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プロローグ

遠い遠い昔、身籠った巫女がいた。

生まれてくる子の幸せを願い巫女は毎日神に祈りを捧げた。

神降ろしを行う聖なる(やしろ)で朝と晩必ず二回祈っていたそうだ。


最初の頃は熱心だとみな感心していた。

しかし十月十日に差し掛かろうとしている頃には誰もが祈りをやめるように説得していた。

それでも巫女は祈るのを辞めなかった。


外界の神々が御座す(おわす)この世界では、祈りは特別な意味を持つ。

人々の祈りは外界の神々に届き、奇跡が起きる。

後の人々はこの奇跡を分析し魔法という体系を確立していく。


祈りにより生まれて来た子は才気に溢れ、運にも恵まれていたという。


——勉学の才に恵まれますように。健康に生きられますように。強い体に育ちますように。出会いに恵まれますように。幸福で満ち足りた人生を送れますように。。。


そして生まれた子はその祈りに縛られたかのような人生を送った。


その子が本当に幸せな人生を送れたかは定かではないが。。。

祈りを捧げて生まれた子が才気溢れる人物だったのは間違いない。

そして国の指導者としての立場にあった巫女の跡を継いで、その国の指導者。。。王となった。


王はその才で国を発展させ、民衆から信頼され人気があった。

王のように立派な人物になるように、子を身篭ると神へ祈りを捧げる風習が出来上がった。


このことにより巫女の祈りは神をも縛る事となる。


——この子の願いを叶えて


巫女の祈りにあった願い。

王となった子が、身籠った母親が子を思い神に祈る風習を歓迎した。


——祈りを捧げる母の願いが叶うように


祈りは巡り、神は祈りに縛られた。神は自分を縛る祈りを忌諱きいし呪詛を吐く。

その国の人々は神に祝福され、神を縛り、神に呪われる種族。魔族となった。


魔族は神の祝福により、進化の螺旋をゆっくりと上り始める。

長い年月をかけ登った進化の螺旋。しかし螺旋は登ることをやめ、その場でクルクルと廻り始める。


クルクルとクルクルと。。。


輪舞する。

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