第6章
〜出歩いて…落っこちて・第6章〜
紅が人型に変身し、僕の中のわだかまりが解消されたあの日から5日目……。
次の日には犬に戻るかなと思っていた紅は…
「おいかなめ!こっちだ!早く行くぞ!」
「こら紅!服引っ張るな、伸びる!」
……いまだに人型です。
どうやらまだ力をコントロールできないらしく、自分では戻れないとの事。
まぁ、“別のやり方”で戻せるから、とくに問題は無いからいいんだけどね。
「かなめぇ〜!はやく来い〜!」
「わかったから引っ張らないの!服伸びる!」
さて、今僕らは何をしているかというと…
「紅ストーップ!ココに隠し扉がある!」
「おお!ほんとか!?」
なんとダンジョンに来ています!
いやね?イマジンツールとか覚えたから、もっと探検してみようと思って、まだ行ったことがなかった森の南側を探検しに行った所、偶然にも入り口を発見したのです!
こんな面白そうなのあったら当然入るでしょ!って事でダンジョン探検しています。
いかにもダンジョンって感じが知的好奇心を刺激します!!
でもたった一つだけ問題があってね…ここ予想以上に…
「じゃあいくぞ!」
「まって、罠が無いか調べるから。」
――罠の難易度が高いダンジョンだったんだよね。
「さて、“サーチ”」
僕の手から光の玉が現れ、周りを照らして危険なモノが無いか調べてくれる。
とりあえず何もなさそうだ。
このダンジョンの来てから習得した新しい魔法……探査魔法サーチ。
ネーミングと効果もそのままだけど、トラップが妙に多いこのダンジョンでは重宝している。
この魔法を覚えたのは、最初このダンジョンに来た時に落とし穴にはまったのが原因だった。
結構深めで、幸いなことにトゲとかは無かったけど、このまま進むのは危険だと判断した僕は、新しく探査が出来る魔法を作る事にしたんだ。
それがサーチ…微弱な魔力を放ち、対象をスキャン出来る魔法だ。
最初は簡単なモノしかスキャン出来なかったけど、何回か使う内にコツを掴み、どんなものも解析出来る様になった。
コレが意外と便利!トラップだけじゃなくて、装備や持ち物の付属効果、更には何と対象にした生き物のステータス等も解析できるのだ!
使うと僕にしか見えない空間パネルみたいなモノが現れて、そこに解析結果が現れるって感じ。
お陰でココに来てようやく紅のLVとステータスが判明したんだ。
ちなみに彼女の現在のステータスはこんな感じ。
HP(体力)……………………5180/5180
MP(精神力)…………………1130/1130
LV(現在のレベル) …………LV54
EXP(現在の経験値) ………670/5503
STR(力の強さ)………………8570
INT(知性) ……………………252
DEX(器用さ)…………………350
AGL(素早さ)…………………530
ATK(物理攻撃力)……………8573
MAG(魔力) ………………… 252
CON(耐久力)…………………4067
HIT(命中率)………………… 654
AVD(回避力)…………………530
RDM(物理防御力) …………4067
RST(魔法防御力)……………526
LUC(幸運)……………………900
AP(アビリティの装備容量) 60/60
CP(技及び魔法の装備容量)…80/80
どうやら彼女もあの自称神に色々ステータスのボーナスを貰ったっぽい。
僕とは違い、彼女は攻撃力に優れ、次点に耐久力、そして後はバランス良く割り振られていた。
完璧に前衛向きだなコレ。
――ちなみに僕は今LV29なので、彼女は僕よりもLVが高い。
まぁ僕の場合、一日の前半は魔法の訓練に費やしてるから、
森で毎日魔獣と戦闘をしている紅よりもLVが低いのはしょうがない。
でもさ…………彼女僕の百倍以上―――幸運値高いよね?…なんだか世知辛いね。
まぁ僕のステータスが変なのは、この際置いといて、コレのほかに新しい手帳の機能が解った。
―――その機能とは…“サーチ仲間登録”。
これは文字通り、サーチで解析した生き物を仲間リストに加える機能だ。
なんでそれが解ったかというと、以前紅にサーチを掛けた際、空間パネルの隅に仲間にしますか?っていう表示が現れたんだ。
そんでとりあえず紅に仲間になってと言い、それを彼女が承諾すると、突然僕の手帳が淡い光を発して空中に浮かんだんだ。
これにはビックリして、その光景を見ていたんだけど、
その内に手帳の光はまっすぐ紅に伸び、彼女を包み込むと、フッと消えた。
んで、その後手帳を見ると、彼女が仲間に登録されたってわけさ。
コレの良い所は、仲間リストの仲間をパーティーとして登録出来るって事。
パーティーに登録すると、特典としてどちらかが経験値を得ると、相方にもそれが反映されるっていうパーティー経験値が出来たって事。
また他にもアビリティの共有とかもあって、パーティー組んだ相方にもアビリティの効果が現れるっていう特典があったんだ。
コレのお陰でそれぞれが倒した分だけLVが上がりやすくなったのだ!便利すぎ!
