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第23章

*ご都合主義…入ります。

~出歩いて…落っこちて・第23章~










キマイラ戦で紅をかばい死にかけた僕。

次に意識を取り戻すと――――――


「……何故に膝枕なの?」

「かなめ!気が付いたのか!?」


紅に膝枕されてました……いやまぁ良いんですけどね?

でも少々羞恥心というモノもございまして……と、待て待ておいおい!!


「キマイラは?!キマイラはどうなったの!?」

「な、なに言ってんだよ?かなめが倒したじゃねぇか!!」



――――――ちょっと待って?僕はかばったところまでしか覚えてないよ?!



「で、でも僕死にかけてたんじゃ?!」

「おう…ソレなんだがよ」

『私が治療させて貰いました』


ん?なんじゃこの稀薄な感じのする声?というか待って…僕達以外に誰かいる!?


「だ、誰ですか貴方!?」

『おや?薄情な…先ほど契約したばかりじゃないですか』


そこに居たのは、女性…なんだけど魔力の感じが人間じゃ無いって言っている!!

――――って、うん…契約?



「あーうー?契約ぅ???」

『あなたは、私が死にたくないのかと問いかけたら、死にたくないと言っていたではないですか?』



うーーーぬぅ?はて~~~~????そんな事いつどこで―――――って思い出した!!



「あん時の声の人!?」

『思い出されましたか…まったく薄情な人だ』


ちょっと待って?アレは痛みで聞こえた幻覚じゃ?!」


『幻覚では無いですよ?目の前の私が証拠ですよ』

「って心まで読めるの!?」

「いや、口に出てたぜ?」



とりあえず落ち付け僕…おじいちゃんが言ってじゃないか?

焦ったらゲートボールだって……なんじゃいそりゃ?

この後、しばらく混乱が続き、紅からの鉄拳で沈められるまで混乱するのであった。



***



「精霊?!君が?」

『ええ、そうです』


なんと、目の前のこのヒトは精霊……うわぁファンタジー。

見た目は髪の毛が長いやや色白の普通の女性に見えるのに…やっぱファンタジーや。

あ、でも良く見たら、水がリング作って彼女の後ろに浮かんでら…。


しかも、今まで出会った事がない位に、べらぼうに高い魔力を感じる。

うむむ、何だか混乱してきたぞ……???



「えと、とりあえず今までの話を整理すると―――――」



キマイラに吹き飛ばされてかなりの重症を負った僕。

背中に回しておいた、ミスリル製のポールアックスのお陰で、生きてはいたけど虫の息だった。

つまり何時死んでもおかしく無い…なんとも危険な状態だったんだわな。


で、たまたま僕が吹き飛ばされた部屋に、閉じ込められていたのがこの精霊さん。

僕が吹き飛んできたお陰で、閉じ込められていた容器が破壊されて出る事が出来たらしい。


結果的に出してくれた恩もあったし、何よりも有り得ない程の魔力の持ち主であった僕。

ちょうど良い依り代が欲しかったので、死にかけの僕と無意識化でコンタクト。

そのまま契約してしまい、僕の怪我を瞬時に直し、目の前のキマイラをぬっ殺した。



「―――――て事なのかい?」

『大まかに言えばそうです』


うわぁ…本日二度目のうわぁだわ…まさか…まさか!!


「ご都合主義…まさかこんなところで体験する事になろうとは…」


スキル悪運発動っすか?幾らなんでも危機に陥って精霊と契約だなんて…。

なんつーかもう大分使い古された話ですねハイ。

まぁ生きてるから良いけど…なんだかなぁ~?


「―――――てことは…君は僕に括られていると?」

『いやぁホント助かりましたよ?私あと少しで魔力不足で存在が消えてしまうところでしたしね』

「いや…まぁそれはいいんだけど…」

『今までの契約者は数秒しか持たなかったですから、今回は当りを引いたって感じです』

「ほうほう……ちょい待ち、今なんて言いました?」


何だか聞き逃してはいけない様な言葉が聞こえたのですけど?


『えと…当りを引いた』

「もうチョイ前」

『存在が消えて』

「戻し過ぎ、そのチョイあと」

『今までの契約者は数秒しか持たない』

「そう!ソレだよソレ!どういう事なの?」

『どういう事も何も言葉通りの意味ですが?』


数秒しか持たないって…どゆことなの?

言いまわしから考えれば、僕以前にも依り代になった人がいたって感じなのですが?


『ええ、いましたよ?』


何を当たり前なという感じで返してくる精霊さん…。

で、その以前寄り代にされた方はどうなったんですかい?


『そうですねぇ…例えば私を使う際に、体中の大半の魔力を持っていかれてしまってお亡くなりに』

「ほう、成程………ってヤバいやん!!何僕大丈夫なの!?」


昇天なさるほどの魔力消費ってどんだけぇ~~!!?


