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第14章

〜出歩いて…落っこちて・第14章〜







やぁ皆さん。今僕たちはゴブリンの集団の近くに来ています―――っていきなりすぎるか。

本日のお仕事は増えすぎたゴブリン達の討伐、排除、および撃退である。


エル君と別れた後、掲示板に張ってあった中でやりやすそうなモノを選んだらこうなった。

何だかこれから先も戦う系ばっかりやりそうな気がするけど…気にしない事にする。


ちなみに今回の依頼は討伐と書いてあるんだけど、

実際は悪さをする前に懲らしめれば良いらしいから、わざわざ殺さなくても問題は無いらしい。

生殺与奪は任せますってあたりが現実感たっぷりだけどね。


―――さてさて、とりあえず今日も稼がして貰いましょうか。


***


「――――という訳で、クノルの町郊外にある農園にお邪魔しています」

「なに明後日の方向向いて喋ってるんだ?かなめ」

「いや、なんかこうしないといけないっていう電波が…」

「おーい、疲れてんのか?色んな意味で大丈夫か?」

「クークー!!」

「だ、だいじょうぶだと思うよ?うん」


―――はて?なんか妙な行動が目立つなぁ。自重しないと…。


まぁ気を取り直して、僕達の現在位置は町の外。

そして今僕たちが向かって居るのはクノルの町にほど近い農園だ。

クノルの町一番の農園らしくて、市に並ぶ野菜のほとんどが、この農園からの出品なんだって。


だから当然農地も広い!

なんせ見渡す限り畑、畑、畑、何故か果樹園、畑、畑………

まぁ兎に角、だっだ広い畑が広がっている。


畜産も行っているらしく、ちょっと離れた辺りには放牧場と思われる、柵に囲まれた場所と畜舎が確認できた。

こうして見るとかなり大規模な農園である事が解るね。


何せ畜産で出た家畜の糞を肥料として利用する為の施設とかがあったんだもの。

え?何で解るかって?……………臭いんですよ、猛烈に。

屋根付きの水槽の様な所に茶色いお山が………コレ以上は言わなくても解るでしょ?



―――まぁ、お陰で美味しい野菜や果物が食べられる訳なんだけど…どう考えても中世の技術では無いよねぇ?


まぁ…そこら辺は気にしたらアカンね…おいしいモノはおいしい訳だし…。

きっとこの世界の人間は食が大事なことである事を知っているんだ。うん、そうに違いない。




「――――と、ついたね。」

「でけぇ家だな。」

「たしかに(笑)」


そこにあったのは、ログハウスに似た造りをした大きな緑色の屋根が特徴的な一軒の家だった。

その大きさは……そうだな、普通の家5軒を繋げた位かな?



「本当に大農園なんだねぇ。あ、ほらアソコに馬もいるよ」


ログハウスの隣、隣接というかほぼログハウスに接続している様な感じの小屋につながれている4頭の馬が見える。


どの馬も農業に使われている馬なのか、恐ろしく体つきがいい。

………蹴られたら痛いどころの話じゃなさそうだなぁ。


「おう、本当だ。立派な体格してるなぁ――――――ジュルリ。」

「………言っとくけど、アレは他人の持ち物だからね?」

「わ、わかってらい!そんくらい!」


どうだかねぇ?つーか涎拭こうね?


「でもやっぱ農園だけあって大きな馬が多いね。」

「確かにな。」


まぁ馬の種類なんてサラブレットくらいしか解んないけどねw


しっかし体つきがいい馬たちだなぁ。足なんてかなり太くて強そうだ。

――――ん?一頭だけ足が8本ある…………うん、僕は何も見ていない、見ていないったらみていない。

幾ら異世界でもそれは無い、つーか目の錯覚だと思う。


「と、とりあえず、依頼人の所にいこか?」


紅はコクンと頷き、僕たちはログハウスの中に入る事にした。


***


「すみませ〜ん」

「――――ん?お客さんかい?」


ログハウスの奥から出てきたのは、40代くらいの姉御肌女性だった。

イメージ的には……そう、某天空に浮かぶ城を目指す空賊の頭を若くした感じ?

―――なんか義理の息子が十数人はいそう。


「なんか、途轍もなく失礼な事考えて無いかい?」

「い、いえいえそんな!なんにも考えて無いですよ」


あ、危ない…勘が鋭いぞコノ人。


「えと…その、初めまして!ギルドから依頼を受けてきましたかなめです。こっちは相棒の―――」

「紅っていうんだ。よろしくな!」

「あーあの討伐依頼ね?………本当にあんた達がやるのかい?」

「あ、はい。そうですけど…」

「ふーん…」


彼女はジロジロとこっちを見ている。品定めされているみたい…。


「一応聞くんだが…あんた達ちゃんと戦えるのかい?」

「なんだと!」

「紅!……心配は無用です。こう見えてもちゃんとギルドの試験は合格していますし、ランクも一応2人ともCランクあります。」

「ほぅ、Cランク…ね。」


依頼人の彼女の言葉に、一瞬紅が反応したけど、声をかけて黙って貰った。

これで紅が怒って、余計に話がこじれたら敵わないからね。


「………ま、いいだろ。ゴブリン程度だしね。Cのあんた達でも大丈夫そうだ。」

「…けっ」


ふぅ、どうやら依頼人の彼女のお眼鏡には叶ったらしいね。

あと紅、小さく舌打ちしないの、相手に失礼でしょ。


「さて、あたしの自己紹介がまだだったね?この農園のオーナーをしているエリヤだ。今回の依頼、ちゃんと果たしておくれよ?」

「ハッ!たりめぇだ!たかがゴブリン位すぐに倒してやるよオバサン!!」


ああ!!またそんな失礼な事を!!


