第41章
うーん、むずかしい。
~出歩いて…落っこちて・第41章~
突発的に起こった戦闘、その理由は“野望を聞かれた”という些細なモノだが、己の持つ価値観とやらは人それぞれだし、人が戦う理由とはそう言ったモノの方が多い。
だが、価値観が違えば人はぶつかるのが世の常である。
そして、今僕の前でも、ホンの“些細”な事で生じた争いが起ころうとしていた。
「まずは小手調べといこう」
正直、戦いたくないのが本音である。
このダンジョンに来た目的は、ヴァルさんに頼まれた最古の魔導人形を探す事。
なので、この戦闘は本来なら回避されるはずだった。
「ハッ!偉そうに何様だっての!行くぜチビ助!」
「チ、チビ助とか言うんじゃないッ!!」
「紅、あおらないの!幾ら本当のことでもね!ソレが礼儀ってヤツだよ!」
「お前が一番無礼だぁぁぁッ!見てろぉぉぉ――」
でも、その野望がねぇ・・・魔法で背を大きくするとかだったもんで・・・。
ソレでつい僕達三人は噴き出してしまい、その所為で見つかったとか・・・。
はぁ、間抜けすぎる。ソレで見つかってしまった自分がね。
僕はどこか抜けてるとは理解しているけど、コレじゃホントに只の間抜けじゃないか。
「“現れろ!我が元に集いし死屍達よ!無限の軍勢に呑まれ新たな死屍とかせ!”」
『ん!?これは召喚魔法!』
「軍勢を呼び出す?・・・スケルトンか!?」
色々と考えたところで止まってくれそうな雰囲気じゃ無い。
安直かもしれないが、ここはやはり戦って相手を止めるべきだろう。
むしろ相手がやる気満々な為、こちらも手を抜けないのだ!
「くくく、倒しても倒れぬ軍勢に呑みこまれて、我が下僕となるがいい!さぁ来い我が下僕!“戦う為に蒔かれた者達”(ウォー・スパルトイ)!!」
グレットがそう叫ぶと、5つの魔法陣が現れグレットを中心にして回り始める。
そのまま魔法陣は線と線で結ばれていき、大魔法陣が展開された。
「ッ!なんて魔力!」
『流石は不死の魔法使い、周辺の術式から必要な魔力を集めています』
僕よりか・・・いや、僕と並ぶ位の魔力が渦巻いていくのが解る。
ピシピシと遺跡の内壁にひび割れが生じるくらいの振動が魔法陣から発せられていた。
しかも、目の前の存在が持つ研磨されている魔法技術は、恐らく僕よりもずっと上である。
・・・・・コレは本気で不味いかも知れない。
【【【【カラカラカラ】】】】
「げ!またあの骨かよ!」
『スケルトンキングも混じっています!気をつけて!』
魔法陣を通して行われる召喚によって、不死の兵士・・・。
いや、疲れる事のない兵士たちが再び僕達と対峙する。
とりあえず、することはアレで良い・・・
「よし!ブラスト!」
まずはブラストでけん制、敵の動きを止めてやる。
その隙に紅が前列のスケルトンをまとめて数体叩き斬った。
当然キングの力で、スケルトン達は再生されるけどソレが狙い目。
「ウィンディ!」
『はい!』
魔力を用いてスケルトンキングはスケルトン達を再生させる。
だがその間スケルトンキングは動かなくなるのは、さっきの戦闘で見ていた。
つまり仲間の再生中は絶大な隙が生じていると言う事だ!
