完全版完結およびコミカライズ記念閑話 真面目か!
アランによって蘇生してから、一年ほど経過した。
ここ一年は、これまでと違い心赴くままに各地を巡った。
そして、ついに「東の国」へ来た。
来てしまった。
「エリウス、これ見てよこれ!」
レナから渡された書類には『婚姻届』と書かれている。
この国は一夫多妻。
夫の欄は一つ。
妻の欄は十ほどあった。
「凄いな、これ⋯⋯」
「へへー。でも埋めるのはアランと私の二つだけにしといてよ? ねー、アラン?」
「そそそ、そうだね!」
いや、そもそも二人と結婚するとかしないとかでも無いと思うが⋯⋯。
それに、俺はこの書類の不備を発見した。
「俺はこの書類は嫌いだ」
「え?」
「だってこれ、『第一夫人』や『第二夫人』という表記だ」
「そうね」
「もし、仮に、俺が二人と結婚するなんて事になった場合があるとしても、そんな序列はつけられん。全員第一夫人じゃないと、俺は書けん」
そうだろう。
俺にとって二人は、長い繰り返しでやっと本当の仲間になったんだ。
序列をつけるなんてとんでもない。
そんな俺の言葉に⋯⋯。
「真面目か! いやこの人真面目だった!」
「真面目か! そうだこの人真面目だった!」
それぞれが似たような事を言った。
皆様にご支持頂いたおかげで、本作はコミカライズさせていただく事になりました!
本当にありがとうございます!
現在完全版も公開しております、コミカライズはそちらに準じた形になるかと思います!
形を変えて展開する「俺は何度でもお前を追放する」を、今後ともよろしくお願いします!




