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真の姿

 

 私とリースさんは二日かけて森を抜けた。 途中魔物を退けたり、戦闘は有ったけどリースさんは手を出さなかった。 私の錬磨を行う為に。 戦闘が終わるとその時の戦い方等を総評し、次の戦闘に生かすように言葉を貰う。 リースさん曰く、実戦以上に得られる物は無いということみたい。


 そして、私達が森を抜けた先は草原に大きな岩が点在する岩礁地帯だった。



「此処を南に進むと街があるよ。 そこそこ大きい街だからそこで休もうか」


「はい。 そこは南の大陸になるんですか?」


「街から南の大陸に入るよ。 ん? 雨、か。 降って来たね」


 歩きながらリースさんと話していると、ポツポツと雨が降り始める。 森を抜けるまで走っていた私の火照った身体を冷ますには丁度いい。 だけど、雨は嫌い。 前はそうでもなかったけど・・・。


「どうします? 急ぎますか?」


「いや、歩いて行く。 この辺りの魔物はそこそこ強いよ。 雨の中での戦闘も経験しないとね」


「雨が降ると思い出します・・・」


「死人使いか。 あの時も雨だったね」


「はい・・・」


「忘れろとは言わない。 あの時の経験を活かしな。 それが生き残ったアンタが出来る事だよ」


「はい」


 リースさんは真っすぐ前を見つめながら暖かい言葉をくれる。 そうだ、私がいつまでも引きずっていたら死んでいった仲間達に申し訳ない。 彼女達の事を忘れる事は絶対に無いけれど、忘れる事と前を向くことは違う。 彼女達の分まで私は生き残って絶対に仇を討つ。 そう強い心を持って生きていくんだ。



「おかしいね」


「え?」


 突然リースさんが立ち止まり周囲を見渡しながら呟いた。 眉を顰め何かの空気を感じているみたいだった。


「この辺りは魔物も多い筈なんだけどね」


「見た感じいないですね」


「アンタ先見眼使えないから分からないでしょ」


「目で見る範囲ですけど」


「それも何とかして上げなきゃいけないんだけどね」


「何とか出来るんですか?」


「さぁ? 先見眼が無い奴なんて初めてだし」


 思わずコケそうになる私はジト目でリースさんを見つめた。 ほんとにちゃんと考えてくれているのか、そうでないのか分からないわ。


「・・・」


「リースさん?」


 リースさんが突然羽織っていたローブを脱ぐとその場に投げ捨てる。 黒衣が雨に濡らされリースさんの深い青色の髪が顔に張り付いて行いった。 リースさんの表情は変わらず険しいままだった。




「離れろ!!」



 リースさんが突然叫ぶと、私を突き飛ばした。 私は衝撃で吹き飛ばされたが、上手く態勢を整えながら直地した。 痛みは無い。 リースさんはただ私を吹き飛ばしただけで急に敵になった訳でもない。 何事かとリースさんを見た時、リースさんが見知らぬ何者かと手四つで力比べをしていた。



「ウィンクドレス・・・!」


「面白そうな空気があると思ったら、オルベルスの食い残し、か」


 (クソッ! 南の大陸にいるって分かっていたけどまさかこんな所にいるなんて・・・この辺りの魔物がいないのはこの女のせいか!)



「リースさん!」


「来るな! アンタは逃げな!! ッ!! 後ろだっ!」


 此方を見て叫ぶリースさんの言葉に、私の反応が遅れてしまった。 突如、私の背後から聞き知らぬ声が聞こえてきた。


 【ねぇねぇ】


「え・・・」


 【あたしと遊んでー?】


「うあっ!!」


 私は振り向き様に何者かに蹴り飛ばされた。 咄嗟に後ろに飛んだけど、蹴りの威力は強烈で、完全に威力を抑える事は出来なかった。 叩きつけられた大岩が衝撃で破壊され、私はその岩の瓦礫に埋もれた。


 痛った!! くっ、油断したわ! リースさんの言葉が無かったら全く反応出来なかった!


