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桃(こうはく)~Hold hands with you~  作者: 4G
第1章 紅葉
39/67

第39話

三日なんてあっという間でした、今日で連続投稿最後です!

「はぁはぁ…、ここまでくれば大丈夫じゃない?」


葵は息を弾ませながら、自身の手を引きながら前を走る紅葉に声をかける。紅葉はそれを聞くと足を止め、自身も軽く息を弾ませながらずっと疑問に思っていたことを葵に聞く。


「ところで葵、ずっと気になってた事があるんですけど…」

「ん?どうした?」

「さっきから話題になってる『絶叫』って何ですか?私よく分からなくて」

「あぁー、紅葉こういう遊園地に来るの初めてって言ってたもんね。えっとね、絶叫系って言うのはさっきみたいなジェットコースターみたいな速くて怖い乗り物の事なの」

「…?でもいっつも乗ってる電車もとっても早いですよね。今日も私電車でここまで来ましたけど、とっても速かったですよ」

「んー。なんて説明したらいいんだろ、電車とジェットコースターの違い…。風がびゅんびゅんなるとか…?」

「よく分かんないです…」

「だろうね。一回乗ってみたら?物は試しって言うし。あのバカ二人と乗ってくればいいかも」

「えー、葵が乗らないんだったら私乗りませんよ」

「あたしああいうの苦手で…」

「あー、だから頑なに乗らないって嫌な顔してたんですね。ふふっ」

「いや、何かおかしいところあった?なんで笑うのよ!」

「ごめんなさい。葵にも苦手なものがあるんだなーって」

「そりゃああたしにも苦手なものの一つや二つあるわよ」

「私まだ葵のこと知らないですね」

「それ言うならあたしも紅葉のこと知らないことばっかり。これからいっぱい遊んで色々紅葉のこと教えてね」

「いっぱい教えてあげます!」

「ふふっ、ありがと」

「じゃあ、手始めに私の事一つ教えますね」

「おっ、いきなりね」

「一生懸命走ったのでのどが渇きました」

「実はあたしも」

「ふふっ、じゃあちょっとお茶にしますか?」

「そうね、あそこにカフェがあるから入りましょ」


二人は近くにあったカフェに入り手短に注文と受け取りを済ませ、バルコニー席についた。

葵は軽くコーヒーをすすりながら、園内を行き交う人々の事をぼんやりと眺め、紅葉はそんな葵のことをじっと見つめていた。自身を見つめる視線にとうとう耐えきれなくなった葵は、コーヒーカップを置く。


「さっきからあたしのことじっとみてどうしたの紅葉」

「いやぁー、葵って冬樹のこと好きなんですよね?」

「えっ⁉ちょっ、今それ関係ないでしょ⁉」

「いえっ!大いに関係あります、だって見てください園内を行き交う人たちを」


そういいながら、紅葉が指さす先にはカップルカップルまたカップル。見渡す限りカップルが腕を組み、手をつなぎ、そこまでしなくてもいいだろというほどまでに体を密着させ歩いていた。


「そそそそりゃぁー遊園地は恋人とのデートスポットのド定番だから、いっぱい歩いてるわよ」

「だからこそですよっ!葵は冬樹さんと一緒に園内を回らなくていいんですかっ⁈」

「ええっ…」

「ここで怖気着いてどうするんですかっ!修学旅行は青春のビッグイベントぉっ!ここでしかけないでいつ仕掛けるって言うんですか⁉今しかないですよっ」

「ちょストップストップ。なんで紅葉、修学旅行の事そんなに詳しいのさ」

「それは、葵が読み漁ってた少女漫画『星よあたしのスターよ』の6巻、修学旅行編でヒロインが力説してたからです」

「えっ、紅葉いつあのマンガ読んだの⁈いっつもあたしが読みふけってるから読む暇ないはずなのに」

「葵が学校行ってる間です。もうほとんどの台詞は暗記しちゃいました」

「あたしよりもガチ勢じゃん…」

「ってそんなことはどうでもいいんです。どうするんですか、いくんですか?いかないんですか⁈」

「なんか、こういうのって女子から行くのは違うと思うのよね。やっぱり、しっかり男子の方から思いのたけをぶつけてほしいというか」

「ちーがーうーっ!そうじゃないでしょ、好きならしっかり思いぶつけにいくべきでしょ。絶対いつか後悔しますよ⁉この修学旅行という恋愛ブースティングがかかってる今行くべきなんです」

「なんか、いつもの紅葉のキャラじゃない…」

「この際だれがキャラを気にしますか?私の事はどうでもいいんです、話をそらさないでくださいっ!でどうするんですか、行くんですか?行かないんですか⁈」

「うぅっ…、いきます」

「声がちっさい!」

「冬樹に一緒に回ってくれるように声掛けに行きますっ!」

「よろしいっ!よく言いました葵っ!私は協力しますよ」

「でもどうやって…。今までああいう態度で冬樹に接してきたから今更どうやって冬樹に声かければいいか分からないわ」

「じゃあ私を冬樹さんだと思って予行演習してみましょう。さっさっ」

「わっ、分かったわ。んんっ。ふっ、冬樹がどうしても私とワンダーランド回りたいって言うなら一緒に回ってあげてもいいわよ」

「なんですかそれ。ツンデレの二番煎じもいいところですよ」

「うっ…、手厳しい…」

「そういうのいいですからちゃんとやってください」

「えっとそれじゃあ…。冬樹ぃっー。いっしょに回ってくれないとあたし泣いちゃうぞっ」

「なんですかその気持ち悪いキャラ付けは。ぶりっこでもそんなことやりませんよ」

「くっ、星スタで知識を付けた紅葉を納得させるのは難しいわね…」

「言い訳はいいですから、早く!どんどん冬樹さんと一緒に遊園地回れる時間少なくなっていきますよ」

「うぅっー…。それじゃあ…。ふっ、冬樹。あたしと一緒にワンダーランド回りなさい」

「んんー。まぁ、葵らしいっちゃ葵らしいですし、端的に要件言えているので及第点ってところですかね」

「さっきから評価が厳しいわね。それじゃあ聞くけど、もしも紅葉があたしの立場だったらなんていうの」

「それはだめですよ葵」

「えっ?」

「こういうのはちゃんと自分の言葉で伝えないと。葵の純粋な気持ちを冬樹さんに正面からぶつけるから冬樹さんの心を動かせるんです。人からもらった偽りの言葉なんて全く心に響かないと思いますよ」

「…確かに」

「素直な葵の事好きですよ」

「あぁーもうっ!紅葉最近あたしの扱いなれてきてないっ⁈」

「そりゃー葵と一緒にいる時間長いですから」

「あたしも紅葉の扱い上手くなりたいーっ!」

「ふふっ、それじゃあ葵はあたしのこともっと研究しなきゃだめですね」

「頑張るわあたし」

「それじゃあ、その勢いのままに冬樹さんを誘いに行きましょうっ!」

「がんばります…」


完全に紅葉に主導権を握られた葵は、コーヒーをもうひとすすりする。


「うえぇ。にがぁー」


その苦みは、コーヒーの苦さだったのだろうか。園内にはお昼のパレードの開始を告げる軽やかなBGMが流れ始めた。


三日連続お付き合いいただきありがとうございます!

突発的に思いついたことなので話の内容の重要度など考えていませんでしたが、連続投稿するする詐欺の疑いを晴らすことはできそうです。(え?)

時間が取れればまた連続投稿したいと考えております。

これからもこの作品を読んでいただけると幸いです。

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