食べてもいいのか?」


ってかなんで此処まで優しく出来るんだ?…あっ!俺が金持ってそうだからか?


 「勿論です。それに食事を取らなきゃ傷は治りませんよ?さ、こっちです」


そういいその小さな手で、俺の手を握り、案内してくれた


 「だ、だが俺は何も返せないぞ?金も無いし、大体治療費も渡せないのにその上晩御飯まで」


そう言うと少女は動かしていた足を止め、此方に振り向いた


 「別に見返りなんか求めていません。大体姉も私も元よりそんな物期待していませんし、姉から聞いてませんでしたか?『治療費は此方が払う』って」


 「………あ~もしかしてその姉って緑色のワンピースを着ていて、薄紫色の髪を肩まで伸ばしている女性だったら」


 「はい!それ私の姉です」


まぁ容姿見たら分かるけどね


 「私の姉はこの町で四人しか居ない医者の一人で、医賢者と呼ばれた人を師に持ち、大概の難病や怪我、不治の病を治せる様になった名医なんです!しかもその類稀な美貌に引き寄せられる男性も少なくなく村長の孫にも告白されたことがあるんです!しかも」


 「あーもう凄いこと分かったからそれぐらいでいいよ」


すごい人物だと言うことは分かった。…ってか凄すぎるだろ


 「そうですか?」


 「ああ…でも…それでも何で俺の様な、何も返す事が出来ない俺に此処まで…」


すると少女はムッとした顔になり


 「理由は姉に聞いて下さい」


プイっと云う効果音が似合う仕草をし、少女は俺の手をちゃんと引っ張り姉がいるであろう部屋に入った


部屋は木製の椅子とテーブルがあり、椅子は四つ存在しその一つに薄紫色の髪の毛を持つ女性が座っていた


「あらフィネどうしたの?そんな怖い顔して」


薄紫色の髪の毛を持つ女性は俺の手を引っ張ってきた少女、フィネに笑顔で質問した。フィネの顔見るのが怖くなってきた…


 「姉さんこの人が何で自分なんかを助けたか聞きたいんだって」


 「えっ旅人さん本当ですか?」


マジマジとそのクリッとした目で見つめてくる彼女(変な意味ではありません)。その目を見てしまい少々言い淀む俺


 「え、ええまぁなんで無償で俺なんかを助けたんだろうかな~なんて思ってまして」


すると彼女(変なry)は妹同様今にも怒り出しそうな顔になり、その口から理由が明かされた


 「私は…自分の目の前で助けられる命があれば助けるだけで、あなたも唯目の前で死に掛けて居たので助けただけです」


 「でもなんで無償なんですか!?何か要求してください!お金なんかは有りませんけどせめて何か恩返しさせて下さい!」


 「ですから私は勝手にあなたを助けただけで、あなたに感謝される覚えもありませんし、今から一緒に食べようと思っている晩御飯も…少々作り過ぎただけです」


少しだけだが彼女(変ry)の頬が赤くなった様に見えたのは気のせいだろうな。それでも


 「それに!」


するとまた此方を睨むように見てきた彼女(へry)。だがそれは責めるような視線でも、ましてや怒るような視線ではなく、心配するかのような目だった


 「自分を俺なんか等と蔑まないで下さい」


俺はいつも間にか昔の悪い癖が出てたようだ…人の純粋な厚意を信用出来ず、そしてそんな自分が大嫌いになっていた時期…

すると睨んでいた彼女の視線は解け、優しい目になり


 「さっ一緒に晩御飯食べましょ!」


そう言って彼女は自分の皿に乗せている料理を食べていった

 

 「ほら旅人さんもフィネも座って」


彼女に急かされ一応席に座る俺…だが


 「ふ~んやっぱり姉さんの隣に座るんですね。全く男ってこれだから」


堂々と軽蔑の視線を俺に送ってくるフィネ。いやそうは言ってもあんたの隣に座ったらそれはそれで何か言われそうなのですが!?っと言う言葉を乗せた視線をフィネに送る


 「なら床に座ればいいじゃないですか?」


悪魔じゃ~ここに悪魔が居るぞ~二時間前の天子が悪魔に化けたぞ


 「ふっ天使なんか元々居なかったんですよ」


何やら危ないような気がしないでもない台詞を吐くフィネ


 「二人共仲が良いわね」


生暖かい目で俺とフィネを観る彼女(ry)。おまっ


 「姉さん!そんな訳無いじゃないですか!大体あって一日も立ってないこんな奴と仲が良い訳が有りません」


 「そうだそうだ!大体俺はこんな鍋の蓋と仲良くなっても嬉しくも何とも無いぞ?」


すると彼女は俺の言葉のどこかに引っ掛ったようで


 「鍋の蓋?…<チラッ>」


横目でフィネと自分のある場所を見比べ


 「ふ~ん旅人さんって結構あれだね」


彼女はある場所を強調するかの様に腕を組んでそこを押し上げた


 「…ぃ」


その仕草を見て急にフィネは視線を落とし、俺からは顔が見えない様にした


 「ん?」


どんどん濃くなっていく怒気に俺はなにやら生命の危機を感知し、怒気の中心源フィネをみた


 「…ぇ…ぃ…」


なぜかフィネの背後に阿修羅が見えたと思ったら


 「旅人さんの…変態!」


光速と言っても過言ではないのだろうかと疑う速度で放たれた拳が何の迷いも無く俺の腹へ直撃し、


 「ぐえっ」


潰れた蛙の様な声を上げやられた腹を押さえながら俺は意識を落とした


 「ふん」


俺が最後に見たのは…怒ったといった顔で鼻息を立てたフィネと、その後ろで黒い笑顔を浮かべている彼女(ry)だった…



7月14日修正

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