第三話異世界だ!魔法だ!!ロボットだ!!!
第三話異世界だ!魔法だ!!ロボットだ!!!
「異世界よ!俺はやってきたあああああああああああ」
何だろう、この開放感…気持ちいい
「あ~って駄目だこのままだととろけて消えて無くなりそうになる」
自分で言ってなんだが人間がとろける事ってあるのかな?
「無いな」
自分で言って自分で突っ込む…虚しいな
「っとそうだそうだ。まず能力の確認しなきゃ…M1911A1(コルトガバメント)」
何の前触れもなく手のひらにはM1911A1(コルトガバメント)が握られていた
「おおお確かに召喚できるな!じゃあ消すことも…消えろ」
すると握ってあった筈のM1911A1(ガバメント)は幻の様に消えた
「確かに使い方次第ならかなり強いかも知れないな」
爺に密かに感謝して俺は周りを見回した。そこは何処までも続いてそうな青々とした草原が広がっていた。
「やっぱどう見ても草原だよな…あれさえなければ」
俺の視線の先には腹部辺りが派手に貫かれた鉄の巨人が転がっていた。
「あれはやっぱりおかしいよな~。普通異世界って魔法や剣ってのが王道だよな…科学が発達した世界か?まぁこんな所で考えていても意味無いし町でも探してみるか…の前に」
俺は先程まで眺めていた鉄の巨人に近づいてみた
「でけーな。ってかこれコックピット付いているのかな?」
近くで見て分かった事は大きさは8m前後で、人の乗るコックピットのハッチらしき部分が後ろ首に付いているという事ぐらい。
「動力とかなに使ってるんだろ…」
これだけの巨体だ。動かす為に必要なエネルギーはかなりの物のはずだ。それこそ核融合炉の様な莫大なエネルギー生成炉が必要なはず
「でもきっと壊れてるだろうな~」
こんな派手に何かで貫かれてるんだからきっと動力部も死んでるだろうな…
「コックピットに何か手がかりあるかもしれねーな…取り敢えず入ってみるか」
言い終るやいなやロボの後ろに回りこんで上のコックピットのハッチらしき場所を眺めながらそう思ってみたり
「この場合はロボクライミングか?」
とか言いながらロボットの背中よりコックピット目指してロッククライミング的な事をしていたり
「上り終えた後、横に上る為の梯子がある事に気付いたり…orz」
何だかんだ有りつつもコックピットハッチらしき場所に到着。
「さてと…コックピットの中にお邪魔しま~す」
ハッチに付いている取っ手の部分を引き上げてコックピット内に入ってみた
―――――――――――――――☆
ハッチの中にはパイロットが座るであろう座席が一つと天井からフィンガーグローブが垂れ下がっていた。だが王道的な操縦桿は無かった。
コックピット内はどうやら無傷の様で、中のパイロットは既に脱出していた。
「え~っと地図ねえかな?」
地図でなくてもこっちの世界で役立つ物が何かある筈だ…多分
「それにしても本当にこれってコックピットなのか?」
さっきも思った事だけどなにせここにはパイロット席らしき物がひとつと一対のフィンガーグローブが天井から垂れ下がっているだけで操縦桿やモニターみたいな物が何処にも無い訳で…後あるとすればパイロット席の両方の肘掛けの部分に何かを差し込む何かの穴が空いているだけだった
「これはどうやって操縦するんだろ?って地図探さなきゃ」
いや待てよ?よーく考えてみたら此処に地図があるはずないじゃん
「パイロットが脱出してるんだ。その時地図や役に立ちそうな物持ち出されていてもおかしくねえな」
って事は此処での捜索って無駄?…
「はぁ…あ~異世界に来て初めてのため息だ~さぁ記念すべき一回目のため息は謎のロボットの中で行いました~」
そろそろ頭がおかしくなって来たなやばいそろそろ本当にry
「取り敢えず此処にはもう用がないな」
ってか何の為に此処に来たんだか…無駄足かよ
「適当に南のほうでも目指すか」
目的地を決めて外に出ようとすると
「ヤングアイアンの中に入っているものに告ぐ!今すぐ出て来い!!出て来ないならその機体ごと潰す!!」
なんて物騒な事言ってる人が外に居るんだ。声から予想すると男性だけど…ってかこの機体乗っただけでプレスかよ…それってすっげー
「理不尽だ…はぁ」
溜息を吐きのろのろとコックピットから出た…