「つぅ・・・ぐっ!」


 なんとか瓦礫の山から這い出ると私は自分を蹴り飛ばした“敵”を睨みつけた。 角を生やした魔族の女が此方を見ながらニヤニヤと笑みを浮かべている。


 【あはー。 痛かった?】


「うぅ・・・! やってくれるじゃない!」


 【これじゃー全然駄目。 もっと楽しませてよー】


 何よこの女! 角が生えてるから人間じゃないわね。 悪魔? そんな事どうでもいいけど、いきなり先制攻撃だなんてやってくれたわね!


「はぁはぁ・・・お望み通り楽しませてやるわよ!」


 私は何とか立ち上がり“相棒”を構えるが、悪魔の女を見て思う。 コイツ・・・私より強い。 でも逃げる訳には行かないわ! もう逃げないって誓ったんだから!


「覚悟しなさい!」


 【・・・君、美味しそう】


「はっ?」 


 【一口齧るくらいならいいよね? いただきまーす】


 瞬間、私の後ろに回り込んだ悪魔の女は私の肩に齧り付いた。


「うああっ!! このっ!!」


 齧りつかれながら反撃する私の剣をあっさり交わすと、悪魔の女は私の肉を食べながら頬に手を当てている。


 食べた!? コイツ私の肉を食べてる!? くぅ・・・兎に角止血しないと!


 私は腰につけたポーチから布を取り出すと、歯で引きちぎりそれを肩から胸にかけて巻いて行く。 その間、悪魔の女は反芻するかのようにまだ私の肉を食べていた。


 【んー。 美味しっ! 君、凄く美味しいよ!】


「そりゃどうも・・・!」


 【あっちのダブルはあたしの手に負えないしー、君を生かすようにオルベルスネーシア様に言われていたけどいいよね? あたしの主人はドレス様だしー】


「冗談じゃないわ! そう易々と乙女の肌を食われてたまるかっての!」


 【喰われるんだよー? 人間は餌だから・・・さ!】



 とんでもない速さで迫って来る悪魔の女に対し、私は持てる力を持って剣を振るった。







 

 (あの魔族、あの娘より強い! 何とか助けに行きたいけど・・・!)


 チラッと愛弟子の姿に目を向けた瞬間、目の前のウィンクドレスの言葉が耳に入った。


「他所見?」


「くっ!!」


 ウィンクドレスは掴んでいたアタシの手を捻り上げるとそのまま地面に叩きつけた。 なんて力! アタシが力で負けるなんて!


「ぐっ・・・!」


 (コイツやっぱりオルベルス並に強い!)


「死ね」


 地に寝転ぶアタシに追撃の一撃を叩きこむウィンクドレスだったが、その一撃は地面にクレーターを作るだけで、アタシの身体を貫く事は無かった。


「調子にのるな」


 背中に羽を生やし、本気を出したアタシがウィンクドレスを後ろから蹴り飛ばすと、大岩をいくつか粉砕しながら吹き飛んだ。


 これで少しは時間が稼げる! 今のあの娘じゃ勝てない。 待ってなよ、アタシが守ってあげるからっ!






 【いただきまーす】


「うぅ・・・!」


 何もできず倒された私は近づいてくる悪魔の女を憎らしく見る事しかできなかった。


 強すぎっ・・・! あれだけ鍛えたのに私の剣が一発も当たらないなんて・・・ごめん、皆。 すいませんリースさん、役に立てませんでした。



 【がふっ!!】


 突然悪魔の女が悲鳴を上げながら視界から消えた。 正確にはリースさんがその女を殴り飛ばしたのだと分かったのは、リースさんが私に声をかけてからだった。


 リースさん、私を助けてくれたんだ。 くっ、ほんと情けないわね、私って。 助けてもらってばっかりで・・・悔しい。


「しっかりしな! 立てる!?」


「うっ・・・はい」


 私はリースさんに支えられ立ち上がると、リースさんはホッと息をついた。


「流石・・・リースさん、ですね」


「あの程度で死ぬ奴等じゃないよ。 これくらいの怪我は直ぐに治るね。 走れるね? アンタだけでも逃げな」


 逃げる? 私だけ? もう、逃げたくなんか───


「でも・・・」


「でももだってもない!!」


 一喝された私は身を震わせ地面に目を落とした。 まただ、私はまた何もできずに逃げるの? 全部リースさんに任せて逃げる事しか出来ないの? 悔しい・・・!