あと、最初でもちょっと言ったと思うけど、パーティーに紅を入れる事で、彼女のスキル欄にある変身っていうスキルを手帳を介して操作する事が可能になった。
なので、犬型と人型を僕が操作出来るって訳だ。
まぁ一応本人の気分で犬になるか人になるか決めて貰ってるけどね。
今のところ人型なのは、人間の姿での戦闘に慣れる為らしい。
でも、慣れて無い筈なのに妙に戦う姿は様になってるんだよね…何でだろ?
きっと戦闘センスが物凄いんだ。そうに違いない。
良く見ると、何かの武術の型っぽいけど…気のせいだ…多分。
――まぁそんなこんなあったけど、ただいまダンジョン探索中。
石を組んで作られたこのダンジョンは、イメージ的にはインカの空中都市マチュピチュの石組に近い。きっちりとカットされ、一ミリの隙間も無いそれは建築技術の高さを思わせる。
あー考古学者になったみたい!あの、テンガロンハットと鞭がトレードマークの博士…
――ガキ…ゴトン
「ん?なんだ?」
「なんか音がしたよね?」
――ゴロゴロゴロ…
「なんだか…物凄く嫌な予感がするんだが…」
「紅もそう思う?なんと無〜く何だけどさコレって…」
僕は後ろを振り向く……そこには転がってくる大きな岩が…見落としたトラップですね、解ります。
「お、大岩が転がってくる!?……に、にげろーー!!」
「くそーーーー!!」
まっすぐ続く通路を全力で走り抜ける僕達。
あんなベタなトラップまであるなんて…ある意味絶句モノだね。
「いやぁぁぁーーー!」
「お約束過ぎるだろうアレはぁぁぁ!!」
後ろを見ればロードローラーもビックリな大岩…
道路で潰れたカエルみたくなるのは嫌です!
「紅、左にまがれ!」
「了解!」
二股に分かれた通路、僕達は左に曲がる。
転がって来た岩は右にそれてくれた為なんとかなったけど…。
「「こ、こわかったぁ〜」」
こんなお約束なトラップはもうこりごりだね。
そう思った僕はより慎重に通路を選び、石橋を叩いて渡るの精神で気をつけて進んだ。
だけど…不思議な事に、何故かあれからお約束な類のトラップは出てきていない。
ネタ切れでも起したのかな?
でもまぁ、油断はできないので警戒はしておく。
潰されるとか貫かれるとか斬られるとか言うのは勘弁だもんね。
その後もトラップに気をつけて進みながら、時折現れる魔獣も適当に切り捨てる。
こういった遺跡系ダンジョンにはお約束なミイラ型の魔獣も居たけど、切り捨て御免に処した。
とりあえず成仏しといてね?化けてこないでよ?怖いから。
でも、ミイラ型とかの他に、偶にゾンビ系も混ざってるらしい。
なんでかって言うと、明らかに冒険者風のいで立ちの元人間が混ざって、襲いかかって来たからね。
もっとも、死体とはいえオークスタッフに付与したイマジンツール・ソードで簡単に切り捨てられたけど…あんまりいい気はしないな。
人型だから余計に…ね。
とりあえず僕に出来るのは、ミイラ系は炎熱変換を付けたイマジンツール・ソード(以下ITソード)で燃やして、
比較的新しいゾンビは、一度切り捨てて装備を探ってから燃やす事しか…。
なんだか死体あさりみたいだけど…使えるモノを燃やすのは得策じゃないしね。
もっともほとんどの装備が腐ってるから意味なかったけどね!!……むなしい。
その後も通路を歩き続ける僕たち、時折出てくるゾンビ&ミイラを倒していると、ふとこんな事を思った。
「なんだか、ゾンビ系が多いなかなめ。」
「だね、あのウィルスでもあるのかな?」
「あのウィルス?なにそれ?」
「感染させると感染者をゾンビに変えちゃう架空のウィルス。ちなみに噛まれた人も感染する。」
「げ、やだなぁソレ…とりあえず噛まれないように気をつけようぜ?」
「うん、そうだね。」
まぁ多分そんなのは無いと思う、だってあの死体達は明らかに魔力で動かされてたし、
サーチでの解析でも、生体ゴーレムとかのカテゴリに入ってたしね。
多分このダンジョンで死ぬと、ダンジョンの中の魔力と何らかの魔法の力が働いてゾンビにされるんだと思う。
ようは死ななきゃ大丈夫ってことだ。
「とりあえず奥に進もう!」
「おう!」
僕たちはずんずん遺跡の奥に進んで行った。まぁ、森よりか敵は強いけど、元々異常に高い能力値の僕達。
おまけに僕は炎熱系魔法が使える為、楽勝だった。
敵が死体だから、動きがゆっくりで単調なのも簡単に勝てる要因だ。
――しばらく壁沿いに進むと、扉があった。
とりあえずサーチを掛けてみたが、解析結果では罠は付いていないし、中は只の部屋のようだ。
警戒は怠らずに部屋の中に入ってみると…そこには…!
