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18/60

心弦 1/2


 広間には二人。

 乱立する槍。

 血の臭い。

「もうお前は自由だ。これからどうしたい」

 そんな問。

 少女は答えられず、俯き身体を小さく縮こまらせる。

 男は気にした風でもなく、近くにあった槍を引き抜いた。ごぼっと液体が溢れる音が広間に響く。

()()といったな」彼は槍についた血を拭きながら少女に近づく。彼女はかすれた声で「……はい」と返事をした。男はすぐ隣まで行って、



「だったら、オレのところで暮らせ」



 少女は――顔を上げる。


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