『アクエリアス・ハンマー!』
≪ドパァァァンッ!≫
そして襲い掛かる大量の水、水滴が意思を持っているかの如く、スケルトン達を包み込む。
さて、ここまでくれば後はご理解いただける事であろう。
「アイシクルブラスト!」
≪カキーン!!ズズン!≫
凍らせて閉じ込めるだけですね。フリージングして鮮度をそのままにってね。
敵は魔力がある限り再生しちゃうし、それなら凍らせて閉じ込めた方が早い。
さっきと同じ戦法だけど、シンプルな分効果はある。
「あ、あらー・・・・」
なお、それをみてグレットは口をあんぐりと開けて驚いていた。
なにせ先ほど召喚したスケルトン達は、巨大な水滴を凍らせた氷山の様な氷の中に閉じ込められている。流石にこれには意表をつかれたらしい。
「ぼうっと突っ立ってんじゃねぇ!」
そしてそこに紅が飛びこんだ。至近距離での加速なら、僕よりも速さは上の彼女だ。
既にレンジに捉えられたグレットは避けられない・・・のだが。
≪ガン!≫
「―――イッツゥーー!」
何かバリアみたいな壁に防がれた!魔法障壁か!?
思いっきり振りかぶっていただけに、その衝撃はかなりのモノだったらしい。
紅の手が、剣を持つ手が震えている。
「ふん、やみくもに突っ込んでくるとは―――お前はバカか?」
「なに?ぎゃんっ!」
『「紅!」さん!』
その時、グレットの足元から骨の腕が伸び、ソレが握る剣が紅の腹部に打たれた。
反動で後方に飛ぶ紅、気功術のお陰で怪我はしていないけど、入ると思った攻撃が防がれた事に驚いていた。魔法障壁・・・厄介だな。
「我は魔法使い故、懐に入られると弱い・・・だが、当然ソレの対策くらいした」
「ソレが魔法障壁とさっきの・・・」
「ああ、我の忠実なる下僕達だ」
そう言うと、先ほど紅を吹き飛ばした腕が、ゆっくりと魔法陣から現れる。
「死体は良い、煩わしい事もしがらみも何も無い。ただそこにあるだけだ」
グレットはそう呟きながら、呪文を詠唱し新しい魔法陣を展開した。
そして、また魔法陣から4体のスケルトン達が現れた。
しかも、今まで相手していたのとは明らかに装備が違う。
大きさもスケルトンキングより小さいけど、無駄な動きを全然していない。
―――これは一体!?
「ふふふ、英雄とまでは行かなくとも、こ奴らは全員かなりの力を持った者たちだった。最も我に戦いを挑んで、いまはこうして忠実なる下僕とかしたがな」
「―――負けるとそいつらの仲間入りってワケか・・・」
「ほう、犬の癖に察しが良いな?―――正解者にはこ奴等の相手をして貰おうか?」
「ゲ!?」
グレットがそう言うと、新しく召喚されたスケルトン・・・区別する為にスケルトンエリートとでも呼称しよう。そいつらが束になって突撃していった。
僕等と少し離れていた事が災いし、完全に分断されてしまう。
「く!ウィンディ!」
『はい!援護しに行きます!』
紅の援護の為に、彼女の元へ向かおうとしたが、その瞬間―――
≪ズザザザッ!≫
―――いきなり僕の目の前に何かが複数飛来し、床の上に突き刺さる。
どうやら槍の様な魔法弾をグレットが放ったようだ。
後一歩でも前に出てたら串刺しだったよ?!
「どこへ行く?貴様の相手は我だろう?」
くッ!どうやら分断するのが目的か!
紅の方は奮戦してるけど、流石に4体1は多勢に無勢か・・・。
「ウィンディ!先行って!」
『は、はい!』
僕はグレットから目を離さずに、ウィンディに紅の援護に向かわせた。
グレットは止めるかと思ったのだが、今度はそれをしなかった。何でだ?
「おやおや、せっかく精霊の力を借りれると言うのに」
「僕だけだって戦えるから問題ない」
「ほう?言いおるの。さて、精霊と契約した人間の骨は、どんな魔獣と化すかのぅ?」
そうグレットが言った瞬間、ゾワゾワっとした感覚が、僕の背筋を走る。
いままでこんなの感じたことが・・・いや、一回だけある。
この感覚はギルド所属のドラゴニュートのギズボンさんと、初めて対峙したあの時とそっくりだ。
獣じゃなくて、知性を持つモノが出す殺気とでも言えばいいんだろうか?