「箱があるぜ?」
「ああ、いかにもな宝箱ってヤツだね」
部屋の中心に鎮座する宝箱…どう見ても罠です
「開けてみる?」
「?かなめ、何警戒してるんだ?」
いや…だってねぇ?
「いかにもって感じすぎて…なんだか罠っぽいんだよね。ミミックみたいな奴だったら怖いし…」
「ミミック?」
「魔獣の一種で、宝箱や置物に擬態して、ノコノコ近づいて来た冒険者をぱっくり食べちゃうヤツだよ。身体が無機物だから武器が効きづらいのもネックだね。」
「……こわいなソレ」
まぁミミックが本当に居ればね?
でもせっかくの宝箱、もし本物なら…捨て去るのはなんかもったいない。
「とりあえずサーチ入れてみるよ」
――サーチを発動し、解析を掛ける。
「………」
「どうだ?かなめ」
「……なにも無いみたいだね。でもちょっと後悔…」
「へ?何でだ?」
「宝箱の中身も解っちゃった。」
――――ヒュールルー
何処からともなく、さびしい風の音が聞こえた。
トラップ回避の為、致し方無いとはいえ…なんか複雑。
「あー、それでかなめ。中身は何だったんだ?」
「うーんとな?解析結果だと、三つ程装備品が入ってて、二つ武器で一つが防具だよ。武器の方はポールアックスっていう長柄武器で槍と斧の合いの子。もう一つの方は剣で、形状としてはフォルシオンっていう、力で叩き斬るっていうのを目的とした剣だと思う。」
あまり詳しくは無いけど、どちらもゲームで良く登場するから良く覚えてる。
「どっちも壊れないようにするために、魔法で強化されている以外は普通の武器だね」
「ふーん、防具は?」
「胸当て、ただし素材が凄い!魔法金属ミスリルだってさ」
ホントかは解らないけど、サーチの解析の結果はそう出ている。
しかし、ファンタジーの代名詞の魔法銀ミスリルか……ホントにどうなってんだろう…この世界。
魔法がある時点でアレなのに、さらにミスリルって…まさかオリハルコンとかもあるのか?