『大丈夫ですよ?』

「い、いやでもさ!?」

『だって現に生きてるじゃないですか?』

「あ…そか」


そうだった…すかっり忘れてたわ。

まぁとりあえず落ちついて色々と話をして、現在の状況を教えてもらったんだけど…。

――――――正直なところ、訳解らんのですハイ。


マナやらオドだとか言われても、僕の中にある神さまから貰ったと思われる知識は、

そこら辺スルーされてるみたいで、あんまし入ってない。


とりあえず更に簡単に噛み砕いて説明して貰ったところ、精霊さんは魔力の塊の様なモノらしい。

で、身体を維持する為には相当の魔力が必要らしくて、普段は身体を薄めて漂っているんだそうな。


勿論長時間の実体化するなんて事になれば、その消費魔力は計り知れないんだそうで……。

今までの契約者は、殆どがホンの数秒間だけ必要な時に呼び出して、精霊さんを使った。


で、その後はお話もなにも出来ず、ずっと壺に閉じ込められてしまったらしい。

すご~く暇だったと精霊さんは語っていた。

――――――まぁ簡単に要約してしまえば燃費が悪いと?


『むしろそれだけ魔力を吸いだしたのに生きているあなたに、私は驚いていますが』

「ちなみに僕からどれだけ持っていったの?」

『ええと、完全に実体化させていただきましたけど…それでも約半分くらいですかね?』


は、半分もか……そうだ手帳で見てみよう。

どれだけ持っていかれたかが数値で解る。



HP(体力)………………………6400/6400     

MP(精神力)…………………5060/10780

LV(現在のレベル) ……………LV52       

EXP(現在の経験値) ………20570/125600

STR(力の強さ)………………245

INT(知性) ………………… 12040

DEX(器用さ)…………………162

AGL(素早さ)…………………274

CON(耐久力)…………………150

ATK(物理攻撃力)……………245

MAG(魔力) …………………12100

HIT(命中率)…………………165

AVD(回避力)…………………254    

RDM(物理防御力) …………176

RST(魔法防御力)……………1005         

LUC(幸運)……………………11

AP(アビリティの装備容量) 133/170

CP(技及び魔法の装備容量)…3/200



何気にレベルがかなり上がってる…キマイラ倒した所為か、というか20も上がるなんてスゴ。

所謂ボス級って奴だったんだろうなぁ、明らかにここら辺の魔獣とは次元が違ったしさ。


まぁ、ギガースの分も加算されてるんだろう。ココ最近ステータスは見てなかったからな。

それはいいとして…成程、魔力とは言うけれど、実質持っていかれたのはMP の方なのか…。

――――――――ん?魔法の欄にも新しく習得した文字が……



New魔法


・召喚(?)

【精霊との契約により習得したモノの、状況が状況だった為契約が不完全。その為全MPの半分を常に消費】

上級精霊魔法・射程 基本無し   消費MP 全体の5割 必要CP50



わぉ…不完全ながらも新しい魔法にカテゴリーされたんだ?

ん?良く見ればもう一つあるぞ?何何―――――



New魔法


・エレメンタルミサイル

【精霊と契約した事で習得した。元はラジャニさんところの魔法】

中級魔法・射程 近~∞    消費MP  作る魔力球により変動(基本50) 必要CP40



おろろ?なんで?!何時の間にかグレネードみたいだった魔法が進化してる??!!

しかも射程∞って何?!全宇宙カバーっスか?!洒落になんねぇ…。


ど、どんだけ神さまからの補正掛かってんだよ?!しまいには創造魔法でも覚えるってか?!

―――――今更だけど…自らの身体に恐怖した…なんちゃって。


しっかし魔法のに関してもアレだね?あの自称神さまは何させたいんだろうか?

正直この魔法全力で使ったら、戦略級の威力を発揮しちゃうと思うんだけど…。


でも流石にこれはちょいやり過ぎでないかい神さまよ?

