第五話旅人はこの世界では伝説の職業なんだぜ!
第五話旅人はこの世界では伝説の職業なんだぜ!
「槍兵の皆さんが撤退してから少し気になる事が出来た為、再度ロボット、ヤングアイアンの今度は人が入っている奴の中にお邪魔したいと思います…誰に言ってるんだろ?」
でも言っておかないといけないいけない気がしたんだが何故だ?…まぁいっか
「さてっと…どの機体に侵入しようか」
レッド1は動力部分がある筈の腹部を大破していて、レッド2はゴールデンボールを吹き飛ばされていて、レッド3は左肩を大破して+レッド1と同じ部分も大破している…
「レッド2のコックピットへレッツゴー!」
明らかに損傷が一番少ないのレッド2じゃん!
「レッド2の機体もし起動可能なら拝借してもいいよな?」
多分俺の目は今キラキラ光っていると思う。そして前回は気付かなかった梯子を発見し楽々とコックピットハッチの前に着いたが…
「どうやって入ろうか?」
もし中の人が起きていたらちょっと面倒だし…とりあえず
「スタンガン!」
一か八かで叫ぶといつの間にか俺の右手にはスタンガンが握られていた
「…名前にガンや銃がついてたら召喚できるのか?」
やっぱりよく解らない能力だなこれって
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「よっと」
コックピット内に到着ぅ~ただ今の立ち位置はレッド2の座っているであろうパイロット席の後ろ。結構コックピット内は予想よりも平均的な身長を持つ人三人ぐらいなら入れそうな広さがある。あっ平均的って大体171cm辺りだけどね
「へぇ~ヘルメットは被るんだ」
レッド2は鎖と鎖をつなぎ合わせて造られた鎖帷子と鉄で造られたであろうヘルメット(見た目はモン〇ターハン〇ーのレザーライトヘルムでおk)を被り、パイロット席に凭れ掛かっている…何故か両手は天井から吊るされたフィンガーグローブを嵌めており、しかも何故か両手で金の〇〇を抑えていた
「さてマニュアルマニュアルっと有った有った」
前回発見できなかったこの機体についてのマニュアル発見ナニナニ?
『ヘラニクス帝国技術開発局製造第二世代ヤングアイアン『ラプター』
全長8m
総重量(武装無)20t
最大歩行速度時速180km
装備可能武装ナイフ・ソード・クレイモア・トマホーク・対巨用試作魔力砲
使用動力オラクル魔力・各自の保有するオラクルキーを肘掛に付いている鍵穴に差し込み捻るだけ。要注意フィンガーグローブをちゃんとつけてから鍵は捻りましょう…我がヘラニクス帝国の誇る最新鋭のヤングアイアン。操作方法は前世代と変わらずフィンガーグローブ式だがピースレス共和国の機体と互角の機動力!そしてニューライト王国と同等の汎用性を獲得した機体であるがコストと整備性は前世代の『イーグル』よりも悪くさらに機動力を確保したが通常のパイロットでは最大速度での戦闘が不可能などの欠点が上げられる。元々平均速度は時速60kmなのに皇帝ときたらやれ速度が無いと愚痴ったり武装が貧弱だと愚痴ったりそれでも技術錬金局の局長なのかと皮肉を飛ばしてきたり…とっとと天寿全うしちまえば良いのに…「おいおい忠誠心無いな局長」武装は基本装備のナイフ二本から始まり140cmツーハンドソードを一振り、3mクレイモア、30tトマホーク、対巨用試作魔力砲が装備可能。対巨用試作魔力砲は中央開発局のみしか生産していない為必要な場合は砦や、基地で申請されたし…』
「結構高性能なんだなこの機体レッド2…いやランダだったっけ?」
するとパイロット席に凭れ掛かっていた人物、レッド2ランダは目を開け、俺を睨んできた
「何時…俺が目を覚ましたことに気付いた?」
「マニュアル読み始めたときから視線感じて、なんとなく鎌掛けただけなんだけどな」
一応襲い掛かっていたらスタンガンで迎撃できるようにしておき
「まんまと掛ってしまった訳か」
「ま、そういうこと…所で聞きたいんだが」
「敵と喋る口など無い」
…あの~
「あなたさっきまで誰と喋ってましたっけ?」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………『敵と喋る口など無い』…ぷっ」
やばいこれ以上堪えたら腹痛くなるかも
「うっうるさい!あっあれは」
「敵と喋る口など無い…あっはははははははははあっはあはははははやばい腹痛て~あっははははははははははは」
「わ、笑うなと言うか笑わないでください忘れてくれ~(涙)」
「あっはははははははははははははははははははははははははははははあっははあはははははははっははっははっは腹が痛い…っ」
~しばらくお待ちください~
「あ~笑った笑った」
あんなに笑ったのは何時振りだろ?