「今のうちに行きな。 森の中を走れ。 行きな!!」


 突き飛ばされた私はフラフラの足でよろめきながらも森の奥に駆けだした。 




 どれくらい走っただろう、私は体力の限界を感じて一つの木を背にその場に座り込んだ。 そして両手で自分の髪を掴むと涙を流した。


「うっ・・・うぅ」


 悔しい! 悔しい!! あんなに錬磨したのに! もう逃げないって誓ったのに!! 私は強くなれないの!? リースさんの手助けも出来ないの!?



 先程までいた所から轟音が聞こえて来る。 戦ってるんだ、リースさんが。 私を守る為に戦ってくれている。 それなのに私は此処で何をしているんだろう・・・。


 フラフラ立ち上がると、私は小さく自分に言い聞かせるように呟いた。


「行かなきゃ。 私は強いんだもん。 絶対に、逃げたくない・・・」


 【ハァハァ、何処にー?】


「っ!!」


 聞き覚えのある声がする方を見ると、あの悪魔の女が口から流れる血を拭いながら森の奥からやってきた。


 【ハァハァ、君はあたしのご飯なんだから逃がさないよー】


 コイツ、まだ生きてたのね。 そうよ、コイツだけでも私が倒さないと、リースさんも戦いに集中できないわ。 私が、倒すんだ。


「リースさんにやられて立つのもやっと、ってとこね」


 【それは君もでしょー? 見てよこれー】


 そう言いながら悪魔の女は自分の口を開いて見せた。 鋭い牙が生えているが犬歯の一本が完全に折れてしまっていた。


 【あのダブルの女にやられたのー】


「ざまぁないわね。 それじゃ食事も出来ないんじゃない?」


 【君を食い殺す事くらいできるよーその後はあのダブルの女も食い殺してやる】


 悪魔の女の言葉に、私の中の何かが炎を上げた。 コイツ、言うに事欠いてリースさんを食べるって言った? 


「何ですって・・・?」


 【あの女が強いって言ってもドレス様には勝てないだろうしーお零れ貰うんだー】


 ドレス? もしかしてウィンクドレス? その名前はつい先日リースさんに聞かされていた。 東の魔女の娘の一人。 とんでもない強さの化け物だって。


 【その後はー他の人間共を食べてドレス様に褒めてもらうのー】


 心底嬉しそうに話す悪魔の女を見て、私は怒りが込み上げてくる。 私の脳裏にはノーティスとエマ、そしてリースさん。 ロイヤルクラウンノ仲間の皆の顔が浮かんでいた。


 許さない。 私の大切な人達を奪い様な真似は二度とさせない。 それに、この女の金切り声、癇に障るわ。


「・・・しい」


 【えー?】


「やかましい!! リースさんは絶対に勝つ! そしてオマエは此処で私が倒す!!」


 【・・・】


「覚悟しろなんて言わない! 二度と舐めた事言えない様にしてあげるわ!!」


 私の言葉に悪魔の女の表情が変わった。 飄々とした雰囲気から、かなりの殺気を放ち、私へと牙を向けた。


 【・・・食い殺してやる】



 



