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異世界人の異世界人による異世界人のための異世界2

湖に浸ってるままだと風邪をひきそうなので、とりあえずみんなで陸に上がって、体を乾かす。矢弓の少女はワニ状の獲物も一緒に持って上がってきた。さて、麗しの女性2人と和気あいあいとするのもいいが、まずやることがあるだろう。



「なぁ、これから協力してこの世界で生きてかなきゃいけなそうだし、まずは名前を教えあわないか?言い出しっぺの俺から…」



「あらあら、確かにそうですね、これは失礼しました。私、元の世界では、光と闇の女神なんて呼ばれていました、リーシャと申します。この世界には旅行できましたわ」



「いきなり人の話を遮るなんて、なかなかマイペースだな…。あれ?リーシャはこの世界に自分で飛んできたのか?さっきは誰かの悪戯かと思った、て言っ…」



「まぁまぁ、ニーちゃん、ネーちゃんの名前がわかったからいいじゃん。それよりもニーちゃんの名前を教えてくれよ!」



この世界では俺の話を最後まで聞いてくれる人はいないらしい…。



「まぁいいや。俺の名前は池神明人。元の世界では、何というか、高等学問を学んでたぜ!よろしくな!」



「名前なが!呼びにくいからニーちゃんでいいよな?ニーちゃん頭いいなら、アタシに勉強教えてくれよな!アタシの名前はナァ!見ての通り、魚取り一族のトドメ役だ」



見ただけでそこまではわからないだろ…。漁師、てことなのか?



「ニーちゃんさんに。ナァさんですか。よろしくお願いします。」



「リーシャさん、俺の話聞いてる?」



「ネーちゃん…リーシャは光と闇の女神、て言ってたけど、何する人なんだ?あと、旅行でわざわざこんなわけわからない世界に来たんだー?」



「ふふ。ネーちゃんでいいですよ。光と闇の女神は、見えるもの全てと見えないもの全てを司っているそうですが、私はこれといって特に何もしていませんでしたわ。1日に1回、ペセロの祭壇の歯車を1回転、回すくらいですよ。ちなみに旅行で来たというのは嘘ですわ」



嘘かい!!


にこやかな顔して、初対面でいきなり人の話遮るわ、嘘つくわ、自由な女神様だな…。彼女の元の世界での役割はさっぱりわからないが、司ってるものの範囲の広さから考えると、祭壇の歯車とやらを回さなかったら、その世界にどんな恐ろしいことが起きるんだろう…。考えないようにしよう。



「ハハッ!ネーちゃん面白いなぁ!よろしくな!」



「ナァさん、こちらこそ、よろしくしますわ。」



女子2人の相性は、なかなか良いらしい。いかんいかん、置いていかれないようにしなければ。



「ま、とりあえずお互いの名前は知れたし、話を進めようぜ。自己紹介はこの辺にして、これからどうするか話し合わないか?ひとまず人が集まってそうなところに移動した方がいいと思うんだけど…」



「私はこの湖、気に入ったのですが…」


「アタシもせっかくこの獲物取ったんだから、まずはこいつの味見をしたいところだな」



あれあれ?こういう状況で、留まるという選択肢有りなのか?



「いや、でも、森の方には明らかに安全じゃない生き物がたくさんいるし、この世界の情報もっと手に入れるとか…」



「ニーちゃんは慎重だなぁ。少なくともアタシがいればさっきネーちゃんを食おうとしてた、こいつが数百匹出てこようが、どうってことないぜ?調理だって任せときな!」



え、それ食べるんですか…。



「まぁ、ナァさんはお強いんですね。とはいえ、私も認識できるものであれば、存在を自由に消したり出したりできますので、危険については考えなくても良いと思いますわ。神聖力が薄いので、私がいた世界の下界の生き物ほどの数を全て消しされ、なんて言われたら難しいですが」



「それは頼もしい限りで…」



2人との生き物としての強さの差に愕然としてしまったが、俺も引き下がれない。



「でも、寝床はどうするんだ?夜の寝ている間に襲われたらひとたまりもないんじゃ…」



「では、夜を無くすのはいかがでしょう?」



「あ、そんなこともできるんだな」



このパーティー、最強すぎるだろ。俺がこの中にいる意味とは…。食べ物と危険はナァがいれば大体なんとかなりそうだし、それに加えてリーシャの神の力があれば、俺は何もしなくても生きていけそうだ。元の世界で生きるよりも楽に生きていけそう…。



「ニーちゃん、この世界のことがそんなに知りたいなら、ニーちゃんが、その辺の探検でもしたらどうだ?男の子は探検大好きだろ?」



「なんか適当だけど、それがいい役割分担かもな…。この世界の情報に興味があるのは俺だけみたいだし。ただ、攻撃力が心許ないけど…」



格闘技経験があるわけでもない、ただの大学生に異形の化け物の相手が務まるとは到底思えず、不安をこぼす俺。情けない…。



「あらあら、それであればこの玉を持っていくといいですわ。私の力の結晶ですので、なにかあれば、念じれば、必要なものに形を変えることができますわ」



リーシャは何もない中空から、黒光りする拳大の玉を取り出して、事もなげに俺の方に差し出してくれる。



「こんな凄そうなもの、借りてもいいのか?」



「えぇ、その程度の力の行使は、息をする程度のものですわ。お気になさらず。私もここ以外がどうなっているのか、少し興味がありますし。この世界は神聖力が低いせいか、千里眼もうまく機能しませんの」



千里眼なんて凄いスキルも持ってたのか、この女神は。元の世界では、全知全能の神だったんじゃないだろうか。


他人の力頼りなのは情けない話だが、力が無いのは事実なので、遠慮なく差し出された玉を受け取る。



「念じたものに形を変えるっていうと、こんな感じか?」



玉のままだと持ち運びしにくいので、俺は試しにリストバンドをイメージしてみた。すると、玉は光り始め、みるみる筒状のモノに変わり始め、一瞬後にはコットン100%(体感)の黒いリストバンドに変わっていた。早速それを左腕に装備する。



「これは便利だな。ありがたく使わせてもらうよ!」



「えぇ、その代わりと言ってはなんですが、その玉には私の千里眼の媒体としての機能も持たせておりますので、たまに覗かせてもらってもよろしいですか?」



「それくらい、全然構わないよ!いくらでも覗いて、俺の冒険を見守ってくれ」



「ニーちゃん、よかったな!これで念願の探検に向かえるじゃねぇか!アタシがこの辺で食べられそうなもの取ってきて、料理を作っといてやるから、夜までには帰れよな!」



「私がその黒玉を介してできることは覗き見だけですので、万が一危険が迫ったら逃げるための道具に変形させて帰ったからことをお勧めしますわ」



「あぁ、ありがとう。夕飯までには帰るぜ。それじゃ…行ってくるよ!」



得体の知れない異世界だが、現状これ以上ない装備をして、最強の仲間が俺の帰りを待っていてくれている。欲を言えばついてきて欲しいところだが…。初対面でなんでも求めるのは失礼だろう。ここは俺の頑張りどころと心を決めて、前に進むしかないだろう。



そうだ、俺たち、もとい俺の冒険は、今ここから始まるのだ!

完!!野中の中の人の次回作にご期待ください。

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