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桃(こうはく)~Hold hands with you~  作者: 4G
第1章 紅葉
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第41話

ポップコーンの売店から少し歩き進むと、冬樹と光春は突然人混みに遭遇した。どこからともなく流れてくる軽快な音楽はそんな人混みで揉みくちゃにされている二人の事をあざ笑っているかのようである。


「おいなんだよこの人混み!さっきのポップコーン屋ガラガラだったのに」

「パレードだよ。なんかやけに軽やかな音楽が聞こえてくるだろ。あとあんな甘ったるい匂いのポップコーンなんて誰も買わねぇだろ。ポップコーンはソルトに限るんだ。それより早くここから出ようぜ、もう無理だ」

「もう無理だっていいながら足の力抜くのやめろ、潰されるぞ」


冬樹が楽しみに残していた最後のターキーレッグがどこに消え、光春が首から下げていたバスケットについていた人形がどこかに行き、光春が大勢に踏みつぶされそうになりながらもどうにか二人は人込みを脱出して一息つくことができた。


「ったく、なんだよあれ。人に踏みつぶされるのってああいう感覚なんだな、俺はどうもはまりそうもない」

「なにきもいこと言ってんだ」

「いやーにしてもうまいなこのポップコーン。最初ハニーバターとか言うから頭とち狂ってんのかと思ったけど、いやー物は試しってこういうこと言うんだな」

「調子のいい奴め、食べるまでなんだこの甘ったるい匂いはだとか、ポップコーンはソルトに限るだろ、ハニー要素いらねぇよとかぶーぶー文句言ってたくせに」

「だから反省して物は試しって言う言葉の偉大さを力説したろ?もうこの話はやめだやめだ」

「はぐらかされた気がしてしょうがねぇけどまぁいいや。それより葵と紅葉さんを早いとこ探そうぜ」

「ターキーレッグにポップコーンっておいしいものばっかり食べてたから真の目的を見失うところだったぜ…。それを冬樹に教えられるのはめっちゃ癪」

「お前なぁ…おいしいもの食べるとあほの子になる癖いい加減直せよ!いっつもは気取ってるくせに何か食べてる時のお前は何だよ、頭の中ちょっとは食べ物以外のこと考えろ」

「へーい」

「はぁ…、早くしないと俺の修学旅行の思い出が光春とのワンダーランドデートに…」

「それは俺もいやだ。早いとこ探して修学旅行をちゃんと黒歴史の一ページから青春の一ページに戻そうぜ」

「そうだな。つってもそろそろワンダーランド一周しちゃうわけだが…」

「あいつらがあの後なにもせずに園内をうろうろしてるってことあるのか?例えばアトラクションに並んだり、どっかレストランに入って優雅に昼飯食べたり」

「あっ…」

「おいおい冬樹さんよぉーさっき俺のこと散々アホの子とか煽ってたくせに、自分の方がうん倍アホの子じゃねぇか」

「くぅっ…」

「どうせ葵の事だ、体力はそんなにないし暴走列車のコースターからそんなに遠くには行ってないだろう、んですぐにカフェに入りたがる」

「あいつカフェ好きだよな。あいつとどっか遊びに行ったときにすぐにカフェ奢らされるのなんとかなんねぇのかな、あそこで女の子感を出してもなぁ?」

「お前、それ聞かれたらぶっ飛ばされるぞ。葵だってちゃんと女の子なんだからカフェの一つや二つ好きでもいいだろ」

「まぁ…そうだな。じゃあカフェを探してみるか」

「そうだな、んっととりあえずここから見えるカフェは…、あっあそこにカフェがあるぞ」

「とりあえず俺たちも何か飲むか?」

「んだな」


色々物を食べ、歩き疲れた二人は一休みするために女子二人の捜索も兼ねたお茶休憩をすることにした。手早く飲み物を買い受け取った二人は何かに導かれるようにバルコニー席へと足を運んだ。


「あそこの席空いてるぞ……なぁ、あれ」

「ん…?あっ」


二人は席に荷物を置き、素早く見つけた人物の肩を軽くポンポンと叩いた。


「やっぱりここにいたのか」

「げぇ…」

「なにがげぇだよ、色気のない声を出しやがって」

「誰があんたなんかに色気ふりまくもんですか、あんたに振り撒くくらいなら道端にいるダンゴムシに振り撒いた方がまだましよ」

「葵―?その言い方は幼馴染みだからと言って冬樹さんに失礼ですよ?」

「うっ…」

「冬樹さんと光春さんはどうしてここに?追いかけて来たにしてはタイムラグがあったような気がしますけど…」

「あぁ、俺たち園内一周してきたんだよ。そんで、疲れたからお茶休憩しようと思ったんだよ」


そういいながら冬樹は自分たちが買った飲み物を持ち上げ紅葉たちに見せながら話を進める。


「そんで、カフェに入ったらたまたま二人がいたってわけ」

「まぁ、葵が大のカフェ好きだからわんちゃんカフェにいるんじゃね?っていいながらカフェに来たから俺たちの作戦勝ちかな」

「私の行動をあんたらに読まれてるのが悔しいわ…」

「まぁ、園内使った鬼ごっこに俺たちが買ったという事でおとなしくついて来てもらうぞ」

「…わかったわよ。ただ」

「ただ?」

「夜のショーの抽選したいんですよね、葵」

「えっ、え…えぇそうよ、ワンダーランドと言えば夜、お城の前でやるショーがド派手で幻想的でとっても有名なの」

「でもお城の前でやるってことはなにも抽選しなくてもよくないか?外なんだからどこからでも見えるだろ」

「あーダウトですね、光春さん。そのショーはお城の前の広場に仮設される椅子に座って見るのがいいんですよ」

「…そうなのか」

「まぁ紅葉の言う通りよ。そういうわけで抽選に参加しないといけないからジェットコースターはその後!いい?」

「まぁ、ジェットコースターに乗ってくれるならなぁ」

「そうだな、ただしまた逃げられたら面倒だから俺たちもついていくぞ。それでいいな」

「ちえっ。まぁいいわ、あんまり時間もないし私たちが飲み終わったらいくわよ」

「いや、俺たちが飲む時間は?」

「いつもみたいにラッパ飲みすればいいでしょ?」

「鬼め…」


わきあいあいとしたお昼のひと時、彼らの修学旅行の一日はまだまだ長い。


先週は急なお休みすみませんでした。体に蕁麻疹ができて、微熱もあり、体がだるく書くことができなせんでした。今は薬を飲んで収まっているので、予定通り投稿していきたいと思います。

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