「くらえ! “雪華・雨流乱れ桜”」


 【当たるか! そんな物!】


 私の斬撃の雨を軽々交わすと、悪魔の女は鋭い爪で襲って来る。 何とかそれらを防ぐ事に成功するが悪魔の女は息を切らしながら此方に目を向けていた。


 【ハァハァ、くそっ、ダブルの女からの一撃が無ければ貴様なぞ一瞬で喰い殺してくれるのに!】


「はぁはぁ、はっ! リースさんの一撃を受けて生きてるだけラッキーだと思いなさいよ」


 【金魚の糞の分際で口だけは達者だな・・・ハァハァ】


「どっちが金魚の糞からしらね! はぁはぁ、オマエこそあのウィンクドレスとかいう女の糞じゃない!」


 【黙れ・・・人間如きが!】


 速いっ! 私は目の前に迫る悪魔の女に剣を振るった。 だが、途中で加速した悪魔の女に交わされてしまう。 勢いのまま私に抱き着いた悪魔の女は、私の首筋に齧り付いた。


「ああっ!!」


 グジュグジュと肉を噛まれる音と激痛が走る。 私は咄嗟に後ろに下がる事はせず、相手の腹に膝蹴りを繰り出した。


 【うぐっ!】


「はぁはぁ、つぅ!」


 何とか引きはがす事に成功したが、私は自分の首に手を当て出血を抑え込んでいった。


 危なかったわ。 もし、あのまま後ろに下がっていたら噛み千切られていた。 イリーナさんとの座学でいろいろな対処方を聞いてて良かった。 


 【ハァハァ、大人しく喰われていればいいものを!】


「やかましい! くらえ!」


 私は悪魔の女に斬撃を飛ばす。 牽制の意味で放った為、交わされると思っていたが悪魔の女はそれを腕で防いだ。


 【ぐぅ! おのれ・・・!】


 (どういう体力だこの人間! あたしでさえ体力の限界にきているというのに! それに、あれだけ肉を削いで出血も酷いはず! これがあの御方の血の力なのか!?)


 私は忌々しく此方を見る悪魔の女に違和感を感じた。 おかしい。 さっきまであんなに交わしていたのに、今度は防御した? 避けるまでも無かった? ううん、違うわ。 コイツ、まさか───


 私は相手をじっくり見ると、悪魔の女は足をがくがくと震わせ立っているのがやっという感じだった。 


 そうか! リースさんの一撃が効いてるんだ! 強がってたけどあの女も限界がきてるんだわ! 今が勝機!! リースさん! あの技使います!



 “雪華・胡蝶蘭”



 私はその場で無数の斬撃を繰り出すと悪魔の女に向かって放った。 放たれた斬撃は空から飛んでくる物から地を這う物もあり、様々な角度から相手を襲った。


 そんな不規則な軌道を描く斬撃に、悪魔の女は驚愕した。


 (何だこの軌道は!? か、回避を・・・!)


 悪魔の女が行動しようとした時、ガクンと大きくバランスを崩した。


 【あ、足が・・・!】


「私とリースさんの錬磨の一撃! 受けてみなさい!」


 悪魔の女の足が縺れ、態勢を整える前に私の新技、胡蝶蘭が直撃した。


 【うぐぅ!!】


 無数の斬撃に切り刻まれた悪魔の女はその場に膝まづき、私を恨めし気に睨みつけた。


 【おの・・・れ】


「はぁはぁ、これで止めよ!」


 私は止めにと、悪魔の女に向かって走り出し、剣を振りかぶった。


 よしっ! 私の勝ちよ! コイツを倒したらリースさんを手助けに───


 【バカが・・・!】


 油断だった。 相手を確実に倒すまで、最後の最後まで目を離すな。 イリーナさんの座学と、リースさんとアンナさんの合同錬磨で何度も言われた事だった。


 私の身体は悪魔の女の髪に貫かれた。 


 そ、そんな・・・髪まで武器にするなんて・・・


 【あのまま・・・ハァハァ・・・距離を取っていればよかったものを。 これだから人間は愚かなのだ】


 髪が抜けるのと同時に全身の身体から力が抜けていくのを感じる。 その時、目もぼやけ倒れ込みそうになった私の身体を何か暖かい空気が支えた。 それは私を包み込むと私の身体に倒れぬ力を与えた。