「くそぅ恥ずかしすぎる」
「ランダ」
「な、もういいや…なんだ」
あっ諦めた…まぁいいやそっちの方が都合良いし
「今から俺が聞くこと全てとはいかなくても良いから教えてくれないか?」
「機密事項に関わる事を敵に漏らす位なら死んだ方がマシだ」
「あ~俺別に敵国のスパイとかでもないんだけど…」
「嘘をつくな!」
「いや嘘じゃねえし俺旅人だし」
「旅人?まさかあの伝説の職業!このご時世魔物に追われ、戦争に巻き込まれる可能性のあるこの世界で滅多に居ないとされる最早伝説と化した職業旅人!おおまさかまだやっている人が居たなんて…いいだろうその言葉通りなら機密事項以外のことなら話してやる」
旅人って言葉だけで一気に対応変わったな。ってか伝説ってまぁ都合いいからそうさせて貰うとして
「んじゃまず…」
―――――――――10分経過
「成る程」
とりあえずメモの確認っとまず大陸の名前は『ニューガルド』この世界は魔法と科学と錬金が発達した世界だが、発達の方法が中途半端で科学の場合大砲は作れるのに対人用の銃が造れていなかったり、戦車の様な戦闘車両は造れていないのに、浮遊戦艦や浮遊空母、二足歩行戦術装甲通称『アイアンアーマー』が完成していたり…まぁこちらはかつて存在した超古代文明の遺産の発掘のお陰で造れる様になったんだがまぁそれは追々…次にこの大陸に存在する国は総てで五国存在し、此処『ヘラニクス帝国』は現在最も軍事力のある国だけど、人種差別や奴隷、男女差別なんかがある古い国。
次にもっとも技術が発達した国『ニューライト王国』其処は女王が統治している国で軍事力は第二位って所で、量より質な国。帝国では人種差別の対象である獣人やエルフがノーマル(コチラの世界での人間の呼び方)と手を取り合って建国し、差別が殆ど無いが奴隷は法律では禁止しているがやはり裏では行われている。ついでに此処が世界で始めに超古代文明の遺産を発見した国でもあり今乗っているヤングアイアンよりも強力な二足歩行型戦術装甲通称『グレートアイアン』の開発が最も進んでいる。
そして次に…余り行きたくない国『パルヴィン教国』名前の通り教皇が統治している国で、かつて魔物の勢力が強く、人々が絶望に囚われている時に初代教皇が人々にヒドリン神の教えを授け、人々に希望と勇気と力を与え回り、その後安定した情勢になるとその当時のヘラニクス皇帝より土地を渡され、そこに大きな教会を立てたのが始まり、二代目の教皇が独立宣言をした。ここは専ら防衛に特化している国だが、その本領は各国に忍び込んでいる暗殺部隊である。教国が暗殺…まぁ其処はおいて置きその為現皇帝も迂闊に教国に攻め込めない状態だったりする。ついでに現教皇は完璧に私腹を肥やす事に熱中するような人物だ。簡単に言えば賄賂賄賂、貴族貴族な世界と化している…初代教皇が見たら泣くんじゃないかと思う国。人種差別が最も酷く奴隷なんかそこら辺に居る上、街道で堂々と奴隷商人が構えている等結構酷い。ついでにこの国のみ超古代文明の遺産を確保できていなかったりするがアイアンアーマーの技術はニューライトより多額な費用で一部確保できた(といっても買えたのは一番劣悪とされる第一世代のゴブリンというグレートアイアンらしいが)。
次に中立を構えている商業国家『ヴァンレイク商業国家』。これもヘラニクスから独立した国だけど、この国の場合商業連合が反乱を起こして独立した。その当時税金が重過ぎて、商人達も余りの税金の重さに耐えられず、一人の商人が国に訴えた所その商人の首だけが帰ってき、これにぶち切れた商業連合が仲間を集め反乱を起こし、見事自由を勝ち取った。ついでにこの後その時代の皇帝はどっかの国の神父様に暗殺された。