強すぎる力は要らないんだけどなぁ…平穏に暮らしたいっていうのもあるし。

まぁそれはさて置き――――――


「ねぇ?契約が不完全ッポイというのは本当?!」

『え?!まさかそんな筈は!!―――――!!すみません…』

「いや謝らなくても良いけどさ…なんか不都合でもアンの?」

『いいえこれと言っては…ただ』

「ただ?」

『常に私が召喚され続けるってところでしょうか?なので半分以上魔力の回復が出来ません』


ふ~ん、そうなん?でも普段半分以上魔力使った為しは無いしなぁ。

……なんだ別に問題無いじゃん。


『でもどうして契約が不完全だって解ったんですか?私ですら言われるまで気が付かなかったのに』

「いや、まぁ…」


どうしたもんだろうか?色々と教えるべき?嫌でもなぁ…。

ちょいと聞いてみよう…。


「ねぇ、ちょっと聞くけど、この契約って一生モノ?」

『えと言い方がアレですけどその通りです。基本契約者が死なない限り、私は宿り続けます』


そうか…じゃあ教えても問題無いね。

紅にも視線を送ると、コクンと頷いてくれた。


「じゃあ先ほどの答えなんだけど、長いけど聞くかい?」

『ハイお願いします……実を言うと人と話すのなんて久しぶりで楽しみです』

「はは、そうかい?それじゃあね――――――」


この後、僕は初めてこの世界の住人に、自分たちはこの世界来た異世界人である事を話した。

最初は若干疑っていた精霊さんだったけど、話を聞いていくうちに色々と質問してきた。

それに答えられるモノは答え、さらに前の世界から持ち込んだガラクタを見せてようやく納得して貰えた


『――――異世界の人間だなんて驚きです』

「はは、まぁ普通そんな体験なんてしないからねぇ」

「俺に至っては元犬だしな」

『元犬って…全然そうは見えないですね』


まぁ確かに。

さて何時の間にか紅も話に加わり、説明会の筈が雑談会とかした。

で、ある程度お話をして満足したのか、精霊さんはこんな事を言った。


『ソレにしても凄い神さまだったんですね。肉体改造を行った上に魔力付与、おまけに若干の精神操作までするなんて』

「まぁ、半分は遊びなんだと僕は思うよ?幾らなんでも強すぎるもん」

「だな、ソレでいてちゃんと制御できるんだから不思議でしょうがねぇ」

「精神操作と言っても、生命を奪う事に対する抵抗感をなくす程度だしなぁ。」

『それでも、普通はそこまでしないモノだと思いますよ?』


そりゃそうだ、神さまなんてのは普通は不干渉な存在な訳だしさ。

つまりだ、あの自称神さまは――――――――


「よっぽど暇だったんだね。あの神さま」

「片手間に改造してくれたにしては上出来すぎるもんな」

『そんなんでいいんでしょうか?』


いいんじゃない?ご本人はソレで満足してるみたいだしさ。

あ、そう言えば――――――


「ねぇ今の今まで聞くタイミングがなくて聞いて無かったけど、キミの名前はなんて言うの?」

『私ですか?ええと私自身は人工的に作られた精霊なんですけど…』

「精霊って人工的に作れるの?!」


ふへぇ流石ファンタジー。


『ええ、意志を持たない低級な精霊はどこにでもいますからね。それらを集めて濃縮還元すると私の様な存在になるんです』


濃縮還元って…まぁ良いけど。


『確か前の契約者が付けてくれたのは、私が水属性でしたから……』

「から?」

『四大精霊からあやかってウィンディーネと呼んでいました』

「ウィンディーネ…」


そ、それはまた有名な名前から取ったのね…作った人随分と自信家だったのかな?


「それじゃあ、親しみを込めてウィンディと呼ぶけどいいかい?」

『いいですよ!むしろ大歓迎です!マスター!』

「ま、ますたー?!」


ちょっ!いきなり何を言ってるんですか貴方?!


「かなめ…?」

「いや…えと、どういう事なのウィンディ?」

『一応私の契約者ですし、それ相応の感じで呼んでみたのですが…嫌でしたか?』

「いえ個人的には全然……ゴメンなさい、やっぱりムリッス…だから紅睨まないで怖い」


冗談抜きで、僕の隣で笑っている紅が怖いです…しかも目が笑って無い。

笑顔を言うのは最も原始的な攻撃の意志を表すもので…。

えと…その…とりあえずごめんなさい、調子こいてすいませんでした。


『それじゃあ、何とお呼びすればいいですか?』

「う~ん…じゃあ下の名前で頼むよ?かなめって呼んで」

『解りました。ではかなめ様とお呼びしますね?』


うん、さっきのマスター発言よりかはマシだね。

まだ紅の目線が痛いけど、まぁ気にしないでおこう…心臓が痛くなりそうだから。


「それじゃあ、お互い自己紹介も済んだし、上に戻ろうか?」

『あ、私この施設の事なら覚えてますので、道案内出来ますよ?』

「お、じゃあ道案内頼むよ」

『はい!任せてください!!』


は~やれやれ、漸く地上に戻る事が出来そうだ。

とりあえず道が解らない僕達は、ウィンディのあとについて行く事にした。


「まぁアレだ…生きていてくれた良かったぜホント」

「紅………アレ?そう言えば紅も毒を受けてたんじゃ?」

『私が治療しておきました。アフターサービスです』

「あ、そなの?」



なんとまぁ随分と親切な精霊さんなこって…。



*どもQOLでございます。


一応説明編?って感じですが……書き終わった後、うわやっちまったと思いました。

でもまぁある程度のご都合主義が入ってこそ、ファンタジーには味が出ると思ったのでそのままにw

しかし、良くもまぁ生き残っちゃったなぁ…スキル悪運EX…うらやましいなぁ…。


―――――以上、何故か主人公のスキルが欲しいと思った作者からでした。



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