 そんな私を見て、悪魔の女が悲壮な表情で呟いた。


 【なん・・・だ? その空気は・・・】


「うあああっ!!」


 私は与えられた力を糧に、悪魔の女の髪を切り落とすと、その勢いのまま悪魔の女の首を刎ねた。




 【そ・・・そんな・・・】



 そして、力を使い果たした私はその場に倒れこんだ。 今更になって激痛が走る。 出血も酷い。 一瞬感じた暖かい空気も感じない。 それでも私は刎ね飛ばした悪魔の女の頭を睨み続けた。



 【あたしが・・・人間・・・如き・・・に】



「人間を・・・舐めるからよっ・・・!」



 【ドレ・・ス・・・様】



 やりましたよ、リースさん・・・。


 完全に息の根が止まった悪魔の女を見て私も倒れこんだまま意識を失った。









「・・・!」


「へぇ」


 ウィンクドレスとアタシの戦いは熾烈を極めていた。 岩礁地帯の周囲を破壊し、大小様々に出来たクレーターがそれを物語っていた。 アタシ達はそんな中、ある空気が消えたのを察知し、お互い戦いの手を止めた。


「死んだね。 あの女」


「カリテス・・・使えない奴」


「部下でしょ? 可哀想な言い方だね。 それに、アタシの一撃がなけりゃそのカリテスって奴が絶対に勝ってただろうさ」


「ふん」


「さて、アタシもあの娘にあやからないとね。 ウィンクドレス、此処で死んでもらうよ」


 私はそう告げると、背中の羽を最大に広げウィンクドレスに接近した。 接近を許すまいとウィンクドレスは掌から赤い球体を無数に繰り出してくる。 


 やっぱり、今までの戦いでコイツの戦闘スタイルが分かった。 コイツ、唯の力だけならアタシより上かもしれないけど、接近戦の動きは鈍い。 その代わり、この赤い球体。 これは発動が早いし、狙いもアタシの先を読んでくる。 上手く練り込んでいるのが分かる。


 と、なると。 狙いは一つ。 一気に接近戦でカタをつける!


 迫りくる赤い球体を上手く交わしたアタシはウィンクドレスを蹴り上げ、空に舞ったウィンクドレスに連撃の追撃を行い、止めに地面に撃ち落とした。


 轟音と共に巨大なクレーターを作り出し、地面に叩きつけられたウィンクドレスは倒れたまま動かなかった。


「ふー。 やっぱり手強かったね。 アタシがこんなに長く本気で居るなんて初めてだよ。 でもこれで・・・っ!!」


 顔の傷を拭いながらあの娘を迎えに行く為、ウィンクドレスに背中を見せたリースは嫌な悪寒を感じ、振り向いた。


「・・・」


「あれをくらって生きてるってどういう事よ」


 うっそでしょ。 いくら三美凶って言ってもアタシの全力の攻撃をくらって生きてる? もしかして、コイツ───


 ウィンクドレスが自分の血を舐めると、空に浮かび出した。 そして、心底嬉しそうな声をあげた。


「ハハ・・・!」


「ヤバイね・・・こりゃ・・・!」



 ウィンクドレスから流れる空気は離れた森の木を薙ぎ倒し、様々な動物や鳥、果ては魔物までもが逃げ出していった。 雨や風も強くなり、自分だけでなく周囲の環境そのものを変化させていった。


 やっぱり、本気じゃなかった。 やばい。 嫌な汗が止まらないよ。 ここまでの空気は初めて見た。 三美凶、どいつもこいつも化け物ばかりだ・・・!


「アハハハハ!!」



 遂にウィンクドレスが三美凶と呼ばれる真の姿を見せると、リースは自嘲気味に呟いた。



「悪いドヤ顔。 アタシ、死んだわ」



挿絵(By みてみん)

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