何故神父かと判明したかはその皇帝は心臓を綺麗に貫かれており、死体の横に血で書かれた十字があった為、せめてもの慈悲として主神の身元に逝ける様にと言う意味で書かれたと当時の人々は推測し、現在でもその考えは変わらなかったし、事実教国には優秀な暗殺部隊が居るので当時の教皇が命令したと推測される。ついでにこの国は偶然超古代文明の遺産封印場所の真上に首都があり、世界で発掘競争が行われた際当時の首領が笑いながら地面を掘って、遺産を発掘したのは逸話として知られている。商売になるものは何でも扱っており情報、奴隷など総てそろっている。ついでに最近民間企業にアイアンアーマーの技術をうっかり流してしまい、その所為で対魔物用ギルドという物が産まれてしまった。
最後に6年前に魔族が統治している魔国に単機、何処から発掘したかは知らないが超古代文明の遺産、伝説のグレートアイアン『スサノオ』を使い、魔族と魔物を追い払うと言う一騎闘億といっても過言ではない行為を行い、その土地で建国宣言された国『ピースレス共和国』。統治している王の名前が何故か帝国には伝わっていないがどうやらその国は実力さえあれば上を目指すことが出来、差別や奴隷が法律で禁止されている。選挙制の国だが、建国6年今だ王に変化はない様だ。軍事力は建国間もない所為か、ヘラニクスの十分の一程度しか保有していないが、ニューライトと同盟を結んでおり帝国や他の国は中々手が出せない状態であったりする。
「もういいのか?」
「ああ」
歴史のことに関しては今はこんなところ十分だ。それよりも
「グレートアイアンにヤングアイアンで勝つことは出来るのか?」
頭が痛くなるような歴史では趣味には勝てない
「う~ん…マニュアルで見た対巨用兵器あるだろ?」
「ああ確か正式名称が対巨用試作魔力砲だっけ?」
「ああ、あれを使えばいけるかも知れないが何せOFがあるからな」
「あ~」
「説明するからメモってくれ」
「りょーかい」
―――――――――説明中
「大体こんな感じだ。序にオラクルと名付けられたのは始めてその鉱石が発掘されたのが神託を受ける神殿からだったからであって別に他の意味は無いそうだ」
「ほおほお」
メモメモっとえ~っとメモの確認
・OFとはオラクルフィールドの省略であり、けっしてオービタルフレームではない。
・アイアンアーマーの操作方法はいたって単純で、万人誰にでも扱える。まず、フィンガーグローブを嵌める、これが実は重要でこのフィンガーグローブは機体とリンクする為の装置であり此処経由で脳から送られる電気信号を受信し操作すると言うなんかめちゃくちゃな為簡単に言えば機体を操作している時は肉体の方は最低限生命維持しか行われていない状態になるが、自分の意識と呼ばれる物はこの大きな鉄の鎧に憑依し、自分の体のように扱えるようになるらしい。目の代わりにクリスタルで造られたカメラがあり、五感の殆どを共有している状態になる。だから機体が損傷すれば痛みのみだがフィールドバックしてくる(その為ランダはひっじょーに激痛に悩まされた…〇〇的な意味で)。
・ヤングアイアンとは発掘された超古代文明の遺産を基に造られたグレートアイアンをモット量産できるようにした結果である。大きさは8mが平均で武装は対魔物用や対甲(対巨は対グレートアイアンであり、対甲とは対ヤングアイアンのこと)を想定している。主に量産性と整備性を重視しており、帝国では大概の村や町で見かける。逆にグレートアイアン等は帝国の首都などでしか見かけない。グレートアイアンは戦場での切り札と呼ばれており、ヤングアイアンは戦場での主力と呼ばれている。ただ今の帝国の最新鋭のヤングアイアンの機種は今乗っているこの機体だったりする。
