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桃(こうはく)~Hold hands with you~  作者: 4G
第1章 紅葉
47/67

第47話

本当におまたせしました!

「プリンセス・メイだと…」

「じゃあ今までの事件の原因は全部紅葉のせいだっていうの…」

『ピンポーン!葵。紅葉の持つディメンションを超越する力が、あちらの世界からこちらの世界への干渉を可能にしたってこと。プリンセス・メイ、いやこちらの世界では紅葉と呼んだ方がなじみがあるのかな、それじゃあメイ改め紅葉がもつ力がこれまでこちらの世界で起こった事件の原因ってこと』

「そんな…」


紅葉が急に立ち上がる、冬樹たち三人は反射的に数歩後ずさりし紅葉と距離をとる。


「っ…!ごめんなさい、みなさん。あんな話を聞いてしまったら私のこと、気持ち悪いですよね」

「いやっ、そんなことn」

「そんなことあります。実際、みなさんの間に目に見えるよりずっと距離ができちゃってます。それに私は私自身のことが気持ち悪いですもん」

「紅葉っ!」


自身の事を気持ちが悪いといった紅葉、そんな彼女の言葉を聞いてこちらの世界での何よりの友人である葵は、半ば悲鳴に近い声をあげながらその場に膝から崩れ落ちた。そんな葵の姿をみて、反射的に駆け寄りそうになった紅葉だがすぐにその足を止めうつむきながら話を続ける。


「ごめんなさい、私あんなに詳しく言われたのに何も思い出せないんです。漫画やラノベだったらここで私の記憶が戻るのがセオリーなんでしょうけど、現実ってそんなに甘くないんですね。」

「あいつの言ってることは嘘だっ!なんの根拠もない、あんなファンタジーでフィクションの物語なんて、俺が授業中にノートの端に書く厨二病全開の俺THUEEEE!物語とおんなじだぞ」

「ふふっ、光春さん授業中にそんな恥ずかしいことしてたんですか?読んでみたかったです」

「読んでみたかったって…。家に帰ったらいくらでも読ませてあげるよ、どれがいい、転生系?チート系?それとも…」

「光春さん、この人が言っているのはたぶん紛れもない事実、光春さんが紡いできた妄想物語とは違う、そんな気がします」


そこまでゆっくりと落ち着いた口調で言い切った紅葉は、王様の方を振り返って一息に続けた。


「どうすればこの地獄は終わるんですか?私が力を手放せば?父にお願いすれば?それとも」

『君が死ぬ他、こちらの世界で起こっている地獄を断ち切る手段はない。紅葉ちゃんの思ってる通りだよ』

「…やっぱりそうですか」

「ふざけないでっ!」

「葵、もう何も言わないでください」

「言うに決まってるでしょ!大切な友達が死ねって言われてるのよ、なんで黙っていられるの!そんなに紅葉の事が殺したいなら、あたしから先に殺しなさい。あたし一人殺せないような奴が世界語ってるんじゃないわよ」

『もぉーっ!そんなひどい事言わないでよ、葵。私に人殺しの嗜みはないよ、それに私にはこちらの世界が地獄であろうが、崩壊しようがなーんにも貰えないし。私、ご褒美のない仕事はやらない主義なんで。ドヤさっ!まぁてなわけでそんなことに私が時間を割く必要もないってことだねぇ。だから私は紅葉ちゃんを殺さないよ』

「じゃあ、私が自分で死ねばいいですよ。そうすれば冬樹さん、光春さん、そして葵が暮らしているこの世界には平穏な日々が戻ってくる。もう誰も死なないし、子供が泣かなくて済む。そんな素敵な世界が私の命一つと引き換えにやってくるのなら、私の命、差し出す価値はある、そうですよね」


紅葉の満面の笑顔、そんな顔を見せられれば誰もが口を紡いでしまう。


「誰が、紅葉さんを一人死なせるんだよ。この世界のために命をささげる英雄が一人で死んでいくなんてふざけんなよ」

「何言ってるの、冬樹…」


葵の顔には化け物を見た時以上の青白い、得体の知らない何かを見たような恐怖に近い感情が張り付いていた。


「冬樹さん…。私、冬樹さんになら殺されてもいいですよ?」

「…。じゃあ…決まりだな」

「二人とも…?」


声にならない声で、目の前で繰り広げられる狂気の会話を止めようとする葵。あまりの恐怖に地面に体が吸いつけられたまま、立ち上がることはできずにいた。光春は、茫然とそこにたち尽くしたまま、目の前の悲劇をまるで他人事、フィクションであるかのように傍観していた。


そんな二人の様子を気に留める間もなく、冬樹は護身用に忍ばせていたナイフをいつも通り手際よく取り出し、刃先を紅葉の方に向ける。その刃先を向ける冬樹は目の前の紅葉すら目に写っていないようであった。


「冬樹さん、あなたがこれからすることは人殺しではありません。冬樹さんたちが暮らす、この楽しい世界を守るためです。さぁ…」

「…あ…ぁ」

そう言うと二人は抱き合うかのように距離を詰め、その刃先が的確に紅葉を貫く。


「っ…私…冬樹さんたちと過ごせて…とても幸せでし…た…」


「あ…あぁ…ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…!」


自分のしたことをようやく理解し発狂する冬樹により掛かる紅葉は、非常に穏やかな表情であった。

この瞬間世界は元の世界に変わり始めたのであった。



一つの人生を犠牲にして。




第1章「紅葉」 完


ようやく第一章終了です!本当はもっと細かく書きたかったんですが、それは時間があるときに追加という形のしようと思います。

今回の遊園地編だけで相当の情報が開示されたので、なにかまとめとか作ったほうがいいかな…?

キャラ詳細設定とか書いてほしいって思われたらぜひコメントしてもらえれば嬉しいです!

第1章お付き合いいただきありがとうございます!

第二章もご期待ください!!!

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