でも、ギズボンさんと対峙した時よりもずっと強く感じ取れる。
強者で知性を持つ敵が放つ殺気か・・・ちょっと・・・怖いかな・・・。
「―――?・・・ほう、怖いのか?御同輩?」
「え?」
「手が震えているぞ?」
そう言われ、思わず自分の腕を掴む・・・・別に何ともなって無い。
見ればニヤニヤと口角を釣り上げてこちらを見ているグレット・・・遊ばれた!
「我と対峙する輩だろうから、それなりに覚悟はあるのかと思っていたが・・・とんだ鼻垂れ小僧も紛れ込んでいた様だな?」
「はぁ?えっと・・・覚悟ですか?」
「一々敵の言葉に惑わされるな、このたわけめが。全く――かなりの魔力を持っていたから、我の下僕にふさわしいかと思ったのだが、これは勘が外れたな・・・つまらん相手だ」
途端、場の雰囲気が変わった。
それは蔑みと憐れみと・・・それと、見下した感情。
僕はいま、目の前の相手に完全に舐められている?
ガキだと思われている?―――――あそう。
「・・・随分と露骨な挑発だ。なんか逆に冷静になったよ」
「おや?若いから今ので少しは逆上するかと思ったのだが?」
そうは言いますがね?そこまで露骨にいわれると逆に冷静になれるさ。
「・・・・ガキだって事くらい理解している。覚悟?そんなもの元から持って無い。今の僕に出来るのはこの尋常じゃ無い魔力に任せた力技だけだし、今も現状に流されてるだけさ・・・で、ソレが何?」
元々この世界に来たのはほぼ偶然、命のやり取りとか何ぞ、食べる為の狩りとかは別として、今の今まで全然考えた事も試しもなかったさ。そんな事しなくても、僕は力が使えた。
だからソレを使って、生きる為に今まで戦っていたにすぎないのである。
僕だって、まだ人生何もしてないのに、そう簡単には死にたくは無いからね。
大体、人間一人ひとり全部が、戦いとかに覚悟持って挑んでる訳じゃないでしょう・・・?
それに覚悟だなんて言葉は、軽々しく使っていいモノじゃ無い。
迷いがあるのに、覚悟を決めたなんてどう考えてもウソでしか無いからだ。
ソレなら、迷いがある間は覚悟は無いと僕は言う。ソレはウソにはならないから。
僕だっていまだに生き物に手をかける時はとてもイヤだ。
盗賊を相手に戦ったって、それは人間を殺すことにかわりは無い。
でも倒さなきゃ自分が死ぬなら倒すしかない。
そこにあるのは覚悟云々よりも、必要だからそうしたと言う理念である。
覚悟を決めていたとかなんて、後から幾らでも理由付けは出来るのだ。
だからこそ、僕はこの世界に来て最近思う様になったのだ。
覚悟したなんて軽々しく使っちゃいけないと言う事を・・・。
「僕の目的は小さくても良いから家をもって、のんびりと日々を過ごす事、魔法の習得だって面白い。色んな人との付き合いだってある。覚悟が足りない?元から覚悟なんてしてないから良いんだよ」
「・・・・黙っておれば、好き勝手を言いおってからに」
どうやら覚悟も無しに戦いに応じたことを、自分を格下に見たと捉えられたようだ。
だが僕はここではっきりと言うが、そんなつもりは毛頭ない。
本当になんにも考えずに生きていたから、覚悟なんてして無かっただけなのだ。
なんか色々と不味い様な気がしないでもないが、のんびりと生きる以外に目標とか立てて無いもんね。そんな目標に命のやり取りの覚悟なんて、普通含まないし。