・アイアンアーマーが使用する独自の動力『オラクル魔力』を薄らと装甲の表面に纏うことで発生する魔法無力化領域のことを『オラクルフィールド』と呼んでおり、自分よりも質量の少ない弓矢や魔法(魔法は初級から中級上級すべて防御できる)、を完全に無効化できるという素晴らしいものである。だが自分よりも質量の大きいには抵抗が出来ないが魔法の場合は全て無効化される。このフィールドの登場のお陰で魔術師が主力だった世界の軍事情勢は一気に変化した。
・オラクル魔力とは空の様な色をした鉱石、オラクル鉱石に含まれている謎の多いエネルギーである。オラクルキーとはオラクル鉱石を鍵型に鋳造したものである。何故鍵型かというとコンパクトで、持ち運びに苦労しない上、アイアンアーマーを動かす際最も注意しなければいけない魔力過多を防止できるからである。
・魔力過多とは機体に保有可能なオラクル魔力以上に魔力を注入してしまうことである。これはオラクル鉱石を鍵型にした理由にもつながっており、かつて実験中機体にオラクル魔力を注入しすぎて、結果エンジン部が押し寄せる魔力に耐えられず爆散すると言う大事になってしまい、それ以降保有可能な魔力量を調査した後全て鍵型にした。ついでに超古代文明の機体はすべて鍵穴が最初からついていたが、初めて発見した時は当時の人々はその鍵穴の意味に気付けなかったが魔力過多事件以後、期待が見直された時に漸くその意味に気付けたらしい。
・オラクル魔力とはオラクル鉱石のみに宿る謎の魔力であり、何故か使い切っても24時間経てば回復している。回復しているかの確かめ方は鉱石、およびキーの輝き具合でわかる。深海の様なダークブルーの場合は魔力が尽きているが、青空のような輝きの場合全回復している証である。今だどうやって回復しているのか知られておらず、これがどういう物質かも全く持ってわからず錬金と科学と魔法のエリート中のエリートの家、メギストス家もお手上げである。今のところ人体への害は発見されていない為『少し意味解らない超便利なエネルギー』程度しか認識されていない。序にオラクルと呼ばれている理由は…
「後なんでこのレッド部隊武器装備してなかったんだ?」
「ああ…それはお前が調べに入ったヤングアイアンあっただろ?あれの回収に着ただけだったから武器はむしろ邪魔だったってこと」
「成る程…それよりもこれから如何しようか…」
「帝国に来るか?来るなら先程の戦闘のことは俺が何とか口添えしてやれるんだが」
確かに今1銭も持ち合わせていない俺からすれば魅力的な提案だが
「いや、もう少し世界回ってみるとするよ」
帝国に行ってしまえば多分だがそのまま軍隊に強制的に入隊させられるだろう。そうすれば折角の第二の人生で自由に世界を回ってみたいと言う俺の願望が叶わなくなってしまう
「そうか残念だ…まぁ多分そう言うと思ってたし判った。唯此方で勝手にだが今回の戦闘は何とかしとくからもしまた帝国寄った場合いつでも歓迎だから」
こいつ初対面の俺の為に其処まで…
「悪りぃな苦労かける」
「ああ唯そのお礼というか…名前教えてくれないか?序に俺はランダ・ハンラ(17)」
「俺は浦蔵長渡(16)こっち風に言えばナガト・ウラクラだな」
「長渡だな…それじゃあ長渡こいつを持って行け多分役に立つだろう」
そういいランダは席の横に入っていた地図を出して俺に渡した
「色々ありがとな」
「気にするな後お前さえよければ友達になってくれないか?」
「え?俺達ってもう友達だろ?」
すると豆鉄砲を食らった鳩のようにきょとんした顔になったかと思うと
「そういえばそうだ、んじゃ最後に此処からまっすぐ南へ行けば小さな村がある。そこで一泊すればいいぞあそこはみんな人がいいから」
「何から何まで本当にありがと」
「ああそれじゃあ…またな」
「ああ…またな」
さよならじゃあない…これはまた会う約束だ…もし其処が戦場であろうが関係ない。また再開を祈っての
「またな…」
自分に言い聞かせる様にもう一度呟き、俺はコックピットハッチを開けて外へ出た…
7月14日修正