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桃(こうはく)~Hold hands with you~  作者: 4G
第1章 紅葉
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第25話

遅れて申し訳ない…か、書くのを忘れてたわけじゃないんだからね!

「そろそろあんたも思い出してきたんじゃない?なんであたしがあんたに『へいは一回!』なんて言うようになったか」

「う~ん…」

「はぁっ?まさかあんた忘れたっていうの?」


冬樹のどっちつかずな態度にむかついた葵は、勢いよくソファーから立ち上がり、顔を冬樹の顔すれすれまで近づけて鋭い眼差しで冬樹の事を睨みつける。

一方の冬樹は、葵が立ち上がり自分に顔を近づけてきた直後からおろおろして、顔を赤らめている。何かに耐えきれなくなったのか目線を葵から逸らした冬樹だったが、すぐに葵がかみつく。


「なに?怖いなら怖いって言いなさいよね。何よさっきから、あたし怒ってるんだけど。顔背けるとかどういうつもりよ」

「その…」

「なによ」

「めっちゃ見えてるぞ…」


そう言う冬樹の目線は葵の顔…ではなく、葵の胴から垂れ下がっている立派な二つ山に注がれている。お風呂上がりで完全に油断していた葵。家でのリラックスタイム用の薄いゆるゆるの服を着ていて、ブラもしていなかったがために、冬樹の目線の高さからは葵のあれが見事に見えてしまっていたのであった。


「なっ…///」


冬樹の目線のたどり、冬樹が何に顔を赤らめていたか咄嗟に悟った葵は、すぐに状態を起こし、胸を隠すように腕でガードする。口をパクパクしているが、言葉が出てこない様子だ。


「あ、葵?」

「…みた………?」

「へっ?」

「あたしの見たかって聞いてんの!」

「………みてない」

「何よ今の間!絶対絶対ぜったーい見たでしょ!この変態、冬樹のおたんこ那須!!!!」

「いや、流石に不可抗力だろっ」

「うっさいっ!」


葵はそういいながら、頭からソファーにダイブし、クッションで頭を隠しプルプル震えている。


「ごめんって葵」

「だれにもみられたことなかったのに」

「だからごめんって…」


冬樹は知っていた。この超絶はぶてモードに入った葵は、なかなか機嫌を直してくれないことを。困ったように頭を搔きながら、冬樹はこの状況を打破する施策を考えていた。


「そういえば」

「……なによ。あたしのがちいさかったって言うの」

「いや、お前のは身長と似合わず超ビックサイズだろうがって…あっ…」

「やっぱりみたんじゃない!」

「あっ、いやぁっ、そうじゃなくて…、さっきの話の続き!なんで俺がお前から『へいは一回』って言われるようになったのか教えてくれよ』

「いまそんなきぶんじゃない」

「お前が振った話だろ。ちゃんと最後まで話せよ」

「……さっきの話の次の日かその次の日かの話よ」


口では何を言っても、結局根は素直な葵の事を可愛い奴めと思いながら、冬樹は葵の話に耳を傾けた。


――――――――――――

――――――――――――


「…どうしたんだよ葵」

「なによ」

「いや、むすっとしてどうしたんだ。せい…」

「しねっ!」

「ぐはぁっ!………いっ、いきなり何すんだよ!」

「あんたがデリカシーがない事言うからでしょうが」

「せい…」

「だからっ」

「ぐはぁっ!おい何すんだよ!俺はただ清少納言って言おうとしただけなんなんだぞ!なんで殴られなきゃいけないんだよぉっ!」

「あんたが紛らわしいこと言うからでしょ」

「葵は何と間違えたんだよ。お前の方がエロいんじゃないか?」

「しね!」

「いや、純粋なしねは流石の俺でも傷つくんだが」

「じゃあ言わなきゃいいでしょうが」

「はぁ…、はいはい分かりましたよ」

「……ねぇ」

「まだ何か言いたいことがあるのか?」

「ずっっっと思ってたんだけど、そのはいはいって返事やめて」

「…?俺そんな返事してないぞ?」

「そんなわけないでしょ!あたしが何言ってもはいはいはいはいはいはいはいはいはい…。あたしのこと舐めてるの?馬鹿にしてるの⁇」

「いやっ…」

「ずっと思ってたけど言わなかっただけ!ずっとむかついてたんたんだよっ!」

「はい…」

「これからあのふざけた返事したら、もう我慢の限界!容赦なく腹蹴りしてやるからね」

「…へい……」


――――――――――――――――――

――――――――――――――――――


「どうしたのよ、そんなぶるぶる震えて」

「いやっ…あの時怖かったなって。あの時の恐怖がよみがえってきて怖くなった」

「あんた語彙力が退化してるわよ」

「語彙力が退化するくらい怖かったんだよ」

「まぁ確かに、あの日以来あんたがあたしにはいはいって返事すること、今日まで無かったわね」

「それが何よりの証拠だ」

「まぁ確かにそうね。でも最近はへいへいうるさいけど。あんたはナンパ男か」

「もしかしてへいも………」

「まぁ、うざいっちゃうざいけど、はいはいよりは怒りは少ないわ。でもあんまりしつこいとまた…ね?」

「うっ…。気を付けます」

「やけに素直ね」

「お?なんだ、また痴話喧嘩か?」

「「だれが夫婦だ!」」

「ほらな」


お風呂から上がってきた光春はリビングに入ってくるなりいつ通りにぎやかで騒がしい二人の様子を見てさっそくちょっかいを出す。


「あれ、紅葉さんは?」

「あんたがお風呂に入った後すぐに寝たわよ」

「ははぁーん。リビングという密室に若い男女が二人っきり。なにもないはずもなく…」

「「なにもねぇーよ」」

「あはは!相変わらず仲いいなお前たち」

「お前俺のこと好きなのかよ。真似すんなよ」

「……だっ、誰があんたのこと好きになるもんですか」

「初々しいな~」


三者三様の想いが交錯するリビング。夜は新たな明日を連れて更けていく。

来週の投稿は私情のためお休みします。再来週の金曜日までお待ち下さい。

日本の四季がないように思うほど急に寒くなって来たので、こたつを急遽出動させました。こたつ最強アッタケー

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