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桃(こうはく)~Hold hands with you~  作者: 4G
第2章 冬樹
50/67

第50話

お盆休みで曜日感覚が終わってました…

50話突破しました!読んでくださる方がいるからこそ続けられています!これからも読んでいただけると嬉しいです!!!

「ん?あいつが電話かけてくるなんて何年ぶりだ」


いつもは電話なんてしてこない幼馴染みから急に電話がかかってきたから少し画面に身構える光春。意を決して受信ボタンを押すと、間髪入れず葵の声がスマホから響く。


「もしもし、光春っ⁈」

「どうしたんだよ、俺何か忘れ物してたか?」

「ちがうのっ、冬樹が」

「冬樹?冬樹がどうしたんだよ」

「とにかく、あんたまだ冬樹の家の近くにいるんでしょ!とにかく冬樹を捕まえて頂戴」

「あぁー、よく分かんねぇけどとにかく一旦冬樹の家もどっから」


通話を終えると、光春は歩みを今来た道の方に向け、小走りで冬樹の家を目指した。しばらく走っていると、正面から見覚えのある低身長女子が重そうな胸をゆさゆさと揺らし、息を切らしながらこちらに走ってきているのが見えた。


「はぁぁぁ、光春ぅぅ!」

「急に抱き着いてくんな気持ち悪い」

「誰があんたに抱き着くのよ。ちょっと足元がふらついちゃったのよ…」

「冬樹は?」

「ごめん、途中で見失っちゃって…」


葵は光春に預けていた体重を戻しながら、申し訳なさそうに俯いた。間髪入れずに光春が質問する。


「ところで何があったんだ。冬樹が家から飛び出した?一体何があったんだよ」

「あたしも何がなんだか…。急に冬樹の部屋から物を壊す音とあいつが発狂する声が聞こえてきて、あたしが部屋に飛び込んだらそのままあいつが家を飛び出しちゃって」

「ほんと何があったんだよ…。あいつの部屋にあいつが発狂する原因になったものあったか?」

「うーん…。部屋自体は汚かったけど、一か月以上籠ってていまさら部屋が汚いから頭おかしくなって飛び出しちゃったってことは…」

「考えにくいだろうな。さっき物を壊す音がしていたって言ってたけど、なにが壊れたんだ?」

「うーん、一番ひどかったのはパソコンかしら」

「パソコン?」

「モニターが倒れたから、起こしたんだけどバキバキだったわよ」

「そうか…」


沈黙が光春と葵の間を流れる。そして、はっとしたように本来の目的を思い出す。


「冬樹を見失ったのはどの辺りだ」

「すぐ近くに駄菓子屋さんがあるでしょ。あそこの角で見失ったの。そこからどっちに進めばいいか分からなくなって、とりあえずあんたと合流しようと思って」

「なんだ、たまたま会ったんじゃなかったのか」

「そりゃそうよ。だって、一生懸命走ってたから冬樹の家にどうやって帰ればいいか分からなくなっちゃったんだもの」

「相変わらず方向音痴だなお前は…」

「うっさいわね!光春が来る方向を予想してちゃんとあんたと会えてるんだから方向音痴ではないでしょうが」

「へいへい、そういうことにしとくか」

「へいは一回でよろしい」

「そのへいは一回でってのもなかなか不思議なあれだよな」

「あんたあたしが冬樹にむかついてって話知ってるでしょ」

「もちろん、まぁ俺にまでそれを強制するかって言うのはあるけど」

「まとめてやっとかないと」

「まぁ、やるときは一遍にだな」

「ちょうど話がまとまったところ悪いんだけど、あんた道間違えてない?」


赤い郵便ポストを目印に迷うことなく角を曲がった光春に、葵は若干困惑気味に質問を投げかけた。光春は何言ってんだといわんばかりの怪訝そうな顔で渋々解説を始めた。


「さっき駄菓子屋の角で見失ったって言っただろ?そんでさっきの道で俺と遭遇した。でも、俺はお前と会うまでに冬樹のことを見かけてない、つまり」

「あぁ、冬樹はあの角を曲がったのね。だったら、あの駄菓子屋の角をまがるべきでしょ」

「それだと冬樹に追いつけないだろ。冬樹があの角を曲がってすぐ俺たちが追いかけてるなら兎も角、結構時間が経ってる今やるべきは先回りする事」

「…?」

「お前、いっつもどうやって学校まで通ってんだ?」

「流石のあたしでも通学路ぐらいは覚えてるわよ。でも、他の道となると…」

「自分の家の近所の道だろうが。ほら、あの駄菓子屋だって小学生のころ一緒に通っただろ」

「懐かしいわね。学校帰りによったらおばちゃんに怒られるから、律儀にランドセルを一旦家まで置きに帰って、小銭握りしめて」

「やっぱお気に入りは干し梅だったな」

「あんたよく食べてたものね。あたしは、蒲焼太郎がすきだったわね」

「冬樹もあれが好きだったよな?よくお前と冬樹で最後の一つをかけてじゃんけんしてたの覚えてるぞ」

「あー!やってたやってた、だいたいあいつが買ってどや顔しながら食べてるのが本当にムカついてたけど」

「あいつのどや顔めちゃくちゃうざいんだよな。煽りに全振りした感じ」

「思い出しただけで腹立って来た」

「…なんの話してたっけ」

「懐かしの駄菓子屋の話でしょ」

「違うっ!先回りする話だよ。あの駄菓子屋の横の道は一本道だから、この道を行けば先回りできるはずなんだよ」

「なるほどね、すごいじゃないあんた」

「たぶんこの辺に住んでる人は大体知ってると思うぞ?」

「…うっさいわね」

「あれれ?俺何にもいってないのに何がうるさいんですか⁇自分が方向音痴だって自覚してるから恥ずかしくなっちゃったんでちゅか?」

「その気持ち悪いしゃべり方なんとかしなさい!」

「っておわっ!急に蹴りを入れてこようとするな、ほんとすぐに足が出る女だなお前は」

「むしゃくしゃするから一発蹴らせろ!」

「ガキ大将かよって、足を振り上げるな!」


思い出の道は、小学生のころの記憶のままに、あの頃と同じように無邪気な幼馴染みが追いかけっこをしている。あのころと違うのは…。

→今回からのあとがきには一人ずつ軽いキャラ紹介を!

今回は葵です!(主人公よりヒロイン優先な作者の横暴)

キャラクター紹介

三塚ミツカ アオイ

性別:女

誕生日:8月22日


冬樹と光春の幼なじみ。男勝りな所があるがツンデレで可愛らしいところもある。低身長ロリ巨乳(本人はコンプレックスらしい)。渋谷の一件や飼っていたグッピーたちの死などで自暴自棄になったりしたが冬樹たちの支えがあり立ち直った。葵の恋模様に注目してほしい。


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