「お、元気が良い嬢ちゃんだねぇ?元気がいいのはいいことさね。」

「解ってるじゃねぇか」


カッカッカと笑うエリヤさん。紅のオバサン発言を全然気にしてないみたい。

う〜ん豪快な人みたいだなぁ。


「―――で?誰がオバサンだって?」

「「ひぃ!」」



前言撤回!メッチャ気にしてました!!物凄い気迫です!!!



―――この後とにかく必死で謝って、何とか許して貰えた。う〜、胃が痛い。



「さて、冗談はさて置き、話を進めたいんだが?」

「そう…ですね。仕事の話を進めましょう…」

「おいおいかなめ、大丈夫か?なんか気分悪そうだけど…」


ふふ、大丈夫だよ紅、時間が立てば直るから……。

もっとも僕の具合が悪い原因の一つは君なんだけどね。


「ふぅ、まぁいいさね。ところで、依頼したゴブリン退治だが、一つだけ条件を付け加えさせて貰いたいんだがねぇ。」


条件?なんだろう?


「なに、簡単なことさね。ゴブリンを追い返すのはいいんだが、なるべく殺さない事。これが条件だ。」

「えと、生殺与奪権は任せるって依頼書にはあった筈ですが………理由を聞いても?」


――殺さずにって…なんて厄介な。こっちはなまじ地の力が強力だから、手加減するのは難しいんだけどなぁ。


「いやね、以前だったら普通に追い返してくれればよかったんだけど、最近のゴブリン共はなんか数が妙に多くてねぇ〜。

殺しても殺してもすぐに湧くもんだから、正直後処理が物凄く大変なんだよ?斬ったら血が畑に滲みこむ所為で、その畑は

しばらくの間使い物にならないし、おまけに臭い。かと言って、以前魔法使いに魔法で焼き払って貰ったら、関係の無い畑

の農作物まで灰にされちまって、コッチとしては大損だった事もあるんでねぇ…。それに残されたゴブリンの死体!あまり

に多すぎて、今じゃあ商品の被害より、連中の死体の処理費の方が高くつく位さ!!

……まぁそう言う訳で、出来る事ならあまり殺さないように追い返してほしいって訳なんさ。」

「あ、はは…そう…ですか。」


あまりの真剣な表情に二の句を継げない…。


「まぁ、無理だって言うんならやめとけばいいさね。まだあんた達は若い訳だし?出来なくて当然なんだからねぇ」

「……なめんのもいい加減にしろよ?」


あーもう、また。


「紅、止めて。」

「かなめ…で、でもよぅ…」

「ココで言い争ってもしょうがないでしょ?」


はぁ、僕なんて言ったらいいかわかんないよ……。

と、とりあえず、なるたけやってみよう。


***


僕たちは農園の一区画にある、ゴブリン達が一番多く来る畑の前にて連中が来るのを待つ。

しばらくすると出るわ出るわ…目の前には何と500匹を超えるゴブリンの群れ…


2人VS500匹…どちらが有利なのかはバカでも解る。

しかし、彼らは全く動くことが出来ないでいた…なぜなら―――


「いっくぜぇぇぇ〜!!!」

≪―――ばっし〜ん!!≫

『『『『『みぎゃぁぁぁ!!!』』』』』


―――“紅ちゃん殺戮劇場”が目の前で開催中だからであった…。

あ、殺戮って言うのは言葉のアヤね?殺したら契約違反だから殺してはいませんよ?


「ふ〜ん♪ふふふん♪」

≪―――ヴォン!!≫

『『『『『ギャリソ〜ン!!』』』』』


お、飛んでる飛んでる。

ナイスショッ…いやファーかな?


≪―――ヒュ〜〜〜ン…ドスドスドスドスドス…≫

『『『『『……きゅう。』』』』』



―――さて、そろそろ何が起こっているのか説明しようか?



現在、ゴブリンがよく出ると言われた畑付近にて、手に巨大ハリセンを持った紅がゴブリン達を遠く敷地の外に吹き飛ばしています。


ちなみにハリセンは僕が以前出したITハリセンのやや縮小版。

大きさも4m程度しか無い奴だけど―――


「もういっちょ行くぜぇ!!」

『『『『『ノオオオ〜!!』』』』』

≪ばっか〜ん!!≫

『『『『『ぎゃばっす!!』』』』』



―――ソレを振うのか、紅は(汗)



アレは重さは無いけど、バランス取り辛く無いのかねぇ?