「あら?君からすれば僕の方こそ取るに足らない存在なんでしょう?だったらソレで良いじゃないか。人の価値観なんて人それぞれ、己の信じるままに戦うだけでしか無い」
とりあえず、冷静な判断を落させる為、適当にあおって挑発してみた。
するとグレットの額に、目で解るくらいの血管が浮かんだのが見て取れた。
本当に長い事生きたリッチなんだろうか?妙に沸点が低い様な気がしないでも・・・
「くくく、良く言った。もう手加減は無しだ。このたわけめ」
「手加減なんてしてたのかい?」
「・・・は!行くぞ小僧!」
「にゃ!?IT大盾!」
いきなり無詠唱で、さっきと同じ魔法弾が放たれる。
慌てて大盾で食い止め、グレットが居た場所を見るが―――
「いない!?上か!」
「おそい!“穿て!”シャドウパイク!」
そして黒色の槍の様な魔法弾が、更に大量に現れて視界を塞がれる。
「ちぃ!なら!」
ソレらが放たれそうになる瞬間、僕は大盾を維持しながらシェルショットで対抗する。
白と黒の激突、圧縮魔力の結合解除により爆発と閃光が視界をまた遮った。
周囲に爆風がふきあれる―――
「ふっ!小僧!ヤルじゃないか!」
「褒められても嬉しくないけどね!」
あの程度の魔法じゃ大盾は破れないけど、どっちにしろじり貧になってしまう。
あちらさんは外部から供給する元があるから、まだ魔力に余裕があるみたいだけど、こちらは魔力はあるけど、先の戦闘とかで大分疲れが出てきている。
体力の方は休憩入れないと、手持ちの薬じゃ回復出来なかったからなぁ。
「ほうれ!ボーンハンマー!」
「っと!やば!」
お次は巨大な骨の拳が魔法陣から出現し、接近してくる。
・・・一体何の骨何だろうか?大きさからすると巨人系?
≪ドゴーン!≫
「こら貴様!御同輩の魔法使いなら避けるんじゃない!当たらないだろう!」
「ンナ無茶な!」
案なので殴られたら、潰されちゃうよ!だから僕は絶対避けるね!
だけど、もう体力がないから、ちょっと不味い。
あーもう、最近研究ばっかだったからなぁ。
もう少し身体動かしておけばよかった!
「ちぃ!(“我は黄昏の調律師、我は虚構の先触れ”)」
「防ぐだけじゃ、我は倒せんぞ!」
≪ズガガガン!≫
シャドウパイクの魔法が大盾に突き刺さる。
それも一本じゃ無い、何十本という魔法の槍が突き刺さっているのである。
普通なら対象にあたれば消える魔法なのに、状態維持できるとかどうよソレ?
「・・・(“我は事象を選ぶ、我はオータンを描くもの”)」
「どうした?先ほどからダンマリを決めて?何を企む?」
「企みを考えてるんだから邪魔しないでよ」
「ほっ!それは悪かった――なぁッ!」
小声で詠唱して、ソレを維持しながらの問答をするという・・・。
今まで調理をする中で魔法を鍛えていなかったら出来なかった芸当を行う僕。
だが、戦闘中だからこそ、相手は待ってくれなかった。
複数の魔法の槍、僕は詠唱を途絶えさせないよう気をつけて大盾で防御した。
「小僧が何を企むか知らんが、もう倒させてもらう!“――きたれ!オイングスの槍”」
そしてグレットを中心にして、膨大な魔力がその手に収束された棒状魔法陣に呑みこまれていった。 魔力を得るにつれて、魔法陣が紅い色を宿し始めて行く。
詠唱全部は聞えなかったが、恐らく早口の高速詠唱で組み上げた奥義魔法だ。
まさか、シエルさんの奥義ティルフィングみたいなものなのか?!
