序章
初めてですので、見苦しい個所があっても、温かい目で見てください。尚、主人公君は最強になる予定です。
〜出歩いて…落っこちて・序章〜
「お、おたすけぇぇぇぇ!!」
やぁ皆さん初めまして。
僕の名前は五十嵐 かなめ、女の子ッポイ名前だけどれっきとした男の子だ。
そして今現在、僕はピンチに陥っている。
――今日はホントに運が無かった。
朝起きれば、冷蔵庫の中は空だったことを忘れ朝食抜き。
おまけに寝坊もしていた為、学校に急いで行こうとして野良イヌの尻尾を踏み(結構デカイ犬)追いかけまわされ、学校に逃げ込んだ。
だが、時すでに遅く大遅刻。
当然教師に叱られ、同級生の前で恥をかいた。
おまけに、抜き打ちでテストがあり、普段それほど勉強していた訳ではない僕が良い点を取るのは競馬で100円を10万円にするくらいムリがある。
つまり散々な結果だったってワケ。
そういう訳で憂鬱な気持ちで学校から帰ろうと思った所、また尻尾を踏んだ…おまけに同じ犬の。
“もう許さんぞワレェー!匂いは覚えたかんな!!”みたいな感じで追っかけられた僕は必死で逃げ切り何とか家に逃げ込むことに成功したのだ!
――だが、僕の運の無さは続いていたらしい。
今日はいつもお世話になっている喫茶店のバイトの日だったんだよね…。
こないだ急に休みを入れた為、今日は休む訳にもいかない。
だけど、嫌な予感がしてしょうがない。
今日はろくな目に会っていない僕は、このまま家を出ればまた何かトラブル(主に犬関係)に巻き込まれそうな気がした。
しかし、休む訳にはいかないと思い、あの犬に出会わないことを願い、恐る恐る愛おしい我が家(築20年のアパルトメント)を後にした。
そして、僕は神様に嫌われていたらしい…。
2度ある事は3度あるってヤツですか?
あとちょっとでバイト先に着く!
そう思い十字路に差し掛かった時だった。
曲がり角からあの犬が突如として現れたのだ!
“おこってる?”
“モチ♪”
こんな感じのアイコンタクトが成立した俺達は、某ネズミと猫の追いかけっこよろしく駆けだした。
初めて別の動物との意思疎通ができた瞬間だと思う。
「いやぁぁぁ!!」
「ガウガウガウ!!」
今日何度目か解らない全力疾走の俺、後ろからは素敵な歯並びをした
“テメェ!ク・イ・コ・ロ・ス!”全開なワンちゃん…不幸すぎる。
「こ、この路地を抜ければ!」
「グルルルル…(逃がすかぁ!)」
なんだか幻聴が聞こえた気がしたが気にしない。
僕は路地を抜ければすぐそこにあるバイト先へ逃げ込む為、路地を一気に駆け抜け…
「うわぁぁぁぁ!!」
「ガウゥゥゥ?!」
そのまま、物陰に隠れて見えなかったマンホールだと思う穴に落下した…犬も一緒に。
「で、ここどこよ?」
「く〜ん(さぁ?)」
気が付けけばそこは、鬱蒼とした森の中でした。