2話 謎だらけの人と部屋
「やっほー。プレイヤーさん」
「えっと…誰…?」
声をかけて来たのは、僕に似ている背丈の男の子だった。
何かの椅子に座っている
「…赤葉楓。楓って呼んで。偽名だけど」
「分かりました。楓さん。とりあえず僕は何でこんなとこに居るんですか?」
その質問の答えは、衝撃的だった
「えっと…君が轢かれた時、君は死にかけたんだよね」
「ということはここどこ!?ってか僕今どうなってるの!?」
そうして焦る僕に、楓は落ち着いた口調で淡々と話を続ける
「お、落ち着いて…いや、落ち着いてって言うのが無理な話か。まあここの説明をするよ。ここは…入口だ」
「入口…?」
「今から説明するけど…ここはインバース・フロンティアって言うゲームの舞台、スティアの入口だ。これから君にはスティアに入る準備をしてもらうよ」
ふむふむなるほどね…マジで理解出来ない。
もう聞きたい事が有りすぎて頭の中で渋滞が起きてるよ
「大丈夫?理解出来た?出来たなら世界に行くための設定を始めるけど…」
うん全く理解出来てないよ。
まあでも考えてても仕方ないし、とりあえず話を進めよう
「それじゃ、お願いします」
「おっけー。ならまずは名前を決めてね。基本的に片仮名が多いから、片仮名で決めるのがいいと思うよ」
「それじゃ…スイで」
「実名から取ったの?とりあえず設定しとくね」
とりあえずゲームで良く使ってる名前を使ったけど、もし駄目なら別のを出そう。
ちなみに由来は水希だから水を取って言い換えてスイ。
安直だけど気に入ってる名前だし、プレイヤーネームなんてこんな物だ
「よし。登録したよ」
よかった、通った
「次は見た目だけど…全く同じ見た目にするのはお勧めしないかな」
すると僕の目の前に、僕にそっくりのマネキンが現れた。
……ちょっと不思議な気持ちだ
「成程…」
まあでも全く違う見た目にするのも何か嫌だから、とりあえず目の色や髪の色を変えるくらいに抑えておこう
「なら髪色は緑がかった青に、目は水色にしてみようかな。」
「ほいほい、こんな感じ?」
目の前にあったマネキンが僕の言った通りに変化した。
どう言う技術を使ってるんだろ?VRって凄いな
「うん。それでオッケーです」
「んじゃ最後!職業決めるよ!」