まさかねぇ…まぁいけどさ。
「なぁかなめ、みすりるってなんだ?すごいのか?」
……とりあえずこの子には凄いって事だけ教えとこ。多分詳しく言ってもわかんないだろうし…。
「とりあえず、紅は胸当てと剣を装備してくれ。僕はポールアックスを貰うよ。」
「おう解った…………なぁかなめ」
「どうしたの?」
「いやな?防具の付け方わかんねぇ…。」
「………………………」
仕方無いので付けてあげました。
――――さて、どんどん奥に進んでいく僕達。
さっき入った部屋と似た様な部屋が幾つかあり、宝箱があると解った部屋には全て入った。
当然、宝箱は全部開けた。
「かなめ!飲み物が入ってるぞ!」
「それはジンだね。薬草を漬け込んだ薬酒「ぶーっ!まずい!」ああ!もったいない!」
いきなり飲むなよ!?ダンジョンの医薬品は結構貴重品なんだぞ!?ああ…折角のお酒が…。
他にも…
「なんか布が出てきたぞ?」
「コレは…(解析中)…男性用ローブだね。かなり防御能力が高いな…ちょうどいいから装備しとこ。」
強い防具を手に入れたり…
「指輪だな?」
「シンプルなデザインだけど…(解析中)…凄いな。AGLとAVD…要するにスピードと反射神経が倍になる効果付きだなんて…コレは是非紅が付けるべきだね♪紅は前衛なんだし、シンプルなデザインだから結構似合うと思うし…。」
「そ、そうか?」
「うん、さ、装備しようか?」
「………」←黙って左手を差し出す紅
「手帳でこうやって…はい装備完了!…ん?何で左手こっち向けてんの?」
「…な、何でもねぇ…」
「???」
凄いアクセサリーを手に入れたり…
「コ、コレは!」
「骨付き肉…だと…」
「し、しかもマンガ肉…」
「「…ゴクリ。」」
食べ物を見つけたり…
「紅!なんで勝手にあけたのさぁ!」
「今までトラップ無しだったから平気だと思ったんだ!なんで開けた途端、魔獣が出てくるんだ!」
「そんなことより今は迎撃!」
魔獣トラップ付きだったりした。
うん、冒険してるって感じ。
――そしてとうとう…
「どうやらココが最深部みたいだね。」
「敵も弱いし、落ちてるものは良いモノばっかだし、いいダンジョンだな!」
「………(僕らのステータスがおかしいんだと思うよ)」
色々あったけど、やっとこさ最深部にたどりついた。
目の前には今までの扉とは一線を化す、重厚なまさにソレ!って感じの扉…つーか門。
「絶対こう言うのって、ボスが住んでるんだよね。」
「そーなのかー?だったら燃えるぜ!」
「定番の王のミイラかな?それともミノタウロス系?まぁ、どっちにしても倒すけどね。」
最近バトルジャンキーになりつつあるなと思いつつ僕は扉に触れる。
すると力を入れていないのに扉が開き始めた。
「行くぜかなめ」
「ああ、なんだかワクワクするよ」
僕らは扉の中に入った。
中はかなり広い大広間だった。
どん位かというと、学校のグラウンド位かな?
こう言うところって無駄にひろいよねぇ〜と考えていると…
ゴトン…
何かが動く音が聞こえた。其方に顔を向けてみると…
「ド、ドラゴン…だと…」
「トカゲだとッ…」
「いや、トカゲでは無いと思うよ紅…」
「オオトカゲだと…」
「まずはトカゲから離れようよ」
大きなドラゴンが、カマ首を上げこちらの様子をうかがっていた。
なになに!?ボス戦なのか?というかこの世界ドラゴンまでいるの?!
室内なのにその羽根は必要あるの?というかどうやってココにはいったんだ?
ご飯は何食ってんの?トイレはどうやって……ゲ、ゲフン!
……なんだか思考が別の方面にずれたけど…
「かなめ…どうする」
「相手、次第かな?」
見逃してくれる期待を込めてドラゴンを見るが…
「グルルルル…」
どう考えても…殺る気満々です。
まぁ、どう考えても僕らはドラゴンのテリトリーに侵入した敵な訳だから怒るのも当然な訳で…
「しょうがない!戦うよ!紅!」
「おうともさ!俺の速さは並みじゃないぜ!!」
……彼女いつそんな決め台詞作ったんだろう?
「よし!倒した!」
「い、一撃だと…有り得ねぇ…」
先制攻撃のつもりで、ダンジョンが崩れない程度で魔法を一発。
何故かそれ一発で倒されるドラゴン…ちょ!いくらなんでも弱く無いですか?!
ココはもっと手に汗握る戦いってモノになるんじゃないの?!
