5話 始まる旅路と新世界
「えっと…森の中かな?」
森の中の少し木の少ない、広場みたいな所にスポーンした
「とりあえずどこに行くか決めようかな」
僕はその辺の木の棒を手に取った
「そいっ!」
その木の棒を空中に投げた
「あっち側に行こう」
正直どこに何があるのかとか知らないから、とりあえず木の棒で方角を決める事にして、歩き始めた
「それにしても大きな森だな…どこまで続いてるんだろう?」
適当に数分歩いていると、生き物を目に捉えた
「あれは…兎かな?」
多分兎なんだろうけど、頭に角が生えていた。…でも可愛い。アルミラージって奴かな?
「おいでー」
寄ってくる兎に手を出してみた。どうせなら抱っことか撫でたりしてみたい
「ギュッ!」
「うわっ⁉︎」
兎は角を向けて突進して来た。突っ立ってるとやばいな!
とりあえず反射で突進をかわし、兎の体を掴んで捕まえる
「ギュッ⁉︎」
「ちょ…暴れないでよ。落ち着いて」
兎は僕の腕の中で暴れ出した。角が体に当たって結構痛い……
「とりあえず離す!」
僕が手を離すと、兎は後ろに下がってから再度突進して来た。
まあ動きは直線的で読みやすいから、突進をかわした隙に蹴りを入れた
「ギュギュッ⁉︎」
兎は吹っ飛んだが、すぐに立ち上がって来た。STRの低さがきついな……
「一撃で駄目ならもう一度やるだけだよ!」
今度は蹴りで吹っ飛ばした所に木があってぶつかったからか、当たった所で動かなくなった。
とりあえず討伐成功かな?
「えっと…マテルズナイフを刺せばいいんだっけ?」
『アルミラージの皮×2肉×1を入手』
兎にナイフを刺すと、勝手に素材が手に入った。便利だねえ?
『スキル【戦闘術】を習得』
おっと…何かな何かな?
『【戦闘術】パッシブスキル 手ぶらの相手に対するダメージアップ』
「え?情報これだけ?というか一応僕術師なのに魔法とか使えないのかな…」
術士になった僕が最初に覚えたのは……魔法ではなく、戦闘術でした