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異世界人の異世界人による異世界人のための異世界4

こんにちは、今日の自分。

湖へと駆ける途中、どうしても気になって後ろを振り向いた俺は、見てしまった。



森から飛び出たそいつは、俺の方に向かって一直線に駆けてくる。速さは自転車の立ち漕ぎくらいの速度だが、湖に向けて、下り坂なので、暴走自転車そのものだ。



坂道を下りながら、立ち漕ぎすることの危険性は俺もよくわかっている。小学校の時、近所で有名な傾斜のきつい坂で、坂の上から下まで、立ち漕ぎした者は勇者になれるという伝説がにわかに学校で噂されはじめたのだ。そして俺は愚者になった。文字通り、こけてグシャグシャに…。



「危ないなぁ」



ここで俺はふと、自分のリストバンドのことを思い出す。



(そういや、これで壁でも作れば自分を守れるんじゃ…。やってみるか!)



俺は、分厚い防弾ガラスが俺の周りに壁となって現れる様子をイメージして、黒球リストバンドに念じてみる。すると、大したエフェクトもなく、最初からそこにあったかのように、透明で分厚いガラスが俺の四方1メートルくらいを囲むように現れた。



「これなら大丈夫だろ!」



そいつは分厚いガラスにぶち当たり…







粉々に砕けた。






「え?死んだのか?」



突然現れたそいつは、粉々に砕けた後は、音もなく消え去った。死体が残れば色々と情報が得られたはずなのに…。再生とかしないだろうな…。



「お前、セゼベバの使いを倒せるのか!?」



一抹の不安を感じながら、黒玉をリストバンドに戻していると、背の高い青年の方にそう言われる。



「これって、倒したことになるのか?こいつはいったいなんなんだ?」



「あぁ、俺も一度だけそいつが倒れるのを見たことがあるんだが、同じような消え方をしたよ」



どうやらアレで倒したことになるらしい。と、なると次に気になるのは…



「前に倒したのを見たことがあるってことは、アレは何匹もいるのか?」



「詳しいことを知りたいか?なら、俺たちの家に来ないか?使いを倒せる強者なら、歓迎するぜ!」



どうやら集落に入れることになったらしい。ナイス、セゼなんとかの使い。



「それじゃ、少しお邪魔しようかな」


「なら、俺が案内してやるよ!」



というわけで、少年門番が集落を案内してくれることになった。集落、といっても家が5軒しかなく、案内らしい案内は必要なかったが…。家がある、といっても、俺の元の世界の家感からはかけ離れた藁を被せただけ、という家で、そこに泊まるんなら、野宿すんのと変わらないだろ、と言いたくなる物だった。



また、集落は今、狩の時間か何かなのかもしれないが、その場にいたのは門番を除いて、たった1人のおっさんだけだった。




「普通、このシチュエーションなら、集落にいるのは少なくとも女の子だと思うんだが、そういう王道的な展開では無いわけね。おっさんは何してるんだ?昼寝か?」




藁の下で横になっているおっさんに話しかけるが、返事がない。





「その人はここで見つけてから、ずっとその体勢で動かないんだよ…」



少年は困ったようにそう呟く。



「ん?この集落って、あんたらが作った集落じゃないのか?」




「いや?ここはたまたま見つけたんだ。その時はセゼベバに追われていたんだがな」




雲行きが怪しくなってきた。



「てことは、あんたら、冒険者か何かか?この辺りの事情について、知ってたら教えて欲しいんだが…」




「教えて欲しいのはこっちの方さ、気づいたら森の中にいて、気づいたらセゼベバに追われていたんだから。こっちの子供は、その途中で見つけて保護したんだ」





「なんだって!ならあんたらも転移してきた人たちなのか?この世界でもともと暮らしてる人にはいつになったら会えるんだ…」



「テンイ、というのはよくわからないが、この場所については、よくわからないんだ。すまん…」




青年は申し訳なさそうに謝ってくる。情報が得られなかったのは残念だが、生きている人に会えたのは幸いだ。もう少し仲良くなっておくか。




「いや、すまない、そういえばまだ名前を教えあってなかったよな。俺は、池神明人、俺も気づいたらこの湖の浅瀬に浸かってたんだ。」



「君も…!そうだったのか…。同じ境遇なら、協力した方が色々といいことがありそうだ。仲良くしよう。私はトルヤナだ。こっちの小さいのはタナカヤスアキだ」



「!!」



聞き馴染みのある名字に俺は少しだけ嬉しくなる。




「よろしくな!ニーちゃん!」



「よろしくな。ヤスアキ。もしかして君の周りには、タナカという人はいっぱいいたんじゃないか?」



小さい方の名前は、俺のもといた世界では、わりとありそうな名前だったので、もしや、と思い、聞いてみる。




「ニーちゃん、俺の名前はタナカヤスアキだって!ちゃんと呼んでくれよ!あと、タナカヤスアキなんて珍しい名前を子供につけるのは、近所で狂ってると名高い、俺の父ちゃんだけだって!」




少年は笑いながら俺の質問を否定する。どうやら、この子供も俺とは違う世界から来たらしい。




「すまん、つい、俺がいた故郷の癖で、名前を省略しちゃう癖がでるんだ。許してくれ」




「で、あっちのおっさんは?」




「それは…」

結局色々わからないままです。書きたいことは色々ありますが、投稿優先で進めていきます。

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