……まぁ、そうなるのは勘弁だからいいですけどね。
で、倒したドラゴンなんですけど……なんだか光の粒子になって消えていきます。
多分魔法生物だから死ぬと魔力に戻るとか言う、そう言うヤツだと思う。
だって………さっきから物凄い量の魔力に還元されてるんだもん。
部屋が密閉されてるから、物凄い魔力の密度と濃度。
お陰で息苦しい位だよ。
「あ〜あ、結局俺剣振って無いぜ。」
「でも怪我無しで倒せたからいいじゃないか」
「いや、でもなぁ。かなめに飯食わせて貰ってるこの身分としては、せめて戦いで役に立ちたいという矜持がなぁ…」
「ふふ、ありがと紅。大丈夫今でもちゃんと役に立ってるからさ。」
「そうなのか?」
「うん、さみしい時に誰かがそばに居てくれるのって嬉しいもんなんだよ?」
「う〜ん、なんか俺が考えてる役に立つのとは違うような?」
耳をパタパタさせながら考え込む紅。
心なしか尻尾も揺れている…アカンで、その動きは可愛い過ぎる。
まるで犬みたい…って彼女は元々犬か。
ま、ソレは置いといて、彼女は実際結構役にたっているんだよね〜。
話し相手してくれるし、匂いで獲物の追跡出来るし、
何より近接戦闘のスキルが高いから、僕としてはとても助かってる。
「まぁまぁ、何なら家事でも覚えてみる?」
「………遠慮したいとこだけど…役に立てるのか?」
「まぁ、いつまでも僕が家事やるのも大変というか…せめて掃除位は覚えてほしいかな〜なんて」
「……考えとくぜ」
そう言って、違う方を向いた紅の頭を、僕は偉い偉いと言いながら無意識で撫でていた。
紅は撫でられる時最初の頃はピクッと反応して払ったりしたけど、最近では僕の手を払う事はしない。
大分僕の事を信頼してきている証だと思う。
ちなみに僕が彼女を撫でる理由は特に無い、なんかそうしたかったからだ。
なんとなくペットを撫でる感じかな?もしくは妹とか弟を撫でてやる感じ?
まぁそんな感じだと思う…多分。
ちなみにそんな事してる内に、ドラゴンは身体のほぼすべてが魔力に変換されてしまった。
後にはカギと宝珠みたいなものが残されている……。
「宝珠はともかくとして…このカギは絶対あそこのカギだね」
「だろうな」
僕らが視線を向けた先。
そこにあったのは、さっきのドラゴンによって守られていた扉だった。
最初はドラゴンの影にあったから見えなかったけど、ドラゴン死んだので今は良く見える。
「こう言うのは大体、宝物庫への入り口なんだよね」
「なるほど……ところでほうもつこってなんだ?」
「……宝箱だらけの部屋のことだよ」
「おお!なるほど!」
とりあえず宝珠は後で調べるとして、奥の扉へと向かう。
カギは確かにこの扉のモノだった。
南京錠みたいなヤツにカギを差し込んだ所、ガチャっといって扉が開いたんだ。
でもさ、何でドラゴンがコレのカギ持ってんだろう?
身体の中に仕込まれてたっぽいから自分では開けられないだろうに……謎だ?
まぁ、とりあえずその事は置いといて部屋に入ると、予想どうりそこは宝物庫だった。
金銀財宝は言わずもがな、何故か金で出来た誰かの彫刻まである。
金銀財宝は持っていても使い道が今のところ無いしかさばるので、
使えそうなめぼしいアイテムとわずかな金貨と宝石だけを持って、僕たちは宝物庫を後にした。
ちなみに、このダンジョンを終えて、マイホームに帰ってから手帳を調べるた所。
僕はレベルが3くらい上がっていた。でも相変わらず幸運値が増えないのね…。
紅の方は5くらい上がっていた。
………相変わらず幸運値高いなぁ…いいなぁ。
・かなめ
HP(体力)………………………3230/3230
MP(精神力)…………………6130/6540
LV(現在のレベル) ……………LV32
EXP(現在の経験値) ………2470/10056
STR(力の強さ)………………105
INT(知性) ………………… 8940
DEX(器用さ)…………………82
AGL(素早さ)…………………194
CON(耐久力)…………………78
ATK(物理攻撃力)……………116
MAG(魔力) …………………8970
HIT(命中率)…………………85
AVD(回避力)…………………171
RDM(物理防御力) …………103
RST(魔法防御力)……………885
LUC(幸運)……………………9
AP(アビリティの装備容量) 113/129
CP(技及び魔法の装備容量)…53/139
・紅
HP(体力)……………………6630/6680
MP(精神力)…………………1200/1200
LV(現在のレベル) …………LV59
EXP(現在の経験値) ………2670/15403
STR(力の強さ)………………8630
INT(知性) ……………………292
DEX(器用さ)…………………380
AGL(素早さ)…………………600
ATK(物理攻撃力)……………8630
MAG(魔力) ………………… 292
CON(耐久力)…………………4700
HIT(命中率)………………… 704
AVD(回避力)…………………530
RDM(物理防御力) …………4317
RST(魔法防御力)……………578
LUC(幸運)…………………900
AP(アビリティの装備容量) 75/75
CP(技及び魔法の装備容量)…100/100