「ちぃ!エレメンタルミサイル!」
「無駄だ!精霊が力を貸していない精霊魔法何ぞ見かけだけだ!」
詠唱を中断させる事が出来ないものかと、魔法弾を連発するが、
目の前のリッチの持つ強力な魔法障壁に阻まれて全然攻撃が届かない。
今の僕の切り札である魔法の詠唱中だから、無詠唱で出来る魔法じゃ・・・。
だが、そうこうしている内に、どうやら時間切れになってしまったようだ。
「“魔法ごと穿て”ガ・―――ジャルグッ!!!」
そして、深紅の魔力光を伴った、伝説の槍の名をもつ魔法が、僕目がけて放たれた。
深紅の魔法の槍は針路にある魔法弾を消し飛ばして、僕が展開していた大盾にブチ当たった。
≪ヴゥァァァァ――≫
一瞬の均衡、だがそれはガ・ジャルグの持つ魔法効果により一気に崩されていく。
ガ・ジャルグの纏う深紅の魔法が、僕の大盾を浸食し食いちぎって罅を入れていった。
そう、ガ・ジャルグの持つ効果は―――魔法の無効化。
「――ッ!(“我は―――悠久の時間の中―――”)」
僕は急いで、だが慌てずに、きっちりとスペルを詠み、術式を組み上げる。
僕の造る大盾の防御力は、最近ウィンディの訓練のお陰で上がっているが、それでも解る。
もう後数秒も、この盾が守る力を持つことはできないと言う事を―――そして。
≪ズガァァァ――――≫「(―――の零れ人”)」
深紅の槍が大盾を貫くのと、僕が詠唱を終えて魔法が顕現するのとはほぼ同時だった。
眼前に迫る槍の切っ先が、あわや僕の胸元に突き刺さるかと思った瞬間!
≪ピタっ≫
「ま、まにあったぁ~」
深紅の槍の切っ先が、僕の胸ポケットの辺りで、軽く刺さって停止したのを見て、僕は止まった世界の中で思わずため息を吐く。危うく串刺しとなる所だったんだから、ため息の一つくらい出ちゃうよホント。
まぁそうやって驚きながらも、僕は身体を動かした。
いそいでこの場を離れて、色々と仕掛けをしなければ・・・30秒は長い様で短いのだから。
僕はグレットのすぐ下に立ち、それぞれのブラストがちょうどグレットを挟み込む形で相殺出来る様に、勘を働かせて複数のブラストを配置させていく。
魔法による挟撃、それが今僕に出来る奥義みたいなモノである。
もっとも、すさまじく魔力と体力とMPと精神的なモノを疲労させる上、
種を明かせば奥義とも呼べない稚拙なモノだから、奥義だなんて死んでも呼べないけどね。
≪―――ァァァンッ!≫
同時に4個出しながら展開し、なんとか20個ちかく配置を終えた所で、僕の時間魔法の効果は切れてしまった。あ、あれ?まだ20秒も経って無いのに何で?
―――ってそうか、もう僕の体力の限界って事か・・・身体が動かないぜ。
「―――ははは!――≪バガガガン!≫はぁーっ!!??」
僕を倒したと思い、口角を歪め思いっきり笑っていたグレットだったが、
僕が一瞬で逃げ去っていたことと、魔法障壁を揺さぶるブラストに驚きの叫びをあげていた。
そして―――
「オガ!グゲ!のぐぅ!―――」
時間が元に戻り、解放されたブラストによって不意をつかれたグレットは打ちのめされて行く。
魔法障壁も、流石に全方位からのブラストの直撃には耐えきれなかった様だ。
先の深紅の魔法槍が当たったと確信して気が緩んだのもあるんだろう。
最初のブラストが当たった時に、バリンってガラスが割れるかのような感じがしたもんね。
「んのぉぉぉぉ!!!」≪ドガーン!ガラガラガラ・・・・≫
そして、最後のブラストによって吹き飛んだグレットは、
壁に叩きつけられて瓦礫の中に沈んだのであった。とりあえず―――
「も、もう動けない・・・くた」
僕は体力の限界で、その場に倒れ込んでしまった。
意識はあるけど身体が動きたくないと悲鳴を上げている。
スケルトンエリート達も制御者が気絶した事により動かなくなったので、
慌てて紅達が近寄ってくる所を見つつ、僕は横たわっているしか無かったのであった。