振う時に結構な風圧が掛かる筈なんだけど……まぁ紅だしね。


「そこのおめぇら…空飛ぶ覚悟はできてるか?」

『『『『『ギャギャギャ(出来てませぇぇぇん!!)』』』』』

「はっ!何言ってんのかワカンネェや(ニヤ)」

『『『『『ギャボ(この外道!!)』』』』』←ゴブリン,s涙目。

「とりあえず飛んどけ!」

『『『『『ギ二ャーー―!!』』』』』



………おかしいな?ゴブリンの言葉はわかんない筈なんだけど…副音声で聞こえる気がする。

つーか哀れだねぇ…止めないけどね。




ちなみにこうなった経緯を簡単に説明すると――



・依頼人から不殺の要請

・剣…というか武器を持ちいた戦いは出来ない

・ならば魔法で!!―――と思ったが近くに畑および家屋がある為、巻き込む恐れがあり断念

・魔法使えない→僕テンションダダ下がり

・殺さない武器はなんか無いか?―――ハリセンがあるじゃないか!

・イマジンツールで造ってみた

・僕よりも紅の方が力が強いから任せた



―――と、こう言う訳なのさ。



「はっはぁー! ふ き と べ !!!」

『『『『『ギャルソネッ!!』』』』』


おー、さっきよりも飛距離が伸びてら。

まぁ、ゴブリン連中には悪いけど、紅のストレス発散に付き合って貰う事にして貰う。


ココ最近全然戦いらしい戦いが無かったから、腕が鈍るって紅が嘆いてたからね。

ハリセンなら、どんなに強くやっても(多分)死ぬことは無いから、安心してブッ叩ける。


おまけに紅はその見た目よりもかなりの怪力の持ち主。

吹き飛ばされた連中は、そのまま農園の敷地外へと吹き飛ばされている。


ゴブリン達もまさか自分たちが、訳も分からない白い棒で殴られて、空中車田落ちを決める事になろうとは夢にも思うまい。

むしろトラウマを患って、そう簡単にはココには戻っては来ないだろう……多分。



「はは、僕たちやる事がないねチビ」

「くぅ…」



僕とチビはこの後、ゴブリン達が逃げ帰るまで、紅の見事なフルスウィングを見ているくらいしかやることが無かった。


「ひまだねー」

「くぁーう」


あー、お空が蒼いなぁ…。


「弱い!弱すぎるぜオメェら!!」

『『『『『ギャガゥ!!(アンタガ強すぎンダ!!)』』』』』

「だから言葉ワカンネェって」

『『『『『ギャー!!』』』』』


あ、ちなみに今回経験値は入らなかった。

あまりに相手が弱すぎて、経験にならなかったらしい。



―――この後、結局僕に出番が回ってくる事は無かった。

あるとしても時折、紅の疲労回復の為にキュアウィンドをかけるくらいしかない。



あ、最後の一匹が宙を舞ってら、じゃあ依頼人のエリヤさんに報告にでも行きますか。

結局僕は何もしてないけど………気にしな〜い、気にしな〜い。



***



―――エリヤさんにゴブリン討伐が終わった事を報告し終えた。


討伐があまりに早かったのには驚かれたが、意外とすんなり受け入れられた事には驚いた。

というか、討伐が終わった事はとっくに知られていたらしい。

どうやって彼女は僕たちが報告するよりも速くその事を知ったのか?



――その理由は実は至極簡単なこと。



見られていたのだ、ようするに遠くから、彼女のとこの小作人たちに……。

ただ別に監視していたって訳では無くて、たまたま近くの畑で作業をしていた人達なんだそうな。

で、その人たちが一足先に僕たちの事を話していたと…道理でエリヤさんが知ってた訳だよ。


まぁ、それよりも驚いたのは……

その小作人の人達の気配が、僕はおろか紅にすら気付かれていなかったって事!後で紅本人から聞いたから間違い無い。


皆さんはご存じだろうが、僕はアビリティの警戒により気配察知が出来る。

紅は元々が野良だったから、気配を察知する能力は、アビリティを装備した僕よりもするどい。


そんな彼女すら感知出来無いなんて……。

僕も自称神による改造で、かなり非常識だけど、それ以上にこの世界の人間は非常識であったことを感じた瞬間でした。














 

ども、作者のQOLでございます。

さてさて、今回のお話では実質、紅無双ですw


いやはや、本来なら主人公が最強君な筈なんですが、いつの間やら紅の方が強くなっていたり…

まぁかなめ君の方も、この世界においては十分最強の性能の持ち主なんですけどね。


この凸凹コンビ…ホンマどこ行くんやろか?


あと作中に家畜の糞を肥料に利用している農家の描写がありますが……

自分農業高校に居た事があるので解るんですがアレ、マジで臭いです。

でも、それが美味しい野菜を作るかと思うと、世界の仕組みって凄いですよね。


―――以上後書きの後半に関係無い事書いた作者からでした。


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