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第5話 形のない贈り物2-4

「ダメだ」


こういう時には精神を落ち着かせなければいけない。

そうだ。

強化をしよう。

+99の魔導ガンが作業台にセットしてみた。


「+100に挑戦してみるか。+100で変化するかもしれない」


ヒノキの棒を+100まで鍛え上げてチタンの棒に成長させた武器職人の話なら知っているがそれは半分はジョークみたいなものだ。

魔導ガンと言う武器は武器なのかもわからない骨董品(コットウヒン)

と言うのも、ソルジャー・戦士・ウォーリアー・ウィザード・ソーサラー、、、ありとあらゆる職種の人たちにこの武器を握ってもらったが装備できたビジョンが浮かんだものは一人もいなかった武器なんだ。

だから 変な話だがオレはこの武器はノービスのために作られたものじゃないかと思ってる。

それが昨晩は暴発したんだ。 

 

ロマンってやつさ(・・・・・・・・)


作業台にセットされれている魔導ガンにマテリアルを置いていく、次に命の木づちと呼ばれるハンマーで叩くんだ。

運命の導くままに手を振り下ろそうとすると泣き声がぁぁぁ


「うぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」

「え! なんだ?」


バッキン!


「あ・・」


それはドアの向こうからだった 泣き声がしたと思ったらハンマーの力が抜けてしまったのだ。

コクンと可笑しな音を立てた魔導ガンがどうなってしまったかと言うと・・・

魔導ガンの限界値MAXになってしまった。

強化失敗。

この武器はもうこれ以上強化できないのだ。


「うぉぉぉ――魔導ガン+99がぁ!!」


オレは怒鳴ってやろうと部屋の扉を開けようとしたがカギがかけられている。

さらに頭に来たのでカギを蹴破ってドアを開けてやった。


ドッカン!


「おいチビ!そんなにママねーちゃんがいいなら現れるまで部屋から出て来るな。わかったかぁぁ!!」


「きゃー デーモン!!うぁぁぁん」


ドン!!


リコリスは自分の部屋に戻ってドアを閉めた。


オレの怒りは収まらない。

魔導ガンとベーコンエッグのカタキはオレが打ってやる。

オレはギルドの二階に上がりギルド長の部屋に入った。

相変わらずの貫禄のあるイスに座るのが、オレの兄貴だ。


「よう。ちょうどお前を呼ぼうと思っていたのだが手間が省けたぞ」

「それより リコリスだが、オレの手には無理だ。ほかの奴らに回してくれ頼む」


「一日も立たずに諦めてしまうとは情けない。まあ 探してやらんでもないぞ

ところで 俺たちは兄弟だ。

兄の言うことも弟は聞くものだぞ」

「なんだ。話してみろよ」


「お前、ソルジャーを倒したそうじゃないか?

 昨日、お城から内密の連絡が入ってな。

 ギルドでもマテリアルの採取をすることになった。

 だが ソニア姫はオルレイン国へ嫁ぐことになっているので大っぴらには出来ぬのだ。

 お前が鍾乳洞屈(ダンジョン)へ潜るんだ」


「・・・・・で、あれは引き分けだった」


ギルド長はため息をついた。


謙遜(ケンソン)するな弟よ。

内偵の兵士の報告だぞ。お前がソルジャーに勝ったことは間違えなはずがない。


オレがソルジャーに勝った事になってるし、理由を説明しても謙遜(ケンソン)としかとられない。

武器屋が鍾乳洞屈(ダンジョン)になんて潜れるわけがない。

はぁ、、、。


「弟よ。まだ話は終わってないぞ。 実はな道具屋は昨日、夜逃げしたよ」


「道具屋が夜逃げしたって?」


「つまりだ。お前は武器屋と道具屋の両方をやってもらう。

当面は誰かを雇って武器屋・道具屋の両方をやるんだな。

 頼りにしているぞ。我が弟よ」


ひょんなことから道具屋を手に入れたが、急に言われてもオレの知り合いと言えばリードか冒険者たちくらいなものだ。

「誰もいないぞ」

それに鍾乳洞屈(ダンジョン)へ潜らなければいけない。

マテリアルは鍾乳石(ショウニュウセキ)で出来た木の枝のようなところに実を付けたように実っていると聞く。

入口付近は冒険者が頻繁に出入りするが、深部の方にまで潜ればひょっとしたら気づかれずに育ち続けているマテリアルがあるかもしれない。

このまま武器屋に戻ってもリコリスはまだ泣いているだろうし、外をぶらつくか?


「おい!アイビー 探したぞ」

「リードじゃないか」

オレは今朝の出来事をリードに話した。


「いきなりドアを蹴破(ケヤブ)ったのか?

お前らしいぜ。

でもよ。そのリコリスって子はお前が魔導ガンの強化に失敗して怒り出したって知らないんだろ?」


確かに何も言わずに蹴破ってしまった。

意味も分からずに怖がらせただけだったか?

「ま、まあな」

 

「それより 着いたぜ!ひゃっほーい、キャラバンだ」

「あれは ソニア姫?」


移民のキャラバンの馬車がぞろぞろと街の門をくぐって中に入ってくる。

今日は初日という事で、ソニア姫が直々にお出迎えをして挨拶をした。


「・・・移民の受け入れは私の願いだったのです」

パチパチ パチパチ


移民の受け入れはソニア姫が国王に掛け合って実現させたものらしい。

政治的なことはオレにはわからないが、ソニア姫がオルレイン国に嫁ぐ準備も着実に進んでいる気がする。


姫様が帰った後はキャラバンの荷物の積み下ろしが始まった。

到着したばかりだというのに休む暇もないのか?


「このバーモンド国が最終地点だからな。商売を始めるにしても仕事を探すにしてもだ。

1日でも早い方がいい。

それよりも、あっちの馬車は女の馬車だぜ。へっへへ

見にいこう!!」


少ない食料や水を分け合いながら長い旅をしてきたのだろうに全くご苦労な事だ。

リコリスのママねーちゃんもここにいるのか?

それとも明日到着するキャラバンなのかはわからないが、ギルドに依頼書がはられているなら人探しが得意な冒険者が見つけてくれることだろう。


「よし! 俺がいい女の選び方を教えてやる。

荷物の積み尾をしをしているあの女をCランクだとしてAランクがソニア姫な。

そうなると・・あの女はD・・あの女はC・・あの女は・・」


顔の形が一番大事らしく、笑顔の形をイメージしながら選ぶのだという。

次に大事なのはバスト、次にヒップらしくその辺はリードの好みが色濃く出ている感じだった。


看板娘、、笑顔が大事だというならリコリスにもできるのか?

荒くれどもを相手に武器屋の看板娘?

ふん!と鼻で笑ってしまった。

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