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炭都  作者: 小川藻
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 西斜坑を伝うことで、大崩落していた本斜坑・添斜坑の上部にやってきた。地下3000メートルから上は、生存者のグループが多くあった。



 初めは2800メートルのところにいた男2人、女1人のグループ。電力も食料も豊富で、もう1月は耐えられるという。9200メートルから来たと言うと驚かれた。もし地上に出られたら救助を呼ぶことを伝える。



 2100メートルのところには女2人のグループ。こちらも電力・食料はまだ充分にあったが、2人の女の関係が上手くいってなさそうだと、別れてから西口がぽつりと述べた。



 1600メートルのところには6人の下請けの男達がいた。彼らは一帯を調査しており、1200メートル地点で斜坑が大崩落していることを伝えられた。



 私は新幌内炭鉱のとある個所が、旧幌内炭鉱に接続していることを知っていた。途中から100年前の炭鉱に出られるのだ。その場所は調査したのかと尋ねると、下請けの連中はそんな場所は知らないという。もし地上に出られたら救助を呼ぶことを伝える。



 彼らはいずれもなぜかこの壊れた炭鉱に馴致してしまっていた。脱出しようとせず、そこの資材を